2010年2月19日金曜日

唐松沢

たよりない高気圧がやってくる。天気はどうか?こういう日はたいがい風がつよい。これまでの降雨と高温がどう雪に影響しているか。




■2月14日(日)晴れ、強風
■メンバー:M浦さん、私
■タイム:7:30八方尾根スキー場ゴンドラ乗車~8:20八方池山荘~12:20唐松山荘~13:20唐松沢ドロップ~15:30二股


五竜の仮眠室で一夜をすごし、八方尾根スキー場へ移動。ゴンドラは7:30営業開始の模様。リフトを乗り継いで一番上のグラートクワッドは20分くらい待って乗車。先行はグラートクワッドの営業を待たずに登り始めた登山者が1名。

八方池山荘からはクトーを装着して登り始める。ラッセルは殆どない。ところどころ固い。時々吹きよせる風は強く立つのもやっと。



スキーは機動力が高いが、担ぎの状況下では非常に風に弱い。これがスキーの最大の弱点ではないだろうか。スノーシューのバックカントリースキー・スノーボードのパーティーもほぼ同時に登り始めたが、強風と担ぎのハンデでみるみる差が開いていった。ということで少しでも担がずに登れる距離を伸ばすためにもクトーは必須だ。現に、今回はほんの10mくらいではあるが、ガリガリに固い箇所がいくつか出てきてクトー無しでは相当シール登行に長けていない限り通過は不可能。いちいちアイゼンに履き替えていたのでは時間がかかりすぎる。



それでも唐松岳までシールで登ることは不可能で、今回はだいぶ手前の2150m付近で担ぎはじめた。

2361mのピークを巻いて、不帰の偵察。

不帰Ⅲ峰。

不帰Ⅱ峰。フェースには破断面(写真ではわからないみたい)。

不帰Ⅱ峰フェース下部。

沢に目をやると、不帰沢からの大量のデブリが見える。

強い風に一時停滞。つぼ足の登山者2名に抜かれる。やはり板を背負っているハンデは大きい。敗退も濃厚になっていたところだったが、ふと風が弱くなる。その間に前進。唐松山荘を下ったところのコル。唐松岳手前で本日の登りは終了とする。不帰まではたどり着かず。

氷板や木の枝につく雨氷の状態から判断するに、この北アルプスの2500m級の稜線でも雨が降ったらしい。

テラスを作ってピッケルでセルフをとってボディービレー。M浦さんがエントリーポイントから下降してピットチェック。氷板とその上に風で積もった雪は以外にもしっかり接合している。雪庇は踏むと大きく亀裂が入った。これが落ちたら大変。雪庇が形成されていない場所から、雪庇に刺激を与えないようにエントリー。

ウィンドローディングされた雪は快適とは言いがたい固めのパックパウダー。氷板への底付きは(ほとんど)ない。
Dルンゼと合流するとデブリがすごい。不帰全体から雪崩れたようだ。あらゆる斜面から雪崩があったのがわかる。

デブリの隙間のちょっとしたオープンバーンをほんのすこしだけ堪能。


不帰沢と合流するとデブリ地獄。
デブリクライミングが始まる。


大滝の巻き上がりではカラースポーツ御一行様と出会う。
大滝はなんと大量のデブリで埋まっていた。M浦さんでさえ大滝が埋まったのを過去に知らないという。それほどの雪崩が今年は発生している。

前週末のドカ雪と、週半ばの暖気と降雨。これは山の風景を過去に無いものに変えてしまったようだ。

二俣まで滑降。二俣は大混雑。人気のエリアなんだ。
タクシーで八方尾根ゴンドラの駐車場に戻る。1780円也。


2010年2月9日火曜日

十石山

1月4日に悪天候で敗退した十石山のリベンジ。
前回もラッセルだったが、今回もラッセル。

■2月7日(日)雪のち晴れ
■メンバー:M浦さん、私
■タイム:5:20平湯出発~8:30尾根取り付き~13:10十石山ピーク~13:50滑降開始~15:30平湯下山

まだ暗いうちに支度を始める。外は前日からの降雪だけで30cmほど積もっている。ヘッデンを付けて平湯の温泉街をスキーを履いて出発。安房峠へと向う道は温泉街を抜けるとゲートがあって冬季通行止めになる。そこからラッセルが始まる。脛~膝の深さ。軽くてサラサラなのがせめてもの救い。

長い林道歩きではあるが、前回来たときと違うのは風と地形が織り成す雪の地形が変化に富んでいることで飽きさせないこと。風でたたかれたり飛ばされた箇所はラッセルなしで歩ける。吹き溜まりを乗り越えるのもいちいち苦労するが、 そこは単調なラッセル歩きに加えたスパイスのようなもの。


なかのひと?


3時間少々の歩きでようやく尾根に取り付く。ここまでは前回と同じペース。ラッセルもだいぶあってM浦さんのメガワットでさえ膝まで沈む。つぼ足なら腰~胸の深さ。


晴れる予報ではある。ガスが晴れた一瞬、大崩山が姿を見せる。


ひとしきりシャッターを切った後は、また黙々と登り続ける。


ピーク目前の急斜面からは板を担ぐ。しかし風が強くて、とくにFatな板ではあおられて歩行困難。ピークからのエントリーは断念して空身で頂上アタック。


歩き始めてから7時間と50分。ようやくピークにたどり着く。風が強すぎるのですかさず撤退。

時間をとって休憩して滑降準備。
いざ滑降へ。


パウダーもさることながら、このロケーションがすごい。とても日本とは思えない岩と斜面。


二人のシュプールだけが残る。

8時間のラッセルに比べて滑り降りるのはあっという間だ。