2008年12月21日日曜日

ガラガラ沢を下まで

21日は冬至。
いざ冬本番へという節目の日なのに。
なんかおかしいです。天気。
すごく暑いです。



前線にそって南風が吹き込みます。
ちょうど日本海低気圧が春一番を吹かせる原理と同じ。
山は、まるで春。

週末は、土日とも八方尾根周辺。
2週間前より雪はだいぶ少ない。


12月20日(土)晴れ 無名沢周辺~ゲレンデに戻る

メンバーはM浦さん、F神さん、私の3人。
すごくいい天気。

雪は、新しく積もった分はないが、斜面を選べばパウダーにありつける感じ。
2361まで登ってピットチェックしてドロップ。
600m近く標高を落として上り返す。
雪はなかなかいい。
もう一本短めに滑ってゲレンデに戻る。

夜、雪崩にくわしいU竹さんが合流。
翌日の作戦会議。


12月21日(日)晴れ ガラガラ沢

天気が持つのはせいぜい午前中。
短いルートを1本と決める。

前日の情報によると、ガイドパーティーはガラガラ沢を滑っていて、なかなかよかったとのこと。
この雪の量で沢を下まで滑るという判断はなかなかできるものではないが。
そこはさすがにガイドだ。

ガラガラ沢に決める。


ゴンドラ前の一枚。
ビンディングに注目。

右から、ナクソー、ディアミール、TLT、バロン。
揃いましたね。山スキーのビンディングが。


いざ歩き出すと、南風が強くて暑い。
前日よりもさらに雪が減っている。
パウダーは望めないだろう。

八方山からエントリー。
ガラガラ沢までは、パウダー、重いパウダー、アイスバーンのMix。


ガラガラ沢のエントリーは慎重を期す。

ガラガラ沢の上部はいい感じで雪がついていた。
重めのパウダー。



下部はデブリの処理。




さらに下部は沢が出ている。


それでも何とか南股入までは滑っていける。
渡渉して、林道歩いて12:15分二股到着。

天気はかろうじて持ってくれた。




2008年12月19日金曜日

ディアミールの使い心地

愛機のVector Glide SHIFTですが。
今シーズン、アルペンビンディングからディアミールフリーライドプラスにつけ替えました。ディアミールなど山スキー用ビンディングは、何かと滑走性能が劣ると言われていますが。フリーライドプラスはその中でも滑りを重視したモデルということですが果たしてどうなのだろうか。


ビンディングを替えてから、今回初めてまともにゲレンデを滑ったということもあり、いろいろと違いがわかってきました。ということで考察してみます。

あくまで私の主観で、ゲレンデに限った話ですが。



~いきなり結論~

ディアミールとアルペンビンディングではフィーリングが全く違う。ゲレンデではやはりアルペンビンディングのほうが板の性能を引き出せている。しかし特性を理解して滑ることで、ゲレンデでも充分支障のないレベルまで持って行ける。


~ディアミールで滑った印象~
  • 荷重した後の板の反発が少ない
  • かかと付近の荷重が板に伝わらない
  • 大きく角付したときに、ブーツ直下の足裏(エッジの接地)感覚がなく、遠心力方向に板が流される
基本的に板がうまくたわんでいない感じです。


~考察~

まずは、ディアミールの構造からおさらい。

ディアミールは、トゥピース、ヒールピース、エンドピースの3つの部位と、各部位をつなぐプレートからなります。トゥピース、ヒールピースはゲレンデ用と役割は一緒。トゥピースとヒールピースはプレートに連結されtていて、滑降時はエンドピースの操作でプレートと板を固定します。このとき、トゥピースとエンドピースはしなりの無い1本の棒で連結されるわけです。そしてトゥピースのかかとが乗る位置とエンドピースのプレート固定部の間隔は約 10cm。

私が普段の滑るときのイメージは、かかと荷重。かかとを外側に押し出しながら、かかと中心にピボットです。かかと付近で荷重が集中し、スキー板のたわみが極大になるイメージです。ディアミールでは荷重はプレート全体に伝わるので、1点で荷重というのはほぼ不可能。効率よく板をたわませるためには、トゥピースとエンドピースの中間点に荷重をかけないとダメ。そしてそれはブーツセンターとかかとの中間くらいになります。

で、
  • 重心を少し前に持っていく
  • 角付は小さめに
  • 板は体に近いところにキープ、重心の真下から離さない
ということを意識していれば、ほとんどの場面で支障は出なさそうです。


実は、滑りにおいてマイナスばかりではないようです。
板の反発が少ないというのは、考えようによってはGood!
反発が強いとパウダーに沈むとすぐに雪上に跳ね上がり、パウダー内で長いエッジングができなかった。結局小回りしかできなかったわけで。(大回りできなくはないけど、小回りが一番バランスが良い)今は、長いエッジングで大回りを楽しめるようになりました。


2008年12月16日火曜日

テレマーク体験

日曜だけで山に滑りに行く予定でしたが、雨の予報で中止。
飛び入りでゲレンデ企画に参加させてもらいました。

メンバーは、ハニワくん、しょうさん、さかいさん、私の4人。
私以外はみなテレマーク。

場所はアサマ2000。
この時期、ほかのスキー場は雪不足のなか、いい感じで真っ白でした。
普段、山でしか滑らないので1日中ゲレンデを滑るスタミナあるかどうか不安な感じでしたが。
前日に餃子たらふく食べたから大丈夫。



で、ちょっとした会話から、さかいさんと道具をチェンジして滑ることになった。
つまりテレマーク。

初です。


↓こんな感じ。


生後間もない小鹿ちゃん?
後ろ足のポジションがうまく決まらない。

なかなかおもしろいですテレマーク。


2008年12月8日月曜日

八ヶ岳

すべらない週末。

八ヶ岳に冬期クライミングに行ってきました。
会の雪山初めということで、総勢14名が行者ベースに集合。
1名が日曜のみ集合。
各々が毎日パートナーを替えての2日間の登攀を楽しみました。

私はというと、実は冬のマルチピッチは初めてなのですが。
土曜日は、リーダーN島さんに引っ張られて赤岳主稜に挑みます。
日曜日は私がリーダーで阿弥陀岳北稜。

事前に得た情報によるとかなり雪が多いらしい。
北稜はラッセル敗退もあり得るとのこと。
で、ワカンも持参。(ベースにデポしましたが)

それにしても寒い。寒すぎ。
さすが八ヶ岳。

晴れても吹雪いても寒い。
これぞ八ヶ岳。

雪山初めに多くの人が集う場所。
それが八ヶ岳。


12月6日(土)曇り-雪 赤岳主稜

八ヶ岳って冬型の天気のときは晴れるんじゃ?
土曜は冬型のはずなのに視界がない。風もある。
あとで確認したら、天気図、等圧線が日本海で乱れてますね。
典型的な冬型とはいかなかったらしい。



6時半ころ美濃戸口出発。
7時半くらいに美濃戸発。
9時半くらいに行者小屋に到着。
テント装備をまとめてデポし、赤岳主稜に向かう。

視界がなく、主稜は見えたり隠れたり。
全貌が見渡せない。
これから登ろうとしているのは一体どんな場所なのだ?

取り付きまでちょっと迷ったりしたが、
ガチャを装備してロープ結んで12時の無線交信を終えていざ取り付き。


これが取り付き支点と残置スリングが見えたのでわかった。

出だしのチョックストーンにかかっている残置スリング。
きっちり決まっているのを確認して迷わずA0。
岩にアイゼンの爪を立てて登る。


登攀に関しては岩が脆いことにさえ注意すれば難しいことはない。

敵は寒さ。
ガタガタ震えながらビレー。
登攀中は腕を上にあげてるもんだから腕の血の気が引いて痛いほどに冷えまくる。
登っているときに考えていたことは「早く終わらないかな~」と、ただそれだけ。

そして、なんといっても手袋をしたままのロープワークがめんどい。
いちいち手袋がカラビナに挟まる。
終了点作るのにどれだけ時間がかかったことか。

それにしてもN島さんは作業が早い。
ロープの流れが止まるとすぐにビレー解除の合図。
するするとロープがあがって登攀開始の合図。
かるく数分の差がここで出る。

冬はとくに素早さが大事。
身にしみて実感。

ときおり霧が晴れたときに見える赤岳山頂。
もう少し!

3時の無線交信。あと1ピッチか2ピッチと伝える。
実際はコンテで5分くらい歩くと山頂だった。


登攀中は写真撮る余裕ないです。
とりあえず山頂で一枚。

ようやく落ち着いた。
ちょっと食べ物をほおばって。
滑るように下山。
行者小屋到着4時ごろ。


さて泊まりなんですが。
テントはゴアエスパース。
ゴア素材なので外張もフライもないタイプ。
寒いぞ!八ヶ岳でこれはやばいかもしれない。

4人で中ガス2個。
普通の1泊なら水を作っても間に合うガスの量なのに。
水場はあるから水作りはしないのに。
暖房で使っていたらみるみる減ってしまった。
ガスのみならず、酒が減るのも早い。

なので寝る。


12月7日(日)ピーカン 阿弥陀岳北稜

すっごい晴れている。
雲ひとつない。
移動性高気圧だと。



メンバーは、
私がリーダーで、K島さん、T巳さん。
みな初心者ゆえ、北稜へのアプローチを知らない。
会では、ほか2パーティーが北稜入りするので連れて行ってもらおうと思ったら。
『迷うのも経験』ということで放り出された。
さてはラッセル泥棒を目論んでるな?
   、、、とは決して思っていない。

ともかく出発。
まずはトレースを追う。
トレースは中岳沢を一直線に登っている。
目指す北稜は、右手の尾根のもう一本向こうの尾根だ。
中岳沢途中で意を決して右手の尾根に向かってラッセル開始。
尾根を越えて北稜を眺める。
視界がいいのが幸いした。
ジャンクションピーク(JP)らしきものを見つけたのでそこに向かってラッセル。

ラッセル中に日が昇る。

JPらしき場所に着くも、そこがJPなのか半信半疑。
あとで調べたらそこは間違いなくJPだった。

稜線を歩いて岩峰に取り付く。
この日はK島さんとT巳さんにロープを結んでもらい、私は中間で悠々ユマーリング。


写真を撮る余裕もアリ。


K島嬢余裕のポーズ。

岩峰は2ピッチで終了。
あっけなく終わった。




阿弥陀岳を登って赤岳まで足を伸ばす。
下山中は、前日に登った赤岳主稜がばっちり見える。


中央右よりの稜線が赤岳主稜。

充実の2日間。

それにしても靴が足に合わなくて痛い。



2008年12月4日木曜日

雪崩

実は、勤労感謝の日の3連休、立山にて小規模ながら雪崩に流されました。一通りの報告を終えたことと、JAN主催のアバランチナイトに出席して雪崩の危険性を再確認したタイミングで、ここに報告したいと思います。

無事だったから言えることなのですが、山スキーは楽しいだけじゃないということをシーズン初めにして身をもって経験できたことは安全意識を高める意味で良かったと思います。



  • 発生日時:11月24日午前11時ころ
  • 発生場所:雷鳥沢の二つ東隣の沢上部
  • 状況:
トラバース中、ソフトスラブ雪崩発生
約5m流される。
幅:約5m、厚さ:約10cm。
傾斜:20~25度

  • 状況詳細
雷鳥沢を滑り終えた後、もう一本別の沢を滑るということで1時間程登り返す。登っている最中には、数人が滑り降りていった。

登り終えた後、I井さん、N村さん、私が広い稜線上のほぼ同じ場所で、M野さんはさらに10mほど登り、スキーヤーズレフト側に移動した場所で準備をする。

滑る準備を終えたI井さん、N村さんは先に滑り出す。雪崩は、私が斜面を確認するため左にトラバース気味に滑り出したときに発生。目眩がしたようにふらついて尻もちをつく。

視界には立ち木などの目標物も少なく、ちょうど日が陰っていて斜面の凹凸がわからない状況で、自分が流されているのに気がついたのは左手上方でまだ準備をしていたM野さんが遠ざかっていくのがわかったとき。

「雪崩だ!」と叫んだときにはすでに流れる速さは遅くなっていて、5mくらい流された時に立ち上がることができ、滑って逃げる。雪崩はそこで止まったもよう。

斜面はM野さんがいた付近数メートル下からわずかながら勾配が急になり、雪崩が止まった付近でやや緩やかになる。


  • 天候
前日は日中雪。夜は雲ひとつない天気。
風は終日それほどない。
積雪はテン場付近で20cm程度。
当日朝は晴天。徐々に雲が広がってきた。
剣御前小屋付近は風やや強い。


  • 積雪の状況
朝8時ころ、雷鳥沢横を登っているときに行ったピットチェックでは、15cm、30cmの深さに不明瞭ながら弱層あり。いずれの弱層の上下はともに雪粒同士の結合が弱く、弱層で滑るようなスラブ雪崩が発生
する状況ではないと判断。


  • 考察
今回雪崩に遭遇したのは、積雪の場所による多様性を捉えきれなかったことが原因だと思います。
現場はピットチェックをした場所よりも風の影響を強く受ける場所だったので、ウィンドスラブが生成されていたと思います。また、斜面の勾配がわずかながら急になっていた場所だったので、斜度の変化でスラブが弱くなっていた場所を踏んだと考えられます。

雪質については、登っている途中でも雷鳥沢と雪質が違うことに気づくことができ、気づけば再度ピットチェックを行って危険度を測ることができたはずです。

斜度が変化しているところは一目瞭然。そういうところは近づかないか、雪面にショックを与えないで通り過ぎるべきで、トラバースなどしないことです。

M野さんがシールで登ったすぐ下であったことや、他に何人かが滑った後だったので油断しました。



2008年11月29日土曜日

唐松岳ピストン

先週に引き続き山スキー。八方尾根スキー場から唐松岳ピストンです。M浦夫妻に連れて行ってもらいました。

久々の白馬。実は先シーズン白馬で山スキーやっていないのです。白馬に行かず、いったいどこで滑っていたのか自分でも不思議。それにしても今シーズンは11月にして北アルプスのピーク一つ目。出だしは順調か。


今回は土曜1日だけの日帰り山スキー。
金曜夜都内発。途中のSAで泊まり。八方尾根のゴンドラに乗ったのは9時前。歩き出しが9時40分というちょと遅めのスタート。途中で板をデポしてアイゼン・ピッケルでピークハント。唐松岳山頂到着が13:30。ゲレンデに戻って15:00。午後から天気が崩れるということだったので、山頂アタックは無理かと思ったけど。なんとか晴天のうちにこなすことができた。

それにしてもピークハントってのはなかなか充実感があるねぇ。滑りで満足できなくてもピークに立ったことで満足できてしまったりする。




案外下界は雲の下なのかもしれない。


さぁ登るのだ!


不帰Ⅱ峰・Ⅲ峰。迫力があります。滑りたい。
雪崩の破断面がきれいに出ていました。


山頂最後の登り。


相変わらず滑りの写真がないな。


八方尾根、ゲレンデちょっと滑りましたが。
ディアミール、ゲレンデでは扱い難しい。
慣れるのに時間がかかりそう。



2008年11月26日水曜日

立山

11月22日~24日 山スキー@立山

持ち込む板は、ディアミールフリーライドプラスに打ち変えたばかりのVector Glide SHIFT。


メンバーは、M浦さん、M野さん、I井さん、N村さん、N島さん、N口さん、F神さん、私。8人でテント泊。テントは2張り。なんとF神さんはキスリングいっぱいに荷物を詰め込んできた。キスリングを実際に使っているのは初めて見た。N口さんは一体どれだけの酒を担いできたのかな。そういえば聞くの忘れた。

立山入りする数日前から吹雪で積雪量は十分。ただし急に降り積もった雪に雪崩注意。期間中の予報は直前でようやく初日のみ晴れるとのこと。

金曜夜の前泊は同じ期間に立山入りするということで同行していたO部さん御用達の別荘に泊まらせてもらうことに。
なんとも素敵なシチュエーション。感激です。


22日(土)晴れ 扇沢~室堂~周辺スキー

扇沢はすでに大渋滞。身支度をしてチケット売り場に移動する。やはりみんなこの時期は立山なんだ。いろんな友人と出会う。なんとJINさん、ビール1ケース=24本担いでる。うまくザックに括りつけて。この括りつけ方からすると相当な手練れのようです。



黒部ダムを渡り、


国境の長いトンネルを抜けると


雪の立山。


すごくいい天気。滑降に必要のない荷物は室堂ターミナルにデポ。はやる気持ちを抑えてピットチェックを行う。一ノ越に向かう途中で滑降開始。正真正銘今シーズン初滑り。


23日(日)雪 停滞~ビーコン練習

朝から雪。視界もない。まずはテントの中でゆっくりする。
山荘泊で立山入りしていた、S見さん、M尾さん、M崎さんは朝立ち寄ってくれた。これから滑るとのこと。
それで午前中で切り上げて下山して連休最終日は白馬のゲレンデで滑るらしい。予報は翌日も雪だから立山に残っていても仕方がないとの判断。聞けばこの日に下山する人はほかにもたくさんいるようだ。

快適には滑れそうもないので、ここはビーコン練習。複数(2個)埋没の捜索もやってみる。
ひととおりビーコン練習を終えて今日明日の予定について相談する。
相談した結果、2組に分かれることになった。

M浦さん、N島さん、N口さん、F神さんは下山して翌日はゲレンデ滑降。
M野さん、I井さん、N村さん、私は立山に残って晴天を祈る。

居残り組のうちM野さん、N村さん、私の3人でテン場~雷鳥荘間を何回か滑る。
最後の夜なので食糧・酒をたいらげる。M野さんのケーナの音色が響く。
(※近隣のテントの皆様ご迷惑をおかけしました。)

外は満天の星空。予報では雷を伴った雪だそうな。遅い時間ほど天気が悪くなるらしい。


24日(月)晴れ 雷鳥沢~雷鳥沢近隣滑降

なんと晴天。我々は雲の上だ。ただし天気が持つのは午前中がいいところ。超美味のマルタイ棒ラーメンを腹にかき込み、ティータイムもそこそこにテントを飛び出す。雷鳥沢に登っているのはまだ10人もいない。他には大日岳方面に登っているパーティーがいる。


人が少ない。テントも少ない。やはり下山した人がかなり多いようだ。しぶとく残った者だけが本日のパウダーにありつける。

先行している人たちの何人かは雷鳥沢途中で滑り降りていく。深くはないが十分パウダーが楽しめそうだ。剣御前の小屋に到着したのは4番手くらい。

まずは剣岳を眺める。


雷鳥沢上部にはまだまだノートラックが残っている。4人全員揃ったところで一気に雷鳥沢を滑り降りる。しっかり浮力を感じられるいいパウダーだ。ゲレンデ用ビンディングに比較して滑走性が劣ると言われるディアミールフリーライドプラスもパウダーでは全く問題なし。

雷鳥沢を滑り終えて9時半。まだいけそう。近場を1時間ほど登り返して2本目を滑る。
テントを撤収して室堂ターミナルに向かう。雪が降り出して風も徐々に強くなってくる。絶妙のタイミングで切り上げたようだ。

室堂ターミナルではトレラン界でも有名なともぞうさんに会った。1週間の滞在中ほとんど吹雪だったそうだ。ともぞうさんには以前、谷川岳バックカントリーに連れていってもらったこともある。覚えていてもらったのは嬉しい限りです。




2008年11月11日火曜日

靴を新調

新調したのはクライミングシューズです。
いままで履いていた=初めてのMy クライミングシューズはFIVETENのSPIRE。
今ではすっかり足に馴染みました。
この前の幽ノ沢中央壁正面フェースなんて、取り付きから終了点までの10時間ずっと履きっぱなしでも問題ナシです。(※なんでそんなに時間がかかったのかという指摘は真摯に受け止めます)

このシューズでは笹薮の中でも泥の水溜りの中でも果敢に突入することが出来ました。
今後もアルパイン用として活躍してくれることでしょう。


そして今回新調したのはモカシムオンサイト。

冬期間は外岩行かないので、インドア用として買ってみました。
サイズはきつめ。

いや~
サイズ、きつすぎたかな。

今日T-wall行って履いてみたけど、リード一本で足が限界でした。
ネットでモカシムオンサイトの評価見たら、すぐ伸びるって書いてあったから。
まぁ、伸びるのを待つか。
しばらくは2足とも持ち出しでしょう。

残念なのはシューズを代えたからといって上手くなっていないこと。
もともと道具で差が付くほどの技術レベルでは無いということだね。

今日のT-wall成果なし。
伸び悩んでます。

2008年11月6日木曜日

三連休に岩三本

内容の濃い3日間。
登攀力、ルート判断など未熟さが露呈した部分もあり。
それでもなんとかして突破したという経験は自信になった。
そういえば3日間連続の岩の経験はこれまでにない。
体力的にもちょっと自信がついた。

メンバーはリーダーN島さん、O村さん、I藤さん、私の4名。
3連休で谷川岳の岩場3本という計画を掲げる。
雨の転進などもあり実際は、
  • 1日目:榛名黒岩でフリークライミング
  • 2日目:幽ノ沢中央壁左フェース敗退
  • 3日目:幽ノ沢中央壁正面フェースヘッデン下山(一部ヘッデン登攀)
という具合。


事前の情報では谷川岳はすでに雪を頂いたという。
予報では、土曜の午前中の弱い雨のほか天気が崩れる心配はなさそう。

満天の星空の下、意気揚々と金曜夜に一ノ倉沢出合に入ってテント泊。




11月1日(土)

あけて土曜朝。

土砂降り。。。

一瞬、強風がテントを襲う。
フライがめくりあがりテントの中に雨がしみこむ。
テント内プール状態はもう慣れっこですが。。。
とりあえず雨のあたらないところに避難して朝食。

日本海側は天気が悪いらしい。
関東で天気が悪いのはここだけか?
谷川岳周辺の沢を予定していたS山パーティーと合流して榛名黒岩のフリークライミングに転進。
ちなみにフリークライミングのゲレンデでまともに登るのはこれで四度目。
谷川岳の岩場に来た回数より少ない。

しかしここは人が少ない。
首都圏からそんなに遠くないんだけど。



5.9とグレーディングされているがどうみても5.7のスラブは初めてのリード練習とかにちょうどいいかもしれない。

一ノ倉沢出合まで戻ってテント泊。



11月2日(日)
幽ノ沢中央壁左フェース
(敗退)

5時起き。すごく天気がいい。
谷川岳をフレームにおさめようとする写真家がたくさん。
駐車場はすでに満杯。


雪を頂いた谷川岳は山頂だけが白く、ふもとは紅葉で鮮やか。




この日のルートは幽ノ沢中央壁左フェース。


ここは近年ルートが崩壊して登れなくなったと聞く。

登れるところまで登る。
途中からの転進や、場合によっては敗退も覚悟で臨んだ。



これが幽ノ沢中央壁。

雨、雪解け水で岩場は濡れている。
T1と呼ばれるテラスまではアプローチとされているが。
そこへ行くのにも一苦労。
ロープを結んで2ピッチでようやくT1に至る。

幽ノ沢は、有名な一ノ倉沢が隣に位置するがために、これだけの規模の岩場を持っているにもかかわらず人影は薄い。
この日は我々4人で幽ノ沢を独占。

人が入らないということはルートが整備されていないということ。
正しいルートをたどってもまともな支点は少ない。
ましてルートをはずすと、10mくらいのランナウトはザラにある。



崩壊したというのはルートの核心でもあるZピッチの箇所のようだ。
Zピッチはハング下を右にトラバースしてからハング上に抜けるルート。
いまやハングは崩壊して半分くらい欠け落ちている様子。
とてもトラバースできる状態ではない。

トラバースではなく、直上するルートもある模様。
しかし、ビレー点には壊れたペツルと錆びたリングボルトがあるのみ。
何より濡れた岩が前進を困難にしている。

ひとまず壊れたペツルの5m下までクライムダウン。
ハーケンを2枚打ってビレー点をつくる。

N島さん、壊れたペツルの隣にリングボルトを打ち込む。
まずはビレー点を上に上げる。

しかし濡れた岩ではここまでが限界。
前進するためにはもうひとつリングボルトを打ち込む必要があった。

敗退を決める。
新しく打ち込んだリングボルトは懸垂下降の荷重に耐えるのには充分だった。


11月3日(月)
幽ノ沢中央壁正面フェース

前日に次いでこの日も幽ノ沢。
アプローチは前日とはルートを変える。
展望台と呼ばれる尾根にあがり、懸垂下降で沢床に降りる。
その後は沢通しで。
豆腐岩の右から登攀開始となるのだが、やはり濡れているので早めにロープを結ぶ。




このルートはハングの切れ目を乗り越える箇所が核心。
ここでルートファインディングの未熟さが露呈した。

先行のN-Iパーティーは右にルートを取った。
左に見えるルートにハーケンが連打されているのを下から確認した私は、左にルートを取った。
しかし、傾斜がきついのと濡れているのとで全く登れない。
スリングをアブミ代わりにして3手ほど進むが、あと一手というところで支点がなく、ついにはカラビナを残置して下降する。

結局N-Iパーティーと同じく右を登ることになった。
途中でピッチをきった事情もあり、1時間ほどの遅れをまねく。




ここからは3級程度のスラブで簡単に登りきれるはずだった。



簡単にいかなかったのは濡れていたことが最大の原因だろう。
しかも少しでもルートをはずすと支点が全くない状態。
笹藪を束ねて支点をつくり、ビレー点とする。
とてもハンギングビレーをする勇気はない。

とうとう岩場を抜けて笹薮に突入したタイミングで日が暮れる。
ヘッデン着用となる。
笹薮といえど、ロープははずせない傾斜。
まぁ、岩場を抜けていた分だけラッキーだったといえるか。

途中雨に降られたときには絶望したが。
幸い雨はすぐに止んだ。

霧が出て視界が狭まる。
暗闇の霧は距離感を狂わすようだ。
先に稜線に上がったN-Iパーティーのヘッデンの明かりがすごく遠くに感じた。
まだまだ遠いという印象が疲れた体にこたえる。
実際は50mロープで届く距離なのに。


中芝新道までのルートは真っ暗な中、踏み跡を見失わないようにたどる。
この日16時間を越える行動時間。




2008年10月25日土曜日

一ノ倉沢 南稜~国境稜線&変形チムニー

週末、一ノ倉登ってきました。
18日(土)烏帽子沢奥壁南稜~国境稜線~巌剛新道
19日(日)変形チムニー

カメラは諸事情で持っていけなかったので、今回の写真はI籐さんの写真をリンク。

すごく良かったです。
何が良かったかというと天気が良かった。
なんとお盆からずっと降られ続けた雨がこの週末ときたら超ピーカン。
しかも紅葉は谷川岳中腹~山麓にかけて鮮やか。
気持ちいいです。

今回は私がリーダーを務める。
実は今回が初リーダー。不安がイッパイ。

メンバーは大先輩のO村さん、
ナチプロマスターのI藤さん、
クラック嬢のK島さん、
アルパイン1年生のT巳さん。
ちなみにT巳さんは18日だけの参加。


今回のルート選定で、国境稜線にはちょっとこだわった。
私が6月にアルパインデビューを果たしたのは、まさにこの南稜なのだが。
そのときには懸垂で下降したわけで。
なんか谷川岳をほんのちょっと触っただけで終わった感じがした。

一ノ倉~国境稜線~山頂は谷川岳のスケールを感じるために行きたかったルート。
これは時間がかかるので登るルートは一番簡単な南稜に決める。



18日(土) 南稜~国境稜線~巌剛新道

  • 4:50 谷川岳ロープウェー発
  • 6:00 一ノ倉沢出合出発
  • 8:45 南稜テラスから取付
  • 12:05 南稜終了点
  • 14:30 一ノ倉岳
  • 15:40 トマの耳
  • 18:30 マチガ沢出合
  • 18:45 一ノ倉沢出合
この時期は金曜夕方~日曜夕方にかけて車両規制。
登山指導センター~一ノ倉沢出合までは徒歩約一時間。
テントやら食料は一ノ倉沢出合にデポ。



日の出前、一ノ倉沢の上に浮かぶ月をカメラに収めようと写真家がたくさんいました。

雪の無い時期のアプローチは初めて。
ヒョングリの滝付近は右岸から巻いて懸垂下降で再び川床へ。
テールリッジに取り付く。

懸垂点には2パーティー7人くらい。
テールリッジには2パーティーくらい。
後続にはさらに2パーティーくらい。
この時期にはこれでも少ないほうかもしれない。

南稜に到着。
1. K島-T巳
2. I藤-O村-私
という編成で登る。

核心の最終ピッチはT巳さんはフリーでリード。
徐々に傾斜が強くなって最後1mくらいが垂直。
この一手が微妙に難しい。
丁寧にさぐってガバを見つけるべし。


写真はO村さんのリード。

さて、ここからが醍醐味。
国境稜線へ抜けます。

南稜終了点~烏帽子尾根は、脆いスラブ、ルンゼ、笹藪を交えて登る。
残置ハーケンがいくつかあるも、特にロープを必要とする場面はない。
烏帽子尾根からは明瞭な踏み跡が続く。

5ルンゼの頭は脆い岩場。I藤さんがリードでロープをフィックスして全員登る。



天気も景色もいい。
気持ちがいい。

国境稜線はもう目の前。
笹薮の中の踏跡をたどる。

南稜終了点から約二時間。
一ノ倉岳の稜線にでる。山頂で固い握手。





山頂、西黒尾根を経て下山。
巌剛新道途中で日が暮れてヘッデン下山。
マチガ沢出合到着。
T巳さんとはここでお別れ。


19日(日) 変形チムニー

  • 6:30 一ノ倉沢出合出発
  • 8:50 変形チムニー取付
  • 14:30 烏帽子岩直下
  • 17:00 南稜テラス
  • 20:00 一ノ倉沢出合

前日、遅い下山の割りに豪華な料理で宴会を設けたおかげで朝はちと遅い。
再びのテールリッジ。
時間が遅いせいか、前日は待たされた懸垂下降は全然待たない。
懸垂下降中、対岸にはフィックスロープがずっと下流まで張ってあるのに気が付いた。
これはなんだろう?
後ほど下山時にこのロープに惑わされることになる。


編成は、
1. O村-私
2. I藤-K島


  • 1P目(50m):私:
朝イチから少ない支点で多少ビビり気味。
すでに10mくらいランナウトしているのに、『(ロープ残り)あと5メートル』の声。
やばい、、、支点が、、、
あった!
  でもボロい、、、

その2メートル上には立派なペツルが2個。ビミョーに届かない、、、
ボロ支点でセルフを取って、ビレー解除。
何とか伸ばしてペツルから支点を取る。
本当は途中で一回切るべきなのだろう。


  • 2P目(40m):O村:
右の小ルンゼを登るもかなり悪いが執念で抜ける。
変形チムニー手前で切る。


  • 3p目(40m):私:
変形チムニー。
背中、脚、腕を突っ張ってのぼる。
ガバなので登りやすいのだがとにかく窮屈だ。
ザックの中のお菓子がバリバリ割れる音がするよ。
チムニーを抜けてそのまま直登。


この隙間を登ります。中にO村さんがいますよ。


  • 4p目(50m):O村:
トラバースして中央カンテに合流するピッチなのだが。
右上して間違いに気づき、クライムダウン。
正解は下降気味にトラバース。

どこまでトラバースするのか?

O村さんはボロボロの中央ルンゼを詰める。
ロープいっぱい伸ばして尖った石でビレー。
残値のピトンは多数。
でもこのボロさ加減、終了点の貧弱さを考えると登るべきルートではないと思う。

ちなみにI藤-K島Pはトラバースを長くして中央カンテに合流。


  • 5p目(20m):私:
垂壁の一段手前で切る。

  • 6p目(20m):私:

ここが核心の垂壁。
距離で言えば前のピッチから継続できるのが、核心部を前に一旦切る。
近づくと本当に垂直。高さ2mそこそこなのに迫力がある。
真ん中にはしっかりした支点が連打。
左にはピナクル、というかでかいフレーク。

作戦を考える。
ピナクルを使うか?

でもここはしっかりした支点があるし、すぐ下でO村さんがビレーしているので、思い切って真ん中を突っ切る。
右よりのカチを使って一段乗りあがるとそこはガバだらけだ。
腕力で登る。

そのすぐ後、コーナークラック。
このクラックは取りつくも、垂壁で萎えたのでギブアップ。


  • 7p目(50m):O村:
コーナークラックにはしっかり効いたナッツが残置されてある。
レイバックで超える。
そのまま50mいっぱい伸ばす。

烏帽子岩がすぐそこに見える。


  • 8p目(50m):私:
草付きを交えて烏帽子岩下まで。
ここでのセカンドのビレーは景色が最高。
グラビアビレー点としたい。

トポには無いが、ここで懸垂した形跡がある。
様子を見て下降を決める。



  • 下降:
7ルンゼ?に空中懸垂で降り、笹藪をトラバース。
笹藪にはフィックスロープもあった。
懸垂1Pで南稜最終ピッチの取付に出る。
以降、6ルンゼを下降。南稜テラスへ。

O村さんはテールリッジを先に下降。
私はI藤さん、K島さんを待って下降。

テールリッジは初めからヘッデン下山となった。
朝に見た左岸のフィックスロープ。
これで降りられるだろうという判断は間違っていた。
結局登り返して、登ったルートを下山。

一ノ倉沢出合に戻ったのは8時。
先に下山したO村さんは車を回して待っていてくれた。


2008年10月10日金曜日

里山アドベンチャーとコーヒーと清水国道

10月4日~5日、群馬県みなかみ町で開催された里山アドベンチャー。
2日間で行われるアドベンチャーレースの大会です。
Real Discoveryからは純血2チームと、他チームとのMIXで計7名が選手として参加。

そして私は便乗してカフェスタッフとして参加しました。


カフェスタッフとは?



Real Discoveryが大会本部と協力して極秘に薦めていたプロジェクト『げりらカフェ』。参加選手およびスタッフに温かい飲み物を提供するのが目的。
実は、Real Discoveryには、アドベンチャーレースの選手のみならず、多才なメンバーが集っているのだ。メンバーの中には本物のバリスタもいるし、コーヒーに深いこだわりを見出すものもいるのだ。

カフェの場所は、1日目と2日目の間に選手が仮眠する場所で、この大会のために特別に開放した天神平のロープウェー駅舎(の隣の建物)。

山の中の宿泊としてはこの上ない好条件。お湯も出る。
カフェを出すにはすごくいい環境でした。


里山アドベンチャーは、男女混合で3人一組で競う2日間の山岳レース。
種目は、山岳ラン、MTB、ラフティング、カヌー、キャニオニング、オリエンテーリングなど。





それにしても今年のコースは素敵ですね~

初日、水上~上牧のラフティングを終えた後、MTBで一ノ倉沢出合まで。
そこから国道291号線で清水峠、国境稜線を経て谷川岳を経由して天神平。

なんとも贅沢なルートです。

国道291号線。廃道ファンの間では有名なルート。
群馬県前橋市からみなかみ町、清水峠を経て新潟県柏崎市に至る一般国道です。
現在は、群馬県側は一ノ倉沢出合までしか車では入れません。
国道としては廃道だけど、登山道としては立派なルートです。
(新潟側は人間も入れないくらい険しい?)
沢登り後の下降路として時々使います。

清水峠からは上越国境稜線を南下して谷川岳~天神平というルート。

私、四季を通じて国境稜線をまともに歩いたことがないので。
このルートはちょっとうらやましいぞ。

しかも最高の天気に紅葉がいい時期。






カフェの様子はこんな感じ。
準備中でごたごたしてますが。
たっぷりのスープと、辛口のチャイ、エスプレッソマシンによる本格コーヒーなどを提供。



選手の皆さんにはくつろいでいただけたでしょうか。

1日目は24:00に競技が終了し、25:00くらいには寝静まった。


2日目。

5:00スタート。
競技は、西黒沢キャニオニング、MTBで猿ヶ京へ行き、赤谷湖でカヌーなど。
われわれカフェスタッフは、選手が走っている間温泉浸かって仮眠。

16:40全てのチームがゴールして競技終了。閉会式へと。

選手にとっては長い週末となりました。


2008年10月6日月曜日

白砂川魚ノ沢

9月27~28日。
メンバーは、リーダーM浦さん、S山さん、S津さん、私の4人。
当初の予定は越後水無川北沢。
この沢は越後駒ケ岳に突き上げる沢で、夏はまだ雪渓がかなり残っているため登攀対象としては9月がお勧めだろう。それより時期が遅いと寒い。

でも何でかな~
お盆から毎週末雨。
やはりこの週も雨。


西高東低の冬型かい!
でも台風来てる。
今期一番の冷え込み。


越後駒ケ岳のあたりだけ降っている。

ということで現地で転進を決めます。


転進といっても。
手元には資料が無いわけです。
15年くらい前のトポを開いて天気のよさそうな関東エリアの沢を探す。

で、白砂川魚ノ沢に決定。
みなかみの野反湖のあたりですね。
魚がたくさんいそうな響きです。
まずは沼田の市街地に移動。
書店で地図を購入。地形図など無いだろうから。エアリアマップを購入。
釣具屋で竿を購入。
ラーメン食っていざ出発。

工事用の道路を抜けて、白砂川にかかる橋のあたりに駐車。
そして入渓。

なんか様子が変。
工事の廃棄物があたりに散乱している。

と、目の前には巨大なダムが。。。


20年前の記録には無いダム。
もしやこのまま敗退か。。。

右から巻いていくと工事用道路に出た。
道路をちょっと歩いてヘアピンカーブから下降。

ダムのバックウォーターギリギリのところに降り立つ。
そしてそこは白砂川の支流、魚ノ沢の出合である。

しかも魚ノ沢には白砂川には全く無かった魚影が!

エサの調達と竿を出しながら遡行。

大滝手前の平らな箇所で整地してタープ張る。
焚火してリーダーのM浦さんが釣り上げた2匹の(小ぶりな)岩魚をスープでたいらげる。

ほどよく酔いがまわったあたりで床に付くわけですが。
この日は冬型。北風ピューピュー。寒すぎです。
シュラフカバーだけで寝るのはもう限界の時期に来ているようです。

翌日は大滝を巻き終えると魚ノ沢左俣の出合。
後ほど知ることになるが、実はこの沢、左俣を下降して右俣を遡行するのが現在のルートだそうな。
確かに、でかいダムを巻くなんて沢登りとしては興醒めですからね。
そもそもここは下流から詰めると車のピックアップが面倒。

2日目は大小さまざまな滝が連続して飽きない。






水が枯れてくるとスラブ~藪を抜け、八間山の山頂に抜ける。
ここでコーヒーブレイク。
その間、2人組の沢屋が山頂を通過する。

八間山の山頂~野反湖は快適な登山道。
景色もいい~!



ところで。
野反湖は人造湖なのだけれど地図を見る限り集水域がかなり小さい。
湖の2倍くらいではないだろうか。
よくこんなに水を貯めたものだ。


さて車のピックアップですが。
車道+林道歩きでここから2時間くらいなわけですが。
面倒です。
ヒッチハイクをまじめに考えてみたものの、沢の薄汚れた格好で乗せてくれる寛容な人などいるはずも無く。。。


いや、いました。

先ほど山頂で追い越していった2人組の沢屋の方々。
リーダーのM浦さんと会話しているうちに車まで乗せてくれるということになったようです。
まずはM浦さんを車まで送ってもらい、M浦さんが我々3人を迎えに来てくれるということに。

2人組の沢屋の方々は、以前林道でピックアップしてもらった経験が何度かあったということで、『お互いさまですから。』ということで快く送ってもらいました。
なんとも美しい話。感謝です。



2008年10月1日水曜日

虎毛沢下降~春川本谷ダイレクトクーロワール

9月20日~23日。秋分の日にあわせて月曜日に有給を取得して4連休。
3泊4日で宮城、秋田の県境近くの沢に行ってきました。
メンバーは大先輩のO村さんとM尾さん、そして私の3人。

このエリアに行くのは3月の栗駒山スキー以来。
その間、岩手・宮城内陸地震が起こっている。
調べによると今回の沢では地震の影響は無いらしいが道路のほうはいろいろあるらしい。
オーソドックスなルートとしては、大湯から入り、北側から時計回りに、春川遡行~虎毛山~虎毛沢下降~大湯へと戻るが、大湯までの道がかなり遠回りしないといけないとのこと。

ということで今回のルートは、南側から虎毛山に登り、虎毛沢下降~春川遡行~虎毛山~下山。
春川はダイレクトクーロワールなんて沢らしくない仰々しいネーミングのルートを登る。


東京からは400kmくらいの場所。19日(金)夜は高速のPAで仮眠。


9月20日(土)

林道に車を停めてまずは虎毛山登山。
一人先行させてもらって2時間で登り、O村さんM尾さんが到着するまでの1時間弱は山行小屋で仮眠。
ここは3泊目に泊まる予定なのでそのときの食料とアプローチシューズなど沢に必要の無い装備はデポ。


山頂からは虎毛沢下降になるわけですが。下降路はどこか?
いずれにせよ藪なので適当に突っ込む。
標高差400mの藪下降でガレ沢に出る。

その後は延々と川原歩き。
途中の滝はクライムダウンしたり、巻いたり、懸垂下降したり。


岩魚がいっぱい。
デカイし動きが鈍い。
こんなノロマな岩魚は初めてみた。
1mくらいに近寄っても逃げないし。



でも先を急ぐのでここでは竿を出さない。


延々と川原歩き。
延々と。。。

すごい平らな川。
だいぶ歩いたなと思って高度計を見ると2mしか下降していない。
なんだコリャ。

日が暮れる。
釣りをあきらめられないO村さんは竿を出しながら下降。
1匹釣り上げる。

目的地は赤湯又沢出合。
赤湯又沢では川に温泉が沸いているということだが。。。
温泉に浸かることを夢見て歩き続ける。

真っ暗闇の中、ヘッデンで懸垂下降・へつり・巻きを経て、赤湯又沢の出合に到着したのが夜の8時半。
遅くなったけど、それでもしぶとく焚火をして1匹の岩魚を焼いて3人で食ったのだった。


9月21日(日)

予報では雨は降らないはずだったが。
夜中~朝方は雨。

単調な川原歩きで虎毛沢を下降し、春川の出合から春川を遡行する。
春川も単調な川原歩きが続く。
虎毛沢ほどではないが魚影は濃い。

13:50、三滝。
三滝は三方からの滝が出合う場所。
いちど右の滝を半分くらい登って真ん中の滝にトラバース。

14:45。幕場には最高のロケーションを見つけたので本日の行動終わり。


本当に最高の幕場。
下が砂地なので丁寧に整地。テントとタープで完璧!
これまでで最高の幕場ではないだろうか。



O村流飯盒炊飯も完璧!

唯一残念なのは岩魚が一匹もいない~
三滝が魚止めになっていたということか。
下流で十分に釣ってからここにこないとダメなんですね。
時間があっただけに心残り。


9月22日(月)

この日が核心のダイレクトクーロアール。
幕場を出発すると滝がどんどん出てくる。
釜をもったツルツルの滑滝。
泳ぎあり。
バイル投げ縄飛び道具も登場。


O村さんのスラブ登り。


ちょっと悪いへつり。
落ちてもドボンで済みますが。

ダイレクトクーロアールはちょっと拍子抜けのスラブ。
いちおうロープは出します。



そして、、、
我々にとっての核心はここからだった。。。

ルートミスにより悪いほう悪いほうへと導かれていった。
泥壁のトラバース中にとうとう日が堕ちた。
と、同時に雨。
雨足が強くなる。

絶望。。。

不幸中の幸いは雨が止んだこと。
ビバークも考えましたがO村さんの執念に引っ張られる。
ヘッデンで急斜面藪漕ぎを腕力でこなす。
ついには自己確保もままならない急斜面の藪で立ち往生。
O村さん、腕力が尽きて落ちる。
幸いM尾さんとロープを結んでいたので途中で止まる。
もしロープが無かったら。。。

暗くて下が見えないからわからないけど。
明るかったら恐くて動けなくなるのかな。

ここで選手交代。
腕力がまだ無事な私がロープを引いてリード。
トラバースして直上。
するとほんの少し平坦な尾根に上がる。
あぁ、何とか抜けることが出来た。
ここから先の藪はこれまでほどに傾斜は無いからおそらく抜けられるだろう。
気づいたら空は満天の星空。
天の川が見える。

セカンドをビレーするPIUはどこかの藪で落としたか?
半マストでビレー。

あとはひたすら藪漕ぎ。

山頂の草原。木道。
そして小屋に。
到着は22:45。

デポしていた食料、酒をたいらげる。
O村さんがデポしていたストックが1本行方不明。


9月23日(火)

ゆっくり休んで朝食食べて、9時前に小屋を出る。
2時間弱で下山。

波乱万丈。



あぁ忙しい~
火曜日まで山に行って水曜日はT-Wall。
木曜日は山岳会の集会。
金曜日は山に出発、、、って。
休む暇がない~
後片付けも準備もままならない。
ブログの更新も滞るのは仕方が無いでしょう?
9月27・28日の記録はいつになることやら。。。