2008年11月29日土曜日

唐松岳ピストン

先週に引き続き山スキー。八方尾根スキー場から唐松岳ピストンです。M浦夫妻に連れて行ってもらいました。

久々の白馬。実は先シーズン白馬で山スキーやっていないのです。白馬に行かず、いったいどこで滑っていたのか自分でも不思議。それにしても今シーズンは11月にして北アルプスのピーク一つ目。出だしは順調か。


今回は土曜1日だけの日帰り山スキー。
金曜夜都内発。途中のSAで泊まり。八方尾根のゴンドラに乗ったのは9時前。歩き出しが9時40分というちょと遅めのスタート。途中で板をデポしてアイゼン・ピッケルでピークハント。唐松岳山頂到着が13:30。ゲレンデに戻って15:00。午後から天気が崩れるということだったので、山頂アタックは無理かと思ったけど。なんとか晴天のうちにこなすことができた。

それにしてもピークハントってのはなかなか充実感があるねぇ。滑りで満足できなくてもピークに立ったことで満足できてしまったりする。




案外下界は雲の下なのかもしれない。


さぁ登るのだ!


不帰Ⅱ峰・Ⅲ峰。迫力があります。滑りたい。
雪崩の破断面がきれいに出ていました。


山頂最後の登り。


相変わらず滑りの写真がないな。


八方尾根、ゲレンデちょっと滑りましたが。
ディアミール、ゲレンデでは扱い難しい。
慣れるのに時間がかかりそう。



2008年11月26日水曜日

立山

11月22日~24日 山スキー@立山

持ち込む板は、ディアミールフリーライドプラスに打ち変えたばかりのVector Glide SHIFT。


メンバーは、M浦さん、M野さん、I井さん、N村さん、N島さん、N口さん、F神さん、私。8人でテント泊。テントは2張り。なんとF神さんはキスリングいっぱいに荷物を詰め込んできた。キスリングを実際に使っているのは初めて見た。N口さんは一体どれだけの酒を担いできたのかな。そういえば聞くの忘れた。

立山入りする数日前から吹雪で積雪量は十分。ただし急に降り積もった雪に雪崩注意。期間中の予報は直前でようやく初日のみ晴れるとのこと。

金曜夜の前泊は同じ期間に立山入りするということで同行していたO部さん御用達の別荘に泊まらせてもらうことに。
なんとも素敵なシチュエーション。感激です。


22日(土)晴れ 扇沢~室堂~周辺スキー

扇沢はすでに大渋滞。身支度をしてチケット売り場に移動する。やはりみんなこの時期は立山なんだ。いろんな友人と出会う。なんとJINさん、ビール1ケース=24本担いでる。うまくザックに括りつけて。この括りつけ方からすると相当な手練れのようです。



黒部ダムを渡り、


国境の長いトンネルを抜けると


雪の立山。


すごくいい天気。滑降に必要のない荷物は室堂ターミナルにデポ。はやる気持ちを抑えてピットチェックを行う。一ノ越に向かう途中で滑降開始。正真正銘今シーズン初滑り。


23日(日)雪 停滞~ビーコン練習

朝から雪。視界もない。まずはテントの中でゆっくりする。
山荘泊で立山入りしていた、S見さん、M尾さん、M崎さんは朝立ち寄ってくれた。これから滑るとのこと。
それで午前中で切り上げて下山して連休最終日は白馬のゲレンデで滑るらしい。予報は翌日も雪だから立山に残っていても仕方がないとの判断。聞けばこの日に下山する人はほかにもたくさんいるようだ。

快適には滑れそうもないので、ここはビーコン練習。複数(2個)埋没の捜索もやってみる。
ひととおりビーコン練習を終えて今日明日の予定について相談する。
相談した結果、2組に分かれることになった。

M浦さん、N島さん、N口さん、F神さんは下山して翌日はゲレンデ滑降。
M野さん、I井さん、N村さん、私は立山に残って晴天を祈る。

居残り組のうちM野さん、N村さん、私の3人でテン場~雷鳥荘間を何回か滑る。
最後の夜なので食糧・酒をたいらげる。M野さんのケーナの音色が響く。
(※近隣のテントの皆様ご迷惑をおかけしました。)

外は満天の星空。予報では雷を伴った雪だそうな。遅い時間ほど天気が悪くなるらしい。


24日(月)晴れ 雷鳥沢~雷鳥沢近隣滑降

なんと晴天。我々は雲の上だ。ただし天気が持つのは午前中がいいところ。超美味のマルタイ棒ラーメンを腹にかき込み、ティータイムもそこそこにテントを飛び出す。雷鳥沢に登っているのはまだ10人もいない。他には大日岳方面に登っているパーティーがいる。


人が少ない。テントも少ない。やはり下山した人がかなり多いようだ。しぶとく残った者だけが本日のパウダーにありつける。

先行している人たちの何人かは雷鳥沢途中で滑り降りていく。深くはないが十分パウダーが楽しめそうだ。剣御前の小屋に到着したのは4番手くらい。

まずは剣岳を眺める。


雷鳥沢上部にはまだまだノートラックが残っている。4人全員揃ったところで一気に雷鳥沢を滑り降りる。しっかり浮力を感じられるいいパウダーだ。ゲレンデ用ビンディングに比較して滑走性が劣ると言われるディアミールフリーライドプラスもパウダーでは全く問題なし。

雷鳥沢を滑り終えて9時半。まだいけそう。近場を1時間ほど登り返して2本目を滑る。
テントを撤収して室堂ターミナルに向かう。雪が降り出して風も徐々に強くなってくる。絶妙のタイミングで切り上げたようだ。

室堂ターミナルではトレラン界でも有名なともぞうさんに会った。1週間の滞在中ほとんど吹雪だったそうだ。ともぞうさんには以前、谷川岳バックカントリーに連れていってもらったこともある。覚えていてもらったのは嬉しい限りです。




2008年11月11日火曜日

靴を新調

新調したのはクライミングシューズです。
いままで履いていた=初めてのMy クライミングシューズはFIVETENのSPIRE。
今ではすっかり足に馴染みました。
この前の幽ノ沢中央壁正面フェースなんて、取り付きから終了点までの10時間ずっと履きっぱなしでも問題ナシです。(※なんでそんなに時間がかかったのかという指摘は真摯に受け止めます)

このシューズでは笹薮の中でも泥の水溜りの中でも果敢に突入することが出来ました。
今後もアルパイン用として活躍してくれることでしょう。


そして今回新調したのはモカシムオンサイト。

冬期間は外岩行かないので、インドア用として買ってみました。
サイズはきつめ。

いや~
サイズ、きつすぎたかな。

今日T-wall行って履いてみたけど、リード一本で足が限界でした。
ネットでモカシムオンサイトの評価見たら、すぐ伸びるって書いてあったから。
まぁ、伸びるのを待つか。
しばらくは2足とも持ち出しでしょう。

残念なのはシューズを代えたからといって上手くなっていないこと。
もともと道具で差が付くほどの技術レベルでは無いということだね。

今日のT-wall成果なし。
伸び悩んでます。

2008年11月6日木曜日

三連休に岩三本

内容の濃い3日間。
登攀力、ルート判断など未熟さが露呈した部分もあり。
それでもなんとかして突破したという経験は自信になった。
そういえば3日間連続の岩の経験はこれまでにない。
体力的にもちょっと自信がついた。

メンバーはリーダーN島さん、O村さん、I藤さん、私の4名。
3連休で谷川岳の岩場3本という計画を掲げる。
雨の転進などもあり実際は、
  • 1日目:榛名黒岩でフリークライミング
  • 2日目:幽ノ沢中央壁左フェース敗退
  • 3日目:幽ノ沢中央壁正面フェースヘッデン下山(一部ヘッデン登攀)
という具合。


事前の情報では谷川岳はすでに雪を頂いたという。
予報では、土曜の午前中の弱い雨のほか天気が崩れる心配はなさそう。

満天の星空の下、意気揚々と金曜夜に一ノ倉沢出合に入ってテント泊。




11月1日(土)

あけて土曜朝。

土砂降り。。。

一瞬、強風がテントを襲う。
フライがめくりあがりテントの中に雨がしみこむ。
テント内プール状態はもう慣れっこですが。。。
とりあえず雨のあたらないところに避難して朝食。

日本海側は天気が悪いらしい。
関東で天気が悪いのはここだけか?
谷川岳周辺の沢を予定していたS山パーティーと合流して榛名黒岩のフリークライミングに転進。
ちなみにフリークライミングのゲレンデでまともに登るのはこれで四度目。
谷川岳の岩場に来た回数より少ない。

しかしここは人が少ない。
首都圏からそんなに遠くないんだけど。



5.9とグレーディングされているがどうみても5.7のスラブは初めてのリード練習とかにちょうどいいかもしれない。

一ノ倉沢出合まで戻ってテント泊。



11月2日(日)
幽ノ沢中央壁左フェース
(敗退)

5時起き。すごく天気がいい。
谷川岳をフレームにおさめようとする写真家がたくさん。
駐車場はすでに満杯。


雪を頂いた谷川岳は山頂だけが白く、ふもとは紅葉で鮮やか。




この日のルートは幽ノ沢中央壁左フェース。


ここは近年ルートが崩壊して登れなくなったと聞く。

登れるところまで登る。
途中からの転進や、場合によっては敗退も覚悟で臨んだ。



これが幽ノ沢中央壁。

雨、雪解け水で岩場は濡れている。
T1と呼ばれるテラスまではアプローチとされているが。
そこへ行くのにも一苦労。
ロープを結んで2ピッチでようやくT1に至る。

幽ノ沢は、有名な一ノ倉沢が隣に位置するがために、これだけの規模の岩場を持っているにもかかわらず人影は薄い。
この日は我々4人で幽ノ沢を独占。

人が入らないということはルートが整備されていないということ。
正しいルートをたどってもまともな支点は少ない。
ましてルートをはずすと、10mくらいのランナウトはザラにある。



崩壊したというのはルートの核心でもあるZピッチの箇所のようだ。
Zピッチはハング下を右にトラバースしてからハング上に抜けるルート。
いまやハングは崩壊して半分くらい欠け落ちている様子。
とてもトラバースできる状態ではない。

トラバースではなく、直上するルートもある模様。
しかし、ビレー点には壊れたペツルと錆びたリングボルトがあるのみ。
何より濡れた岩が前進を困難にしている。

ひとまず壊れたペツルの5m下までクライムダウン。
ハーケンを2枚打ってビレー点をつくる。

N島さん、壊れたペツルの隣にリングボルトを打ち込む。
まずはビレー点を上に上げる。

しかし濡れた岩ではここまでが限界。
前進するためにはもうひとつリングボルトを打ち込む必要があった。

敗退を決める。
新しく打ち込んだリングボルトは懸垂下降の荷重に耐えるのには充分だった。


11月3日(月)
幽ノ沢中央壁正面フェース

前日に次いでこの日も幽ノ沢。
アプローチは前日とはルートを変える。
展望台と呼ばれる尾根にあがり、懸垂下降で沢床に降りる。
その後は沢通しで。
豆腐岩の右から登攀開始となるのだが、やはり濡れているので早めにロープを結ぶ。




このルートはハングの切れ目を乗り越える箇所が核心。
ここでルートファインディングの未熟さが露呈した。

先行のN-Iパーティーは右にルートを取った。
左に見えるルートにハーケンが連打されているのを下から確認した私は、左にルートを取った。
しかし、傾斜がきついのと濡れているのとで全く登れない。
スリングをアブミ代わりにして3手ほど進むが、あと一手というところで支点がなく、ついにはカラビナを残置して下降する。

結局N-Iパーティーと同じく右を登ることになった。
途中でピッチをきった事情もあり、1時間ほどの遅れをまねく。




ここからは3級程度のスラブで簡単に登りきれるはずだった。



簡単にいかなかったのは濡れていたことが最大の原因だろう。
しかも少しでもルートをはずすと支点が全くない状態。
笹藪を束ねて支点をつくり、ビレー点とする。
とてもハンギングビレーをする勇気はない。

とうとう岩場を抜けて笹薮に突入したタイミングで日が暮れる。
ヘッデン着用となる。
笹薮といえど、ロープははずせない傾斜。
まぁ、岩場を抜けていた分だけラッキーだったといえるか。

途中雨に降られたときには絶望したが。
幸い雨はすぐに止んだ。

霧が出て視界が狭まる。
暗闇の霧は距離感を狂わすようだ。
先に稜線に上がったN-Iパーティーのヘッデンの明かりがすごく遠くに感じた。
まだまだ遠いという印象が疲れた体にこたえる。
実際は50mロープで届く距離なのに。


中芝新道までのルートは真っ暗な中、踏み跡を見失わないようにたどる。
この日16時間を越える行動時間。