2010年7月15日木曜日

飯豊胎内川楢ノ木沢鴨沢

夏合宿のメンバーであるS田さんと一緒に訓練山行。
それにしても梅雨が開ける前の微妙な時期。しかも今年の残雪は多い。 車をもたない2人にとってはエリア選択が悩ましい。そんなところにハニワくんという力強い助っ人参上。彼のキャラバンなら車中泊が余裕だ。

場所はいろいろ悩んだあげく飯豊胎内川の支流を選択。各地の豪雨のニュースが飛び交う中このエリア、ここ数日間雨が降っていないというのが決め手。

それほど早くない時間に都内発。長い高速道移動を終え、コンビニ近くで車中泊。こちらは夜のうちにいくぶん雨が降ったようだ。

■メンバー
ハニワくん、S田さん、私。

■7月10日 くもり時々雨
8:40奥胎内ヒュッテ→9:15アゲマイノカツチ→10:00楢ノ木沢入渓→12:20二俣→17:00沢中泊

奥胎内ヒュッテに駐車。駐車場前の広場から石段を河原に降りて、まずは渡渉点をさぐる。胎内第一ダムのバックウォータのあたり。前夜の雨で水は濁っていて水深がわからない。一通りみても、どこから渡るかよくわからない。とりあえず車にもどって準備開始。

再び河原に降り立つ。水深はわからないが流れは弱いので対岸の取付きの尾根の最短距離で渡渉開始。腰から胸の深さ。思ったほど深くはないが、渡り切る5m手前で急に深くなり足が取られる。ここは流され泳ぎながら渡る。黒石沢を分ける尾根から取り付くと、明瞭な踏み跡がある。アゲマイノカツチで一休み。いざ下降へ。急に踏み跡がわからなくなり、はじめ尾根を下っていたが最終的には歩きやすい沢に入り楢ノ木沢入渓。

すぐにでかい雪渓。
(S田さん撮影)

右から雪渓に乗りあげて上を歩く。
ゴルジュと雪渓の繰り返し。ずいぶんと雪渓が残っている。


(S田さん撮影)

魚影は濃い。めぼしい釜で竿を振りながら難しい滝もそれほど無く、堂沢との二股。右の鴨沢へ。

鴨沢に入ってもゴルジュは続く。ハニワくん、尺オーバーの岩魚GET!
釣りのセンスは全く無い私だが、小ぶりなのと1匹GET!

広い河原を過ぎるとまたゴルジュ。

そしてハニワくん、テンカラで1分以上の格闘のすえ、43cmの大物を釣り上げる。お見事!

そろそろ幕場をと。しかしここはゴルジュ帯。抜けねばならぬ。
またまたでてきた大雪渓。
(S田さん撮影)

この滝はショルダーで越える。
(S田さん撮影)

これを抜ければよい幕場があるはずと登りつづけ、ゴルジュを抜け、17時前にようやく幕場発見。釣りに時間を費やしすぎか。釣果は上々5匹。
宴会は11時まで続いた。



■7月11日 くもり時々雨
6:30出発→9:35水源→10:00稜線→黒石山→ナリバ峰→14:30胎内第一ダム

天気はこのあと崩れる予報だ。5時起き6時半発。最初の二股を左に。標高800mの二股には雪渓がぎっしり。右俣へ進むとすぐに13mの滝。

(S田さん撮影)

右から巻く。草付きはロープを出してハニワくんがリード。そこから懸垂15mで沢に戻る。今回の山行でロープの登場はここだけ。

あとは小滝を詰めながらぐんぐん標高を上げる。

10時前、稜線手前にぽっかり空いた広場。雪が残る。

(S田さん撮影)

あとは30mの藪漕ぎで稜線だ!登山道だ!
、、、のはずだったんだけど。藪をかき分けながら稜線。
超えて向こう側に降りても登山道がない。
おかしい。戻ってみても登山道がない??

呆然と見渡すと、ほんのちょっと藪が低くなっている。
それが登山道だ。。。
藪で覆われている。

もしや今シーズン誰も入っていないのでは?

二王子岳をピストンしようと意気揚々だったのに、この登山道の有様をみて萎えた。

延々と藪をこぎながら登山道を見失わないように降りる。
要所要所にはロープが出てくるので、かつて登山道であったことには間違いない。

いつの間にか沢状になっている。
あれ?下降すべき稜線は左にあるではないか。。。
痛恨のルートミス。150mの登り返し。

標高差1000mの下山に4時間半をかけようやく胎内第一ダムにおりたつ。消耗した。沢を詰めあげたときには、どこのうまい飯屋に入ろうか考えていたのに。そんな時間はもはや無い。奥胎内ヒュッテの大浴場(600円)で2日分の汚れを落として帰路につく。

2010年7月5日月曜日

湯ノ小屋沢川木ノ根沢大沢

雪渓が残り、水も冷たく、雨というコンディションでしたが、予定通り行動できました。ゴルジュ帯は全体的に岩を含んだ泥壁で、岩がボロっと外れる所もあるので要注意。下山は、車のピックアップを考えて、手小屋沢下降→林道を降りましたが、この林道はもはや廃道で、道なき林道でした。ルートファインディングの力が試されます。ぜひトライしてください。

■メンバー
S藤Iさん、N中さん、私

■6月26日 くもりのち雨 7:45 木の根橋発~8:15 林道二俣入渓~9:50-10:20 15m大滝下~10:20-12:15 高巻き~13:15 1470m幕場着

道の駅で前泊、コンビニで朝食をとって出発。湯ノ小屋を過ぎ、湯けむり街道を進み、木の根橋手前の駐車スペースに停車。25分の林道歩きで、竹ヶ沢林道分岐付近から入渓。すぐにゴルジュ帯へ。

地形図には、ゴルジュ入口近くに滝マークがあるが、それに相当する滝がない。
胸まで浸かってのへつり、シャワークライム、雪渓くぐりなどを交える。

(M中さん撮影)


12m滝はとても直登できそうにない。巻きあがりも悪そう。左岸からあがることにする。

(M中さん撮影)

悪い泥壁を私が空身でリード。勇さんが2番手で私の荷物も背負って登る。地図を見る限りではそのまま林道に出るかと思ったが林道は無く、残りのゴルジュ帯をほとんど高巻く。約2時間の高巻きの後、懸垂下降で沢に下りる。釜と滝を越えてゴルジュ帯終了。

(M中さん撮影)

セビオス沢出合いを少し登ったところでタープを張る。S藤さんが岩魚1匹ゲット。雨足が強くなって、焚き火ができるか懸念したが、苦闘の末、豪快に燃え上がった。



■6月27日 くもりのち雨
7:30 幕場発~10:40 武尊山-中ノ岳鞍部登山道~11:15-11:30 武尊山~12:15-12:35 手小屋沢避難小屋~15:50 手小屋沢橋

赤いナメ、小滝など適度に超えると、雪渓が出てくる。慎重に雪渓上を通過。
(M中さん撮影)

30m3段滝は村中さんがリード。最初の1段が逆層でぬめっていていやらしい。カムを要所で使ってクリア。

(M中さん撮影)

長くて急な雪渓を越え、1時間弱の藪こぎで稜線に到達。武尊山の頂上付近では何人かの登山者とすれ違う。雨天でも人が多いのは、この日が山開きの日だからだそうだ。

途中すれ違った地元の方に、手小屋沢の林道下山について聞くと、簡単に降りられそうだ。下山ルートは予定通り手小屋沢の林道を使うことにする。

手小屋沢避難小屋から手小屋沢に入渓して下降。標高150mくらい降りると右岸に林道があるはず。しかしなかなか見つからない。ここぞというところで右岸を20mくらい登ると、なにやら広めの踏み跡らしき筋。廃道の林道である。藪や木が生い茂り、踏み跡は人間のものか獣のものかも判別がつかない。ときおり笹薮にまかれて道を見失う。
一筋縄ではいかない下降路。林道の3分の2くらい進んで、ようやく人間臭さが出てきた。

私が先に道路まで下山し、2km上流に駐車した車を回収。


2010年7月2日金曜日

泙川三重泉沢

シーズン初の泊まりの沢。

『泙川』は『たにかわ』と発音するらしい。
メンバー募集したら9人という大所帯に。
行動を2パーティーに分ける。

■メンバー
A:M野さん、S津さん、H光くん、A井くん、私
B:M中さん、T中さん、S見さん、I嵐さん

■6月12日晴れ
8:20林道ゲート~9:30三重泉橋~17:00滝の沢出合(泊)

車3台で金曜夜に都内を出発。途中、道の駅で前泊し、コンビニで朝食をとって出発。
奈良を越えて林道に入りしばらく車で進むとゲートがある。ゲートは開いている。いつ閉まるともわからないゲートに、さすがに突入はできないということで、ちょっとしたスペースに車を停める。準備が早くおわったBパーティーが先に歩き出す。

入渓点の三重泉橋までは歩いて1時間程度。途中マムシに遭遇。

堰堤を越えて入渓。平凡な河原を歩いてゴルジュ帯に入る。
2段4mの滝。

(S津さん撮影)

1段目。釜から這い上がるのが、岩がツルツルで難しい。

(H光さん撮影)

2段目は登れず、左から巻く。ガレガレで慎重にいかないとあぶない。
沢に戻ると左岸からパラパラと落石が。Bパーティーが高巻いて、ちょうどおりてくるところだった。

結局ここからは2パーティー一緒に行動。

(M中さん撮影)

なかなか快適に登れる滝はない。水量も多いのだろう。ここは左岸から巻く。ボロボロの斜面で悪い。高く巻き上がり、2本のロープで懸垂下降で降りる。1パーティーでロープ1本だったらここでの懸垂下降は無理だった。右岸を巻くという選択肢もあったが。

さて、懸垂下降で降りたのは良いが、また登れない滝。
右岸のチムニーを登る私。

(H光さん撮影)

なかなか悪く、T中さんのショルダーを借りてなんとか登り切る。
しかしその間、M野さんは別のルートからさっさか登り切っていた。

またしても登れない滝は、左岸を小さく巻いて懸垂下降。

大変だったのはその次の滝。T中さんがカムを駆使してショルダーでなんとか登る。胸まで水に浸かってる状態から、カムとスリングのアブミで乗り越す。
鋭角に張り出した岩に屈曲したロープはアッセンダーが通過しない。水に浸かりながら作業をしていた私はほとんど低体温状態。
いろいろ工夫して登ろうとしたものの、結局、S見さんのごぼう方式が一番だった。
最後のスリングアブミ回収はちょっと大変だったが。

変なトラバースを越えて滝を巻き、流れのある釜をA井がリードして超える。

快適に登れる滝がひとつもないままに時間切れで、滝の沢出合の付近でビバーク。

M野さん、T中さんが岩魚を釣り上げる。
焚き火を囲んでの宴会。


■6月13日晴れ
7:45滝の沢出合~8:30広河原~9:30ニグラ尾根コル~11:00林道~13:00林道ゲート

広河原までは、平凡な河原といくつかの小さな滝を越えて1時間足らずで到着。9人という大所帯ではさすがにスピードはだせず、遡行はここまでとする。

ニグラ尾根越えルートは、最初はしっかりした踏み跡があったが、すぐに分からなくなる。ガレ場のトラバースは至る所にトラバース跡が残っている。

コルからの下降も踏み跡がしっかりしているのかと思いきや、ほとんどわからず、結局沢を下降することにした。沢は悪い箇所はなく、すんなりと林道まで戻る。