2011年5月24日火曜日

震災ボランティア

■ボランティア内容
【21日(土)】
 午前:雨天中止
 午後:民家の泥だし、納屋の整理

【22日(日)】
 午前:民家の泥だし のち 側溝清掃
 午後:側溝清掃



震災以降「ボランティアに行かなければ」という漠然とした使命感をもちつつも具体的な行動は起こしてなかったし、かといって精力的に山に行っていたわけでもなく。なんとなく日常を過ごしていた。そんなときに会のA久さんから募集がかかり、手を上げた。会からは11人が集い、2台の車で東松島市にボランティアに行くことになった。


気のしれたメンバーでの作業、しかもメンバーのほとんどは活動的な沢屋なので濡れや汚れを厭わない。1日作業と見積もられていた仕事も1時間少々で終えて次の作業に移る。限られた時間ではあったが効率よい仕事ができたと思う。


期間中、野次馬の例に漏れず海岸付近を見てきた。2ヶ月間報道され続けてきた状況そのものだ。百キロにおよぶ東日本の太平洋沿岸数がすべてこの光景だと想像すると復興の道のりは果てしないことのように思える。今回のボランティア作業はこの果てしない復興の道のりからすれば微々たる作業にすぎない。


微々たる部分にすぎない作業ではあったけど着実なものであることは確かだ。依頼主の方は我々の作業をみて「元気をもらった」とまで言ってくれた。そして最後は笑顔で送り出してくれた。
車で買出しに出かけた先のスーパーでは買い物を終えた主婦が我々がボランティアに来ていることを知って今しがた買ったばかりの惣菜をプレゼントしてくれた。
道行く人々が「お疲れ様です」とねぎらってくれた。


地域の人は見ているし期待しているし感謝している。


まだまだボランティアのすべき仕事はたくさんある。泥だしはむしろ、泥が乾燥しつつあるこの時期のほうが処理しやすい。


継続して活動していこうとおもう。

2011年2月6日日曜日

柄沢山~荒沢山~足拍子岳

■メンバー
私(リーダー)、S田さん
■タイム
2/5(晴れ)9:00スキー場出発~10:00スキー場トップ~12:00柄沢山~14:30 1148ピーク下(泊)
2/6(晴れ)6:50出発~8:40荒沢山~10:50足拍子岳~13:00土樽駅

土曜朝に自宅を出発。新幹線を利用して越後中里駅には8:30前に到着。スキー場のリフト利用を目論んでいた我々は出鼻をくじかれる。登山者は乗せてくれないようだ。結局ゲレンデ内を歩き、スキー場トップを出たのは予定より1時間遅れとなった。このゲレンデでは登山者の存在は珍しいのだろう。しきりにパトロールの方が声をかけてきた。

いざスキー場を出ると、トレースはなくワカンでスネ~膝のラッセル。2時間で柄沢山のピーク。晴れて気温が高く暑い。大規模な雪崩跡も無く雪のつき方も素直なようだ。

そのまま主稜線を南下する。東に曲がるところで稜線が細くなり、その手前でアイゼンに履き替える。ほそい稜線の急な斜面では安全を期してロープを出して私がリード。そのまま少し歩くと1148mのピークに出る。目の前には荒沢山がそびえる。コルまで降りることを考えたが、見る限り稜線はどこも狭く、テン場によさそうな場所は見当たらなかった。結局1148mピーク直下、雪庇が切れているところから降りて、斜面を半雪洞状態にくりぬきテントを張る。整地作業に費やした時間は1時間。スコップ1本にしては上出来といえよう。スノーソーが絶大な効果を発揮した。

翌朝は天気良好。コルに降りてからの登り始めすぐの小ピークの乗越に苦労。稜線を忠実に進めば膝程度のラッセルだが直上できずに巻くと藪の上のスカスカな雪の急斜面胸ラッセル。荒沢岳ピークまで2時間を要した。
荒沢岳ピークに到着して唖然。なんとトレースがある。カドナミ尾根から登ったパーティーの後だった。すぐ近くにビバーク跡があり、2~3時間のビハインドとみえる。結局このパーティーは姿を捉えるも、追いつくことはなかった。

荒沢岳の下りに入ると、いよいよ雪稜の様相を呈する。急な下降では、トレースができていることを良いことに上で私がビレーをしながら先にS田さんに途中まで下りてもらう。続いて私がS田さんのビレーでクライムダウン。そして立木から懸垂下降。そのあとはトレースを追うだけで特に厳しい個所はない。雪のつきかたがかなり素直だったことと、やはり先行のトレースの存在が大きい。

2時間で足拍子岳。ピークからは巻機の稜線や谷川岳、大源太山が一望。帰りの電車の時間が中途半端なので、それほど急がずに下山。古いトレースだが、スキーの跡もあった。

2010年9月13日月曜日

米子沢~下ゴトウジ沢(下降)~ブサノ裏沢

■メンバー:S見さん(リーダー)、私
■タイム
9/4(土)晴れときどき霧
 7:00巻機山登山口~11:00米子沢1700m地点~11:40稜線~14:00米子頭~16:00左股出合~17:00谷本沢出合(泊)
9/5(日)晴れ
 5:30出発~7:00上ゴトウジ沢出合~11:50稜線~12:10牛ヶ岳~12:30巻機山~14:10巻機山登山口

夏冬通して巻機山には登ったことがなかったのですが、すごくきれいな山でした。奥利根湖との1年ぶりの対面を果たし、冬の下見も済ませ、奥利根、越後の山並みを眺め、大満足の山行でした。

■1日目
前泊はテントだったのだが、ずいぶんと蚊にやられ、痒くて起きる。巻機山登山口まで移動。駐車場から見える米子沢はまったく水が流れていない。そしてやっかいそうな堰堤が続く。2パーティーが沢仕度をしている。1パーティーは米子沢にかかる橋を渡って通ってきた道を戻る方向に歩いて行った。どこに行くのだろう?もうひとパーティーは、駐車場からそのまま米子沢の右岸に入って行った。

今回、2人とも正しい入渓ルートを知らない。とりあえず最初の堰堤を越えてみる。やっかいだ。右の藪に入り歩きやすい場所を求めて右へ右へ進むと、なんと林道にぶつかる。なるほど戻る方向に歩いて行ったパーティーはこの林道を使って入渓するのか。林道を詰めると枝沢の堰堤で止まっている。少し戻って左にそれる踏み跡から入渓。一番最後の堰堤のすぐ手前に出る。ここではまだ水は伏流。すぐに流れがでてくる。

(S見さん撮影)

米子沢はどんどん滝が出てきて、とくに困難な箇所もなく、あっという間に標高を上げる。

(S見さん撮影)

開けていて綺麗な沢だ。ガスがかかっているのがちょっと残念。

大ナメなどを過ぎ、1700mで右の支流に入る。きたるべき藪こぎに備えて、水が涸れる前に給水する。
稜線に上がる。いよいよ奥利根湖との対面。笹藪は思ったほど深くない。しかし踏み跡も全くない。ガスでピークが隠れている米子頭まで、藪こぎ開始。

(S見さん撮影)

稜線上は笹の丈が長く、ハイマツ、シャクナゲが邪魔してなかなか進まない。奥利根側の笹はいくぶん低く、草つきを交えながらトラバース気味に進めばいくぶん歩きやすい。2時間の藪こぎ。米子頭のピークはさすがにあきらめて、東に伸びる尾根にトラバース。そこから下ゴトウジ沢へ下降する。

沢は平坦。釜は小さいが魚影がある。しかし型は小さい。もう少し下降すればと期待する。左俣との出会いで竿をふる。手ごたえなし。釣りながら下降するが全然ダメ。

なんとこんなところに足跡がある。釣れない原因はこの足跡の主だろうか。


谷本沢出合には綺麗な幕場がある。河原には少々遠いが。竿を振るも、チビが1匹のみ。リリース。満天の星空。



■2日目
少々行程が長いので早出を決める。4時起き5時半発。ずいぶん日が短くなったものだ。4時は真っ暗、5時ころまでヘッデンを使った。

小滝と釜、小ゴルジュがつづき、面白い。魚止めの滝は、左側を私が空身でリード。傾斜はあるがガバ多数。残置ハーケン2個使用。1段登るとあとは階段なので、上の潅木で支点をとって懸垂で1段目上までおりて荷上げ。つづいてS見さんを確保。
















(S見さん撮影)

上ゴトウジ出合には7時に到着。順調なペース。
ここからはきれいで大きな釜が連続する。魚影はない。


(S見さん撮影)

この滝、左をトライするも登れず。石の右、石と壁の隙間を登る。



(S見さん撮影)

この滝は右から巻く。40mロープでは足りないので、10m、小さいテラスまでフリーで登り、そこから私がリード。岩と草付きをまぜて滝の落口付近に出る。


チムニー滝。最初の1段目は左のバンドから落口に乗越す。ちょっとここでコミュニケーションミス。S見さんは左のルンゼを巻くという。私はノーザイルでフリーソロ。2段目は直登できず、右の2m段差にザックだけ先に置いて、空身で乗り込む。そこから右の急な藪を直登し、3段目の落口にトラバース。その奥の4m滝は登れず、左の藪に入り、S見さんと合流。懸垂下降で沢に降りる。

ここで先行者2名。木曜に入って、枝沢をいろいろ入っていたらしい。

(S見さん撮影)

スカイラインまで続く大きな滝。1段目は右のルンゼから、滝の落口へトラバース。


(S見さん撮影)

2段目は左を快適に登る。

ここから先は綺麗な源頭が続く。




(S見さん撮影)

草原に突き上げ、しばし奥利根の景色に見入る。

(S見さん撮影)

牛ヶ岳で越後三山を眺め、巻機山を経由して下山。巻機山は綺麗な山だ。



2010年8月31日火曜日

谷川本谷~谷川乗越~赤谷川源頭

■メンバー
K池さん、私(リーダー)
■タイム
8/28(土)晴れ一時雨 5:45谷川温泉~7:00二股~12:00稜線~12:40谷川乗越~13:00赤谷川(泊)
8/29(日)晴れ 7:20出発~10:20オジカ沢の頭~11:20肩の小屋~13:00天神平


■1日目
前夜に電車で水上入りステビバ。雷雨の予報だったので、早めにテン場に着こうということでタクシーは前日のうちに予約。登山道を歩きだして15分、第一ヒル発見。その後、行動中にヒルは見かけなかったのでそれほど多い印象はない。翌日にヒツゴー沢に入ったパーティーに聞けば、ヒルはけっこういたらしいので、どういう事なのかよくわからない。

地図を確認しながら歩くが、どうもコンパスの指す向きがおかしい。指す向きというか針がくるくる回る。この辺り、磁場がおかしいのか?とおもいきや、K池さんのコンパスは正しい方向を指している。コンパスが壊れていることをここで確信。以降のコンパスなしの読図は大いに苦労した。

いわお新道を分けると登山道は急に藪っぽくなり、それを嫌がって川に降りる。そこはすでにオジカ沢に入っていた。少し戻って本谷に入渓。最初はプレハブ小屋サイズの石がゴロゴロで通過がいちいち面倒。排気口をこえるとすぐに水は伏流となる。再び水が出てきてからはすこしの小滝とゴーロ歩き。地図のケムシマークとは全く印象が違って、開けた明るい沢。左岸の爼嵓の岩壁に見入りながらの遡行。

川棚沢から川棚の頭

明るく開けた沢

タカラ沢出合、左岸から立派な滝が落ちている。登ったら楽しそうだなどと言いながらそのまま進むが、実はここ、本流とタカラ沢の2本の滝が落ちている。

左が本流で、右がタカラ沢

そしてこの滝こそが大滝で谷川本谷のメイン。ここで左の支流に入ってしまった。間違っていることに気づかずにそのまま進むと、左から大滝。これも登ったら楽しそう。水量比に疑問を抱きつつ右に進路をとったが、すぐにボロボロの登れない滝。私が左からロープを引いて巻くと、なにやら右側に深い谷が見える。見晴らしの良い場所まで登って、ようやく間違いに気づく。すかさず本流に降り立つが、メインの大滝を巻いてしまった。

このあたりからようやく面白い小滝が出てきた。傾斜がきつくなり、水が枯れると藪になる。進みやすいルートをたどり、あまり方向修正をせずに登ったら谷川乗越よりだいぶ左の高いところに突き上げる。おかげで爼嵓の稜線や小出俣を眺めることができたのだが。谷川乗越まで藪こぎで下り、そこから下降して赤谷川本谷までは20分少々。赤谷川上流域、なんと綺麗な谷。

テン場を探していると雨が。徐々に徐々に強くなる中、急いでタープを張る。タープを張り終えた頃には土砂降りの雨もすっかり上がっていた。

笹の中に平たく張る

まだまだ時間が早いので昼寝。そして焚き火。焚き火はなかなか大きくならなかった。

■2日目
朝の支度をしていると、3人パーティーが登ってくる。なんと、N島S子さん。3人で赤谷川本谷を遡行とのこと。

S子さん達から遅れること約30分。行動開始。開けた明るい沢。笹と草原の斜面が陽の光を受けて輝く。



暑くなりそうな予感なので小滝はどんどん水に浸かる。笹と草原の中、ナメを詰めて、笹薮から爼嵓の稜線に上がりオジカ沢の頭。

爼嵓の稜線

オジカの稜線では、万太郎谷を遡行する4人パーティーがみえた。ちょうどこのタイミングで万太郎を遡行する会の4人パーティーかと思い 「S藤D介~!」と叫んで手を振ったが、 「S藤D介じゃないよー!」の返事。

肩の小屋、天神尾根を経由して、ロープウェイで下山。


2010年8月22日日曜日

三面川竹ノ沢中ノ俣沢

■メンバー
A久さん(リーダー)、S田さん、私
■タイム
8/11(水) 晴れ 7:30奥三面ダム車止め~竹ノ沢出合~スダマ沢出合(泊)
8/12(木) 晴れのち台風 5:10スダマ沢出合~9:30金堀沢出合~14:00ワカバ沢出合(泊)
8/13(金) 晴れのちくもり 7:00ワカバ沢出合~15:00北寒江山~16:30竜門小屋
8/14(土) 雨 竜門小屋停滞(S山パーティー到着待ち)
8/15(日) 雨 5:30竜門小屋~8:00日暮沢小屋~10:30大井沢温泉

竜門小屋同時集中する岩井又に入るS山パーティー4名と行動を共にする。8月10日のうちに最終の新幹線で新潟入り。駅周辺でゴロ寝している若者が多いのはライブがあったのだとか。若者とは雰囲気を異にしながらも、ステビバの同士が多いのは心強い。

台風が直撃するのはわかっている。それは12日の午後。我々竹ノ沢パーティーは、初日の11日と、翌日12日午前中のうちに距離を稼いで安全な高台で台風をやり過ごす計画をたてる。

■8/11
引用元:株式会社ウェザーマップ『気象人

始発の電車で村上へ。予約していたジャンボタクシーに7人で乗り込んで奥三面ダム車止めまで移動。つかの間の休息。メジロの襲来を予想してタクシーに乗り込む前に沢支度を済ませておいたわけだが、意外な事にメジロがいない。ここでは全く対策が不要だ。

三面川沿いの登山道を小一時間ほど歩いて、岩井又パーティーと別れ、3日後の竜門小屋での再開を誓う。

3人になった我々は灼熱の登山道をさらに歩き続ける。メジロも増えてきた。メジロを気にすれば気にするほど体力の消耗が激しくなる。S田さんは少々バテ気味だ。

事前の情報通り、三面小屋から先の道が不明瞭だ。地形図通り小屋の後ろの藪を進むとすぐに明瞭な踏み後に出る。暑いのを除けば快適な登山道。

暑すぎる。キスケ沢で入渓することを考えていたが、早く沢に下りようと、ヒヨガラ沢から下りて三面川に入渓。しばらく雨がないせいだろう。穏やかだ。その穏やかな渓相の中を泳ぎやヘツリで進む。

(A久さん撮影)

メジロが増えてきた。防虫ネットをかぶって遡行する。私は黒の防虫ネットを使っている。比較的視界は良好だが、A久さんとS田さんは緑の防虫ネット。視界が悪いらしい。防虫ネットの中にメジロが入ってくる。気が散る。

(A久さん撮影)

竹ノ沢出合へ。竹ノ沢は思いのほかちいさい。水量が少ないせいでそう見えるのだろう。当初の予定はこの辺りでのビバークを考えていたが、台風が来るまでできるだけ進んでおきたい。先へ進む。

入り口のゴルジュは泳ぎヘツリ。メッシュに水滴がつくと視界がなくなるのとともに息が苦しくなる。仕方がない。

(A久さん撮影)

水流が多いと難しいだろうゴルジュ、釜も泳いで突破。

17:00スダマ沢出合にて、ここより先に進むには時間が厳しいか。左岸の砂地にて泊。

竿を振る。魚影はあるもヒットしない。メジロにやられ釣りに集中できない。この日はA久さんが途中で釣り上げたのが1匹のみ。



■8/12
引用元:株式会社ウェザーマップ『気象人

台風が上陸するのは午後。午前中が勝負。4時起き5時発の早出。
朝イチから飛び込み泳ぎが始まる。水は思いのほか冷たくない。

この日は泳ぎまくる。
左岸から右岸、右岸から左岸へと泳ぎながら壁をけって流れを横切る。
水流の弱点を突いて泳ぐ。

50m続く淵も、泳ぎまくる。
(A久さん撮影)

二人組みパーティーと遭遇。
彼らとは、抜きつ抜かれつのペースで進む。


この滝は登れない。
(A久さん撮影)

右の細い水流のクラックに取り付いて、カム+アブミで越えようとするも、もう一手がない。そのうち2人組パーティーが追いついてきて、我々も一度は取り付いてあきらめた、右の乾いた壁を空身で乗り越えて行った。その様子をまじまじと眺めた後、A久さんのショルダーで私が登る。登れるとわかれば登れるものだ。

(A久さん撮影)

取り付けない滝は適宜巻いて。白く泡立つ激流に突っ込んで滝に取り付くなど。

超難関ルートの相模沢出合を越え、9:30金堀沢出合に到着。進路は右、中ノ俣沢。ここから先は岩魚がいない。温泉成分が流れ出しているからだそうだ。ということでしばらく竿を振るも釣果なし。

2日目の最低ラインである金堀沢には着いたが、さて。
天気は以外と持ちそう。時間も早いこともあり、次を目指す。

泳ぎ、ヘツリは続く。
(A久さん撮影)

連瀑は後半直登できず、右岸を巻く。ちょっと悪いのでロープを出して。
(A久さん撮影)

この滝は、A久さんが空身でリード。
先行していた2人組(A久さん撮影)

うまい具合に流木が橋になっているが、そうでなければかなり大変だったはず。

雨が強くなってきたころ、14:00ワカバ沢出合付近。目標地点まで到達。台風を避けるための安全な幕場は簡単に見つかった。タープをドーム状に張り、風対策もOK。
(A久さん撮影)

ガスで夕食を作る。虫はなぜかいない。台風を前に、虫たちも避難しているのだろうか。台風は6時頃、秋田に上陸したとの事。豪雨で川は氾濫。谷底だけに風は無い。


■8/13
引用元:株式会社ウェザーマップ『気象人

台風は去った。雨はそれほどでもなかった。水が引くのを半日くらい待たなければいけないかと思ったが、すっかり水は引いていた。濁りもない。これまで雨が降らなかったせいだろう。乾いた大地が台風の雨を吸い取ってくれたようだ。

三人オナカ沢出合の滝は左岸を巻く。巻いている途中には、2人組がビバークしているところに出くわした。
(A久さん撮影)

またすぐにでてきた大きな滝。
(A久さん撮影)

水流通しで行こうとしたが、中段で前進できず、ワンポイントで巻く。すぐに水流に戻り滝上段に取り付く。滝落ち口は微妙に悪いので右岸を巻く。ここにはすばらしく立派な幕場適地。前日あと2時間時間があればここまで来たいところだ。

左岸をへつり上がり、空身で落ち口へジャンプ。ザックは放り投げ。
(A久さん撮影)

まだ続く泳ぎ。
(A久さん撮影)

右岸から巻く。
(A久さん撮影)

左岸を巻く
(A久さん撮影)

左のカンテを空身で登る。
(A久さん撮影)

盛りだくさんな内容で、いよいよ滝は小さくなり源頭へと。


お花畑の源頭を詰める。
(A久さん撮影)

小さく残る雪渓を経て、三方池、そして稜線へ。台風襲来にも関わらず、予定より早い沢中2泊で抜けたことになる。

1日早く、竜門小屋に向って朝日の稜線を2時間歩く。
(A久さん撮影)

快適な竜門小屋。管理人さんに呼ばれて大宴会を繰り広げる。

■8/14
引用元:株式会社ウェザーマップ『気象人

この日集中する岩井又のS山パーティーを待つ間、大朝日岳ピストンをしようかとおもったが、台風去ってまた一難。前線の雨。暴風・豪雨である。ダラダラ停滞する。

正午、ずぶ濡れになったS山パーティー4名が無事、竜門小屋到着。濁流をかわして藪を登り詰めて竜門山に突き上げたということだ。

小屋の管理人さんからいただいた肉をカレーに入れて無事集中を祝う宴会。


■8/15
引用元:株式会社ウェザーマップ『気象人

山の雨はまだ降りやまず。
川のような登山道を日暮れ沢に向って下山。

安全圏へ降り立ったと思ったのもつかの間、林道を横切る川が氾濫して徒渉もままならない。
ロープを使ってなんとか渡りきる。

これが道路。
(A久さん撮影)

歩くうちに雨は止み、そのまま大井沢温泉まで歩き入力。呼んでおいたジャンボタクシーで寒河江駅へ。左沢線で山形へ行き、焼肉食べ放題。新幹線で東京へ。




~~ 合宿を終えて ~~
6月に合宿の企画が立ち上がってから、パーティーメンバー、日程、ルートなど2転3転する中、最終的に我々A久パーティーは企画立ち上がり当初のメンバーとルートで望むことができた。今回の合宿の成功は2ヶ月間の継続した訓練の賜物である。S田さんとは4週連続で訓練でき、メンバー3人による訓練山行も2回行うことができた。初心者とばかり思っていたS田さんだったが、訓練を重ねるごとに上達し、なにより精神的にタフになった。

泳ぎの光来出、巻きの足尾沢を経験したこと。5級にランクされる竹ノ沢であるが、泳ぎは光来出ほど長くはなかったし、巻きは足尾沢ほど厳しくはなかった。蓋を開けてみると訓練のほうが厳しかったり訓練ですでにこなしている内容がほとんどだった。

台風襲来。これが今回の合宿の試練だったか。台風は来ることがわかっていたので、どこまで進んでどこでビバークするかなど、あらかじめ備えることができた。

訓練の成果も、個人の力も、充分に発揮できた。良いパーティーで良い山行ができた。

2010年8月5日木曜日

清津川足尾沢

足尾沢は清津川の支流で、北から苗場山方面に突き上げる沢。遡行記録は9月のものがあるが、8月のものは見つからない。雪渓の状態はどうか。1日で抜けてフジロックでも観にいこうなどと軽口をたたきながら出発。

■メンバー:A久さん、S田さん、私
■タイム:
7月31日(土)晴れ 5:45八木沢出発~清津峡遊歩道~8:15足尾橋~8:30入渓~11:30巻き開始~16:30巻き終わり大滝手前の支流脇にて幕
8月1日(日)くもりのち雨 5:10出発~5:30大滝1巻き開始~7:00巻き終了~7:40大滝2巻き開始~9:30巻き終了~15:00終了点~苗場山林道~18:40八木沢

■7月31日(土)
猛暑の一休みを終えて、またこの週末から猛暑だという。またまた雷雨の予報。かるく朝食をすませ、八木沢へ移動。清津峡遊歩道を歩く。整備された歩きやすい道だ。鹿飛橋からは多少険しくなる。ファイントラックを着ているS田さんと私は大汗をかいて歩く。2時間30分で足尾沢出合へ。清津峡を下るカヤッカー2名と遭遇。

いざ入渓。沢はヌメる。すぐに滝が出てくる。


ここは右から巻いてすぐに懸垂下降で降りる。

(A久さん撮影)
深いゴルジュをあるいて、またすぐに出てきた幅広の滝。

支点工作するA久さん。

右から取り付こうとするも、つるつるで登れない。このラインは諦めて、ほんの少し手前からA久さんの力を借りて私が空身で這い上がる。が、支点が取れず、結局滝上に支点を作り、つるつるの足場を腕力でなんとか登ってもらう。ここでだいぶ時間をかけてしまった。残置ハーケンがあったのでこのラインで登ったひとがいるのは確かなのだろう。

(A久さん撮影)
滝があると思えば、早くも雪渓が見える。雪渓はびっしり詰まっているわけでもなく登ったり下ったり。ついに滝手前で前進かなわず。すこし戻って左岸の乾いた岩場から1ピッチ巻き上がる。私がリード。快適な乾いた岩。そしてここから始まる5時間の巻き。巻く前に水をたっぷり汲んでいったのは正解だった。あるのか無いのかわからない獣道をただひたすら。急斜面のトラバース。藪につかまりながら。本流に降りても良かったのかもしれない。ただし雪渓の状態も見えず、一度おりたらこのゴルジュ。はたして巻き上がれるのか。ということで結局大滝手前の支流まで巻くことになった。

(A久さん撮影)
途中でみつけたミヤマクワガタ。

支流に降りると本流には10mの懸垂下降で降りることができた。1日目はここまで。入渓地点からの距離は約1km。たったの1km。敗退色が濃くなってきた。

が、
しかし。A久リーダーの鶴の一声で、早出して決行することに決まる。こうしちゃいられないということで焼き枯らし中の岩魚は強火で焼いて食ってすぐに寝る。夜は快晴。


■8月1日(日)
朝イチの大滝の巻きは、右岸から1時間半。

30分くらい快適に歩いて、また大滝。


右岸から丈の高い草の合間から這い上がり、崖を登って巻いた。最後3分の1くらいは獣道が明瞭で、これまでの巻きに比べてだいぶ楽に巻けた感じがある。ただし時間は2時間かかっている。

巻きを終えると渓相はかわり、小滝に河原にトロ。しかも魚影が濃くなる。
それでもまだ微妙に巻きは悪く、30分程度の巻きは数回繰り返した。



ワンポイント泳ぎで、滝左の出っ張りに取り付いて巻く。

意外にもヌメった悪い滝が出てきてロープを出して登る。
A久さんリード。
これで核心終わり。

休憩中、A久さんは尺岩魚を釣り上げ、その場で刺身にして食す。

二股は無難に右にルートを取る。
林道に上がり、さらに3時間少々の林道歩きで八木沢へ。