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2009年12月10日木曜日

八ヶ岳 小同心クラック・中山尾根

12月5日・6日の週末、会の雪山はじめ企画。

30人以上のメンバーで八ヶ岳の行者小屋のテン場にベースを構える。
これだけのメンバーが集まる山行は初めてかも。
各々がパーティーを組んで登攀したり縦走したり雪訓したり。

私は初日は、N島さんと小同心クラック。
2日目はS原さんと中山尾根を登ることに。

2日目の中山尾根では事故寸前の出来事があったのであわせて報告します。無傷での生還は奇跡のようなものかと。



■12月5日(土)くもり→雪 5:00美濃戸口~5:45美濃戸~7:30赤岳鉱泉~10:00小同心クラック取付き~12:10稜線~13:30赤岳鉱泉~14:50赤岳鉱泉発~15:30行者小屋
■ルート:小同心クラック
■メンバー:N島さん(リーダー)、私

深夜0:05に諏訪南ICを降りてコンビニに寄って美濃戸口へ。30人以上のメンバーのほとんどはまだ到著していない。朝も早いし、雨の心配も無いし、後から到著するメンバーに煩わされることも無いようにと、テントを張って寝ることにする。

4:00起き5:00発。真っ暗の中、美濃戸まで林道を歩く。眠くて半分目をつぶって歩いていたようなもの。途中車に抜かされたが、聞けばS藤H明さんパーティーの車だったとのこと。美濃戸のベンチで倒れこむ。しかしここは眠気を振り払って再び赤岳鉱泉に向かって歩き出す。

林道終点でスニーカーから冬靴に履き替える。雪は皆無かと思っていたので、少ないなりに積もっていたので少々安心。赤岳鉱泉到着、アイスキャンディーもまだまだ。荷物をデポして大同心稜を登る。しばらく山をサボっていたのと、眠いのと、病み上がりなのと。急登がこたえる。

大同心稜。大迫力で大同心が迫ってくる。が、ときおり霧で見え隠れする。午後から天気は崩れるということで、その前兆。風も徐々に強くなってきている。大同心基部からルンゼを横切って小同心基部へ。クラックなので岩の隙間に入れば風をよけられて寒くないはず。

そういえば1年前もN島さんと赤岳主稜を登ったが、その時の寒さに比較すれば今回の寒さは屁でもない。八ヶ岳にも着実に温暖化の波が寄せているのか。

ここからはアイゼンと手袋で岩登り。1ピッチ目は私がリード。ホールドもスタンスも大きいので、傾斜がある割りにはサクサク登れる。支点も適度にある。2ピッチ目はN島さんリード。長めのチムニーのピッチ。最終ピッチは、あれっ?5mくらいで終了。

岩稜帯を登って横岳頂上へ。風がだんだん強くなってきた。登攀具をしまって下降開始。大同心稜を下降。この周辺の登攀後の定番下降ルートということだそうで、ここは覚えておかなければいけない。風が強くなって雪も降り出した。砂粒・雪粒がバチバチ当たる。樹林帯に入ってようやく落ち着きを取り戻す。下降途中、裏同心ルンゼを登ってきたというパーティーに遭遇。氷は予想通り薄かったとのこと。

赤岳鉱泉の小屋で一休み。M島さんT中さんA元さんに遭遇。コーラを飲んでラーメンを喰らって至福のひとときを過ごす。重い腰を上げてデポ品を回収して行者小屋へ向かう。中山乗っ越しまでの登りが異常にこたえた。夜は強風のち無風快晴。



■12月6日(日) 晴れ 6:00行者小屋出発~7:10下部岩壁到着~8:00登攀開始~10:00上部岩壁取付~12:00稜線~13:30行者小屋
■ルート:中山尾根
■メンバー:S原さん、私(リーダー)

ヘッデンを点けて行者小屋を出発。中山乗越までは10分少々。くるぶし~すねのラッセルで約1時間。やせ尾根手前で3人パーティーに先を譲る。先行パーティーが正面の岩峰に取り付いている最中、我々は右側のルンゼに狙いを定める。私リードで登り始めるも、墜落(後述)。S原さんにリードを交代。S原さんは微妙なMIXルートを巧みに登って、立木でビレー。支点は潅木など。稜線まで少しの距離を残していたので、2ピッチ目を私がリード。その後稜線に出てコンテで上部岩壁の取付きに進む。

登攀準備を整え、10:00の無線交信をとる。ここでは前日に中山尾根を登ったA久さんと交信がとれ、アドバイスを頂く。私リードで凹角を登り、ハング下のテラスに出る。支点はペツルとハーケン。ハングには支点が豊富。ハングの抜け口でビレー。2ピッチ目は岩稜帯をS原さんがリード。50mほぼ一杯に伸ばす。3ピッチ目は左に草付きを登って一旦テラスに出て、さらに左の草付きを登って岩稜を越えたところでビレー。

最後はバンドを伝って稜線の登山道に抜ける。登攀具の片付けをしながら、12:00の無線交信。阿弥陀北西稜のA山・N島P、赤岳主稜のY田・N村Pがちょうど登攀を終え、それぞれピークにいるとの連絡を受ける。地蔵尾根を下降して行者小屋へ戻る。

続々と登攀組が戻る。下山遅れのパーティーがあるも、16:10全員無事行者小屋ベースに戻る。下山は途中からヘッデン。凍りついた登山道が滑る。



■墜落レポート
・場所:中山尾根下部岩壁右のルンゼ取り付き
・日時:2009年12月6日7:30ごろ
・当事者:私(リード)
・他メンバー:S原(ビレー)
・内容:7~8mの墜落
・怪我など:なし

【詳細】
先行パーティーが正面岩峰に取り付いていたタイミングで、我々は右側のルンゼを登ることにした。支点などは無いようだが、潅木などを利用して登れると判断。急な雪の斜面に足場をつくり、潅木でビレー点をつくって私がリードで登攀を開始。いくつか取付きを偵察し、狭いチムニー状に決めて登り始める。

チムニーを越えた所の狭い足場付近約5mで貧弱ながらも潅木で支点をとる。狭い足場から太ももの高さに草付きの段があり、それより上で傾斜がいくぶん緩んでいる。緩んだ傾斜の草付きにバイルを刺す。がっちりとは効いていなかった。太ももの高さに上げた左足に乗り込もうとするも、体重が後ろにかかり、バランスを崩す。効いてないバイルはすぐに外れ、体は後ろに倒れるように宙に投げ出された。

S原さんの足元の急な雪の斜面に落ち、少し流され、ロープにテンションが掛かって止まる。貧弱な潅木の支点は折れていた。ロープはチムニー状の岩の上部で折り返され、それが支点代わりになった。

【考察】
いくつかの幸運が重なった結果、無傷で済みました。
・墜落地点が急な雪の斜面だったこと
・ロープがチムニー状の岩で折り返されたこと

【判断の誤り】
・登られているルートであるにも関わらず、支点がないルートを選択して取り付いたこと
・自分が登れるルートかどうかの見極め
・不安定なホールド・スタンスでも突っ込んだこと

2009年11月23日月曜日

三つ峠岩トレ

久々の更新。
雪が微妙な立山は早々に見切りをつけて、三つ峠にて岩トレを計画。一泊2日で行ってきました。

メニューは、アイゼントレ、アブミトレ、マルチピッチなど。三つ峠もこの時期になるとさすがに人は少なく、いい感じでトレーニングできました。ショックなのは3年目の冬靴がいまさらながら全然足に合わずに靴擦れ全開なこと。
再来週の八ヶ岳に暗雲が、、、


このトレーニングの成果を生かせる山行ができればいいな。
できれば板を担いで。


初すべりは12月後半に持ち越しです。

2009年5月26日火曜日

岩場のセルフレスキュー

都岳連主催の、山のセルフレスキュー講座Ⅰ『岩場のセルフレスキュー』を受講してきました。5/21(木)、5/23(土)、5/24(日)3日間の講座。ちょうど先週、広沢寺でロープワークの練習をしていたのと、ほとんどの技術は過去に会のレスキュー訓練で練習していたものだったのでスムーズに理解できました。とはいっても理解しているのと実際にできるのとは全く違うので。教科書どおりに物事が運ぶことはないですね。かならずどこかでトラブルが起こります。フリクションノットが効きすぎて解除できないとか。振り分けのバランスを間違えてほんとに背負うハメになるとか。結び目を解きたいのに手が届かないとか。


■5/21(木)19:00-21:00 机上講習

机をどかしての講習なので正確には机上講習とは言わないのか。ここではロープワークの確認。部屋の中なので、実際にロープにテンションをかけない。確認した内容は、

リードビレー中の自己脱出
リーダーレスキューの一部で、ビレー状態から抜け出す方法。リーダーレスキューとは墜落などの事故でリードの救助が必要な場合のレスキュー方法。

セカンドレスキュー
セカンドが事故を起こし、救助が必要になった場合のレスキュー方法。ロープ1本をフリー状態にして、そのロープでセカンドの地点まで懸垂下降。救助して介助懸垂。2人重さが掛かるので、懸垂のバックアップが必要。


■5/23(土)実技講習 丹沢モミソ岩 くもり

モミソ岩は先週来た水無川本谷のほんのちょっと下流。支点の作り方から教わる。

レスキューは支点が命。安全を期すために環付ビナをつかう。

懸垂の仮固定
懸垂登り返し
自己脱出
介助懸垂
などなど、リーダーレスキューに必要な技術を練習。
ほか、
ディスタンスブレーキ
ジャンピングでリングボルトを埋める(特別講座)
ジャンピングは35分くらいがんばりましたが、もう少しというところでタイムアウト。

宿に戻ってフロと飯を済ませて夜の講習会。
エアレスキュー(ヘリの要請)の小話と搬送法。

懇親会して就寝。
外は土砂降り。


■5/24(日)実技講習 山岳スポーツセンター 雨

雨なので岩場はあきらめる。
宿からすぐ近くの山岳スポーツセンターの人口壁を借りて練習。


こんな立派な施設があったんですね。高さは15mです。壁の角度が変わります。雨をよけるためにハングにしてくれました。

支点構築
懸垂下降仮固定
懸垂の結び目通過
ディスタンスブレーキの結び目通過
総仕上げに、リーダーレスキューを通しで


レーダーレスキュー2組同時進行の図。

壁中の事故者を迎えにいって介助して降りてくるのがリーダーレスキュー。レスキューの中ではいちばん複雑な内容。
全員無事にこなしてレスキュー講座終了。
盛りだくさんな内容。

そして、今回教わった内容を来月、会員に還元するのです。

2009年5月18日月曜日

広沢寺&水無川

週末は会の訓練。
土曜日は、広沢寺の岩場で基本ロープワーク+マルチピッチ練習。
日曜日は、東丹沢の水無川流域で沢訓練。

予報に反して雨はそれほど降らず。

予定通りの訓練ができました。



*岩訓練*

■5月16日 くもりのち小雨 広沢寺
■メンバー(11人)
私、S津、M中、M浦、S原、U竹、S山、H光、K口、I嵐、K池
■概要
沢登りに必要なロープワークをメインに練習・確認。その後、マルチピッチシステムを練習して実践。最近入会した&入会予定のS原さん、H光さん、K池さんは、ロープワーク、マルチピッチともに基本的な部分は理解しているので、簡単に確認するだけですぐに実践。
■主な訓練内容
・8の字結び
・インクノット
・セルフビレイの取り方
・懸垂下降いろいろ
-半マスト、8環、ルベルソ、ETCでの懸垂
-仮固定
-登り返し
・中間での登り方
-フリクションノット
-各種アッセンダー
・マルチピッチ練習・実践


*沢訓練*

■5月17日 小雨 東丹沢水無川流域
■メンバー(10人)
(水無川本谷)L私、H、N澤、N村、U竹
(セドの沢左俣)LT城、S津、M中、S原、K池
■概要
人数が10人に減ったため、予定を変更して2パーティーで出発。水無川本谷では要所要所に鎖が張り巡らされているので不安材料は少ない。F5まで詰めて、書策新道で下山。その後、東屋で雨をしのぎながらロープワークの練習。1時間ほどの後、セドの沢のT城パーティーが下山。
N澤さんはフォローなら問題なく登れる。長丁場では体力が心配。U竹さんはアクアステルスで苦労していた。



雪のシーズンはもう終わり。
夏はどうしようかな~
沢も岩もやりたい。北アルプストレランにも興味ある。

といってもこの後1カ月くらい山らしい山には行けないのですが。。。

2009年5月7日木曜日

剱岳後編 八ツ峰上半

剱岳をまるごと楽しもうプラン登攀編。
滑降編に引き続き、パートナーはN島さん。

■5月4日(月)曇り
5:00剣沢BC~5:20長次郎出合~6:10熊の岩~9:10八ツ峰の頭~9:40三ノ窓~11:00長次郎左俣稜線~11:50長次郎出合~13:30剣沢BC
■主な登攀具
ロープ:2本(6mm×40m)、アルパインクイックドロー:4セット、スノーバー:3本、デッドマン:1個、ハーケン:3枚、バイル:1本、ピッケル:各1本、アッセンダー:各1、下降・確保器、アイゼン、ハーネス、ヘルメット

※ピッケルは各自、バイルは2人で1本。ひとりだけダブルアックスが可能。

気圧の谷が通過するだのしないだの、なにやら天気は芳しくない模様。午後から崩れるらしいので早い時間に行動を終えられるようにと、八ツ峰の上半だけとする。スキーを効果的に使ってアプローチ。長次郎出合までガリガリの斜面を滑り降り、熊の岩付近までシールで登る。長次郎谷を先行していた4人パーティーも八ツ峰上半を登るようだ。

スキーは熊の岩付近にデポ。登攀の準備をして、Ⅴ・Ⅵのコルに向けて雪壁を登り始めることとする。それにしても兼用靴は20~30度くらいの斜度を登るのはなかなか疲れる。Ⅴ・Ⅵのコルにたどりつくまでだいぶ消耗してしまった。Ⅴ・Ⅵのコルにはテント跡がいくつかある。先行パーティーはⅥ峰の雪壁を登っている最中。

Ⅵ峰の急な雪壁。トレースはばっちり着いている。おかげでロープなしで登れる。

Ⅵ峰の下降、先行パーティーはスノーボラードで懸垂。
スノーボラードやったこと無い。。。
聞けば国際山岳ガイドの率いるパーティーだった。

ここは、まずは私がダブルアックスでクライムダウン。トレースはバッチリなんだけど堕ちたらシャレにならないので慎重に降りる。N島さんはピッケル1本。下からロープで確保してクライムダウン。

ナイフリッジもトレースバッチリで恐怖感なし。


Ⅶ峰の懸垂下降は、先行していたガイドパーティーのロープを使わせてもらうことになった。それで先行させてもらう。あとはちょっと急な雪壁を登ってⅧ峰の頭へ。あっけなく2時間ちょっとで終わってしまった。トレースのおかげ。


N島さん。Ⅷ峰の頭にて。

時間があるのでチンネを見るために池ノ谷を下って三ノ窓まで散歩。数パーティーが取り付いている。


チンネ。夏に来たときは霧で全貌を見渡せなかった。

池ノ谷の登り返しはけっこうきつい。長次郎左俣まで稜線を歩いてそのまま長次郎谷をグリセード&シリセード。スキーをピックアップして滑降。剣沢登り返し。剣沢の小屋でビールを調達。


■5月5日(火)晴れのち曇り
7:30剣沢BC~8:30室堂乗越~10:00室堂ターミナル~12:00扇沢~13:00大町~22:00帰宅

予報に反して朝方は快晴。奥大日を狙う。雪が緩むのを計算してゆっくり出発。ところがいつの間にか剣は雲の中に姿を消す。風も強くなってきた。室堂乗越まで行くも、やはり風が強いので撤退。そのまま下山を決める。帰りのアルペンルートでは山岳ガイドの江本さんと遭遇。おしゃべりしながら下山。大町に着いてフロ→メシ→バス&ビール。意外と渋滞少なかった。

2009年4月6日月曜日

湯河原幕岩

3月は厳しい山行が続いたので、
今週は軽めに。

土曜は休養日。
日曜は最近入会した会員向けのロープワーク講習会@湯河原幕岩。新人・ベテラン、さらには入会希望者も含めて総勢12名。入会希望者のT井さんはクライミング未経験。それでもものすごいガッツで、墜落を繰り返しながらも。果敢に登っていました。

練習した内容は、
  • ロープの結び方
  • トップロープクライミング
  • リードクライミング(一部の人)
  • 懸垂下降
  • 終了点工作(一部の人)
  • ビレー(リードの墜落を止める)
などなど。
個人の技量に合わせて。

墜落を止める練習。墜落する人は毎度おなじみの名スタントマンN籐さん。手繰り落ちの見本までやってしまう。

スタントマン見習いの私も実演。あまりの役者ぶりに誰も演技と気付かなかったでしょ?
そう、演技なんですよ。
あの墜落は。。。


フリーの岩場にはめったに来ませんが。たまにはいいものです。

クライミングはここ1カ月ほどインドアにも行っていないので。
しょぼすぎて何も言えません。

2009年3月25日水曜日

鹿島槍北壁 登攀編

前日は1日かけてアプローチ。時間がなくて偵察ができなかったのが災いしたか。痛恨の取り付きミス。主稜を登るつもりがピークリッジを登ってしまいました。とはいえ、まともに主稜を登っていたら我々のペースだったら日が暮れても稜線にたどりつけなかったのではないかな。結果的にはこっちで良かったのかも。

そもそもの間違いのいきさつですが、幕場の天狗の鼻からは主稜が良く見えると思っていた。主稜のピークから稜を目で追って取り付きを確認する。じつはこれが大きな間違いで、天狗の鼻からは、主稜とその手前の稜が重なって見えるため取り付きと思った地点は手前の稜の取り付きだったわけである。


■3月21日(土)晴れ 5:40幕場発~7:30取り付き~15:30天狗尾根~18:50幕場着

まずは最低のコルまで移動。我々が先頭だったが、前日先頭でトレースをつけてくれた2人組パーティーにすぐに追いつかれる。体力、技術ともに彼らは一枚も二枚も上手。ここは先を行ってもらう。ということでまたしてもトレースの恩恵にあずかる。

目的の取り付きまでトラバース。ここはアバランチパス。昨日降った少量の雪がスラフで流れているものの、この日の積雪はおおむね安定していたので大丈夫。スノーコルの灌木に支点を取る。

さて、今回4人に対して2本のロープ。効率よく登るシステムを考えなければならない。実践したのは、
  1. リードがロープ1本を引き
  2. 2人目、3人目が中間で登り終えたら
  3. 4人目を待たず、もう1本のロープで登りだす
  4. 4人目はフォローで登る
という仕組み。でもじっさいあまり効率よくないですね。一ピッチごとロープをセットしなおさなければならないし、2人目3人目が登り終える間のロスタイムがかなり発生しました。結局2人づつ2Pに分けるのが最適なのでしょう。


・1P目 雪壁

S山さんが雪壁をリード灌木帯で切る。続いて私、M中さんが中間で登り、次のピッチの準備。ロープをごそごそしているうちにS津さんがフォローで登ってきてしまった。準備に時間かかりすぎです。

・2P目 木登り
私リード。木から雪壁に乗り移ってルンゼを抜けたところで切ってロープをFIX。中間でS山さんが早々に登るも、S津さん木登りに悪戦苦闘。なかなか登って来ないので、私のビレーでS山さんが登り始める。

・3P目 雪壁~灌木帯

S山さんリード。最後の灌木帯に入る急斜面は悪い。ズボズボの雪でスタンスは無いに等しく、アックスをがっちり決めて腕で登る。

・4P目 雪壁
私リード。灌木帯をすぐに抜け、尾根を越えて雪壁。ラッセルのピッチ。支点なし。稜線に上がってスタンディングアックスでビレー。


・ちょっと移動
ロープをたたんで尾根上をちょっと移動。

・5P目 雪壁
S津さんリード。ななめ上にトラバース。スノーバー、灌木を使って支点を取る。

・6P目 雪壁
私リード。右の灌木沿いにリード。

・7P目? 偵察ピッチ
S山さん偵察に繰り出す。頭上に迫る岩壁を登るのだろうか。偵察の結果、無理と見た。左の尾根にトラバースするか?時間切れ間近。尾根を偵察して登れそうになければ敗退。

退色が濃くなってきた。

とりあえず、左の尾根にトラバースできるところまで懸垂下降で降りる。S山さん再びの偵察。結果、尾根を2つ巻けば雪壁を登って稜線に上がれそう。ということで登ることになりました。ここからはスピードアップを図って2パーティーに分ける。はじめからそうしていればもっと早かったかなぁ。

S山さん-M中さんパーティーはM中さんがまだリードはできないのでS山さんが全リード。S津さん-私パーティーはつるべで。雪壁を3P登って稜線に近づいて、いよいよ間違いに気づく。稜線の向こうには主稜が見える。このまま登ると天狗尾根に出る。主稜とは程遠い左端の稜を登っていたことが判明する。


1Pで稜線に登って、固く締まった快適な雪壁を2P登り天狗尾根に出て登攀終了。なんと向こう側には同じ日程で東尾根に登っていた、A津さんN島さんパーティーが第2岩峰を登り終えたのが見える。なんという偶然。手を振ってあいさつ。


あとは天狗の鼻のベースまで下山。途中2回の懸垂下降は這松を掘り出して支点とする。M中さんはまだ歩行に慣れていないのでクライムダウンを交えて降りる。最後はヘッデンを点けて幕場に到着。翌日は下山のみ。宴会して残りの食糧、酒をたいらげる。それにしても昨夜と一転してずいぶんと気温が高い夜だ。


■3月22日(日)雨 8:20幕場発~12:00荒沢出合~13:30大谷原

幕場は雪、下山するにつれて雨。ズブ濡れになって下山。




※事故未遂報告

懸垂下降中にロープすっぽ抜け。斜面が緩かったのでその場で踏みとどまることができましたが、かなり危険。末端を結んでいませんでした。

2009年3月23日月曜日

鹿島槍北壁 アプローチ編

鹿島槍北壁をかすめてきました。
滑りじゃないですよ。もちろん。

そもそも鹿島槍北壁に興味を持ったのは、故・新井裕己氏の正面ルンゼ滑降(2002/04/11)という偉大な記録をまのあたりにして、いったいどんなところを滑ったのか見てみたいと思ったのがきっかけです。あつかましくも私にも滑れるかどうか偵察も兼ねた山行です。鹿島槍北壁は広く、リッジ、ルンゼが幾重にも伸びているが、概して下部は急な岩壁、上部はいくぶん傾斜が緩んだ氷雪壁といったところ。上部の氷雪壁を滑ったとして、どうやって下部の岩壁を抜けるかが課題だろう。氏はクライムダウンで降りている。

ふと盛り上がった鹿島槍北壁登攀に参加させてもらうことになりました。リーダーS山さん、S津さん、M中さん、私の4人で鹿島槍北壁主稜を目指しました。ところが実際は目指した主稜は遠く、取り付きを間違えて違うリッジを登ってしまいました。そこはピークリッジと名のついたリッジのようです。鹿島槍北峰には至らず、荒沢の頭よりちょっと手前の天狗尾根にぶつかるリッジですが、とくに難しい箇所はなく、初級ルートといったところでしょうか。北壁入門にはちょうどいいかも?4人という大所帯だったこともあり時間がかかってしまいましたが。

主稜の隣に位置する正面ルンゼはあまり良く見えずも、稜線は大きく雪庇がせり出している。2箇所くらい雪庇の切れ目はあるが、エントリーは難しいだろう。ピークからのエントリーとなるのか。


■3月20日(金)雨のち晴れ
9:30鹿島槍スキー場大谷原駐車場~12:00荒沢出合~17:20天狗の鼻(泊)


三連休初日は雨でのスタート。雨は朝のうちだけの予報なので、すき家で朝食がてら雨宿り。雨足が弱まったのを見て大谷原に移動して出発。北壁へのアプローチは天狗尾根。天狗尾根に至るには川沿いを歩き、数回の渡渉が必要となる。我々4人は沢靴を用意して川をそのまま遡上。沢初めだ!
冬山のアプローチに沢靴を使うなど、いったい誰が編み出したものか。効率がよいかどうかは別として、アクセントが効いてなかなか楽しめた。もちろん足は冷たい。沢靴での遡上中は、渡渉や巻きで苦戦している数パーティーを追い越したが、靴履き替えなどの間に軒並み抜かされてしまった。荒沢の出合に沢靴をデポする。天狗尾根には変な場所から取り付いたせいか、はじめからアイゼンを装着して泥壁を登る。ロープを出したせいもあり、だいぶ時間をくってしまった。

尾根をたどると、程なくして先行パーティーのトレースを発見。ありがたく使わせていただく。

朝方の雨は、上部では雪だったよう。新雪がついている。

第一クーロアールもトレースがバッチリなのでロープなしでも登ることができる。それにしても先行している人たちはアイゼンすら装着した形跡がない。先頭の2人は体力もさることながら、技術も超一流ということだ。この日1000m以上の標高差はこのトレースのおかげということだ。

暗くなるちょっと前に天狗の鼻に到着。けっこう時間がかかったので偵察はなし。しかし北壁は良く見える。

風が強く寒い。寒冷前線が抜け、一時的に冬型の気圧配置になっている。翌日は高気圧が張り出して晴れるということ。クライミング日和になりそう。


翌日へ続く

2008年12月8日月曜日

八ヶ岳

すべらない週末。

八ヶ岳に冬期クライミングに行ってきました。
会の雪山初めということで、総勢14名が行者ベースに集合。
1名が日曜のみ集合。
各々が毎日パートナーを替えての2日間の登攀を楽しみました。

私はというと、実は冬のマルチピッチは初めてなのですが。
土曜日は、リーダーN島さんに引っ張られて赤岳主稜に挑みます。
日曜日は私がリーダーで阿弥陀岳北稜。

事前に得た情報によるとかなり雪が多いらしい。
北稜はラッセル敗退もあり得るとのこと。
で、ワカンも持参。(ベースにデポしましたが)

それにしても寒い。寒すぎ。
さすが八ヶ岳。

晴れても吹雪いても寒い。
これぞ八ヶ岳。

雪山初めに多くの人が集う場所。
それが八ヶ岳。


12月6日(土)曇り-雪 赤岳主稜

八ヶ岳って冬型の天気のときは晴れるんじゃ?
土曜は冬型のはずなのに視界がない。風もある。
あとで確認したら、天気図、等圧線が日本海で乱れてますね。
典型的な冬型とはいかなかったらしい。



6時半ころ美濃戸口出発。
7時半くらいに美濃戸発。
9時半くらいに行者小屋に到着。
テント装備をまとめてデポし、赤岳主稜に向かう。

視界がなく、主稜は見えたり隠れたり。
全貌が見渡せない。
これから登ろうとしているのは一体どんな場所なのだ?

取り付きまでちょっと迷ったりしたが、
ガチャを装備してロープ結んで12時の無線交信を終えていざ取り付き。


これが取り付き支点と残置スリングが見えたのでわかった。

出だしのチョックストーンにかかっている残置スリング。
きっちり決まっているのを確認して迷わずA0。
岩にアイゼンの爪を立てて登る。


登攀に関しては岩が脆いことにさえ注意すれば難しいことはない。

敵は寒さ。
ガタガタ震えながらビレー。
登攀中は腕を上にあげてるもんだから腕の血の気が引いて痛いほどに冷えまくる。
登っているときに考えていたことは「早く終わらないかな~」と、ただそれだけ。

そして、なんといっても手袋をしたままのロープワークがめんどい。
いちいち手袋がカラビナに挟まる。
終了点作るのにどれだけ時間がかかったことか。

それにしてもN島さんは作業が早い。
ロープの流れが止まるとすぐにビレー解除の合図。
するするとロープがあがって登攀開始の合図。
かるく数分の差がここで出る。

冬はとくに素早さが大事。
身にしみて実感。

ときおり霧が晴れたときに見える赤岳山頂。
もう少し!

3時の無線交信。あと1ピッチか2ピッチと伝える。
実際はコンテで5分くらい歩くと山頂だった。


登攀中は写真撮る余裕ないです。
とりあえず山頂で一枚。

ようやく落ち着いた。
ちょっと食べ物をほおばって。
滑るように下山。
行者小屋到着4時ごろ。


さて泊まりなんですが。
テントはゴアエスパース。
ゴア素材なので外張もフライもないタイプ。
寒いぞ!八ヶ岳でこれはやばいかもしれない。

4人で中ガス2個。
普通の1泊なら水を作っても間に合うガスの量なのに。
水場はあるから水作りはしないのに。
暖房で使っていたらみるみる減ってしまった。
ガスのみならず、酒が減るのも早い。

なので寝る。


12月7日(日)ピーカン 阿弥陀岳北稜

すっごい晴れている。
雲ひとつない。
移動性高気圧だと。



メンバーは、
私がリーダーで、K島さん、T巳さん。
みな初心者ゆえ、北稜へのアプローチを知らない。
会では、ほか2パーティーが北稜入りするので連れて行ってもらおうと思ったら。
『迷うのも経験』ということで放り出された。
さてはラッセル泥棒を目論んでるな?
   、、、とは決して思っていない。

ともかく出発。
まずはトレースを追う。
トレースは中岳沢を一直線に登っている。
目指す北稜は、右手の尾根のもう一本向こうの尾根だ。
中岳沢途中で意を決して右手の尾根に向かってラッセル開始。
尾根を越えて北稜を眺める。
視界がいいのが幸いした。
ジャンクションピーク(JP)らしきものを見つけたのでそこに向かってラッセル。

ラッセル中に日が昇る。

JPらしき場所に着くも、そこがJPなのか半信半疑。
あとで調べたらそこは間違いなくJPだった。

稜線を歩いて岩峰に取り付く。
この日はK島さんとT巳さんにロープを結んでもらい、私は中間で悠々ユマーリング。


写真を撮る余裕もアリ。


K島嬢余裕のポーズ。

岩峰は2ピッチで終了。
あっけなく終わった。




阿弥陀岳を登って赤岳まで足を伸ばす。
下山中は、前日に登った赤岳主稜がばっちり見える。


中央右よりの稜線が赤岳主稜。

充実の2日間。

それにしても靴が足に合わなくて痛い。



2008年11月11日火曜日

靴を新調

新調したのはクライミングシューズです。
いままで履いていた=初めてのMy クライミングシューズはFIVETENのSPIRE。
今ではすっかり足に馴染みました。
この前の幽ノ沢中央壁正面フェースなんて、取り付きから終了点までの10時間ずっと履きっぱなしでも問題ナシです。(※なんでそんなに時間がかかったのかという指摘は真摯に受け止めます)

このシューズでは笹薮の中でも泥の水溜りの中でも果敢に突入することが出来ました。
今後もアルパイン用として活躍してくれることでしょう。


そして今回新調したのはモカシムオンサイト。

冬期間は外岩行かないので、インドア用として買ってみました。
サイズはきつめ。

いや~
サイズ、きつすぎたかな。

今日T-wall行って履いてみたけど、リード一本で足が限界でした。
ネットでモカシムオンサイトの評価見たら、すぐ伸びるって書いてあったから。
まぁ、伸びるのを待つか。
しばらくは2足とも持ち出しでしょう。

残念なのはシューズを代えたからといって上手くなっていないこと。
もともと道具で差が付くほどの技術レベルでは無いということだね。

今日のT-wall成果なし。
伸び悩んでます。

2008年11月6日木曜日

三連休に岩三本

内容の濃い3日間。
登攀力、ルート判断など未熟さが露呈した部分もあり。
それでもなんとかして突破したという経験は自信になった。
そういえば3日間連続の岩の経験はこれまでにない。
体力的にもちょっと自信がついた。

メンバーはリーダーN島さん、O村さん、I藤さん、私の4名。
3連休で谷川岳の岩場3本という計画を掲げる。
雨の転進などもあり実際は、
  • 1日目:榛名黒岩でフリークライミング
  • 2日目:幽ノ沢中央壁左フェース敗退
  • 3日目:幽ノ沢中央壁正面フェースヘッデン下山(一部ヘッデン登攀)
という具合。


事前の情報では谷川岳はすでに雪を頂いたという。
予報では、土曜の午前中の弱い雨のほか天気が崩れる心配はなさそう。

満天の星空の下、意気揚々と金曜夜に一ノ倉沢出合に入ってテント泊。




11月1日(土)

あけて土曜朝。

土砂降り。。。

一瞬、強風がテントを襲う。
フライがめくりあがりテントの中に雨がしみこむ。
テント内プール状態はもう慣れっこですが。。。
とりあえず雨のあたらないところに避難して朝食。

日本海側は天気が悪いらしい。
関東で天気が悪いのはここだけか?
谷川岳周辺の沢を予定していたS山パーティーと合流して榛名黒岩のフリークライミングに転進。
ちなみにフリークライミングのゲレンデでまともに登るのはこれで四度目。
谷川岳の岩場に来た回数より少ない。

しかしここは人が少ない。
首都圏からそんなに遠くないんだけど。



5.9とグレーディングされているがどうみても5.7のスラブは初めてのリード練習とかにちょうどいいかもしれない。

一ノ倉沢出合まで戻ってテント泊。



11月2日(日)
幽ノ沢中央壁左フェース
(敗退)

5時起き。すごく天気がいい。
谷川岳をフレームにおさめようとする写真家がたくさん。
駐車場はすでに満杯。


雪を頂いた谷川岳は山頂だけが白く、ふもとは紅葉で鮮やか。




この日のルートは幽ノ沢中央壁左フェース。


ここは近年ルートが崩壊して登れなくなったと聞く。

登れるところまで登る。
途中からの転進や、場合によっては敗退も覚悟で臨んだ。



これが幽ノ沢中央壁。

雨、雪解け水で岩場は濡れている。
T1と呼ばれるテラスまではアプローチとされているが。
そこへ行くのにも一苦労。
ロープを結んで2ピッチでようやくT1に至る。

幽ノ沢は、有名な一ノ倉沢が隣に位置するがために、これだけの規模の岩場を持っているにもかかわらず人影は薄い。
この日は我々4人で幽ノ沢を独占。

人が入らないということはルートが整備されていないということ。
正しいルートをたどってもまともな支点は少ない。
ましてルートをはずすと、10mくらいのランナウトはザラにある。



崩壊したというのはルートの核心でもあるZピッチの箇所のようだ。
Zピッチはハング下を右にトラバースしてからハング上に抜けるルート。
いまやハングは崩壊して半分くらい欠け落ちている様子。
とてもトラバースできる状態ではない。

トラバースではなく、直上するルートもある模様。
しかし、ビレー点には壊れたペツルと錆びたリングボルトがあるのみ。
何より濡れた岩が前進を困難にしている。

ひとまず壊れたペツルの5m下までクライムダウン。
ハーケンを2枚打ってビレー点をつくる。

N島さん、壊れたペツルの隣にリングボルトを打ち込む。
まずはビレー点を上に上げる。

しかし濡れた岩ではここまでが限界。
前進するためにはもうひとつリングボルトを打ち込む必要があった。

敗退を決める。
新しく打ち込んだリングボルトは懸垂下降の荷重に耐えるのには充分だった。


11月3日(月)
幽ノ沢中央壁正面フェース

前日に次いでこの日も幽ノ沢。
アプローチは前日とはルートを変える。
展望台と呼ばれる尾根にあがり、懸垂下降で沢床に降りる。
その後は沢通しで。
豆腐岩の右から登攀開始となるのだが、やはり濡れているので早めにロープを結ぶ。




このルートはハングの切れ目を乗り越える箇所が核心。
ここでルートファインディングの未熟さが露呈した。

先行のN-Iパーティーは右にルートを取った。
左に見えるルートにハーケンが連打されているのを下から確認した私は、左にルートを取った。
しかし、傾斜がきついのと濡れているのとで全く登れない。
スリングをアブミ代わりにして3手ほど進むが、あと一手というところで支点がなく、ついにはカラビナを残置して下降する。

結局N-Iパーティーと同じく右を登ることになった。
途中でピッチをきった事情もあり、1時間ほどの遅れをまねく。




ここからは3級程度のスラブで簡単に登りきれるはずだった。



簡単にいかなかったのは濡れていたことが最大の原因だろう。
しかも少しでもルートをはずすと支点が全くない状態。
笹藪を束ねて支点をつくり、ビレー点とする。
とてもハンギングビレーをする勇気はない。

とうとう岩場を抜けて笹薮に突入したタイミングで日が暮れる。
ヘッデン着用となる。
笹薮といえど、ロープははずせない傾斜。
まぁ、岩場を抜けていた分だけラッキーだったといえるか。

途中雨に降られたときには絶望したが。
幸い雨はすぐに止んだ。

霧が出て視界が狭まる。
暗闇の霧は距離感を狂わすようだ。
先に稜線に上がったN-Iパーティーのヘッデンの明かりがすごく遠くに感じた。
まだまだ遠いという印象が疲れた体にこたえる。
実際は50mロープで届く距離なのに。


中芝新道までのルートは真っ暗な中、踏み跡を見失わないようにたどる。
この日16時間を越える行動時間。




2008年10月25日土曜日

一ノ倉沢 南稜~国境稜線&変形チムニー

週末、一ノ倉登ってきました。
18日(土)烏帽子沢奥壁南稜~国境稜線~巌剛新道
19日(日)変形チムニー

カメラは諸事情で持っていけなかったので、今回の写真はI籐さんの写真をリンク。

すごく良かったです。
何が良かったかというと天気が良かった。
なんとお盆からずっと降られ続けた雨がこの週末ときたら超ピーカン。
しかも紅葉は谷川岳中腹~山麓にかけて鮮やか。
気持ちいいです。

今回は私がリーダーを務める。
実は今回が初リーダー。不安がイッパイ。

メンバーは大先輩のO村さん、
ナチプロマスターのI藤さん、
クラック嬢のK島さん、
アルパイン1年生のT巳さん。
ちなみにT巳さんは18日だけの参加。


今回のルート選定で、国境稜線にはちょっとこだわった。
私が6月にアルパインデビューを果たしたのは、まさにこの南稜なのだが。
そのときには懸垂で下降したわけで。
なんか谷川岳をほんのちょっと触っただけで終わった感じがした。

一ノ倉~国境稜線~山頂は谷川岳のスケールを感じるために行きたかったルート。
これは時間がかかるので登るルートは一番簡単な南稜に決める。



18日(土) 南稜~国境稜線~巌剛新道

  • 4:50 谷川岳ロープウェー発
  • 6:00 一ノ倉沢出合出発
  • 8:45 南稜テラスから取付
  • 12:05 南稜終了点
  • 14:30 一ノ倉岳
  • 15:40 トマの耳
  • 18:30 マチガ沢出合
  • 18:45 一ノ倉沢出合
この時期は金曜夕方~日曜夕方にかけて車両規制。
登山指導センター~一ノ倉沢出合までは徒歩約一時間。
テントやら食料は一ノ倉沢出合にデポ。



日の出前、一ノ倉沢の上に浮かぶ月をカメラに収めようと写真家がたくさんいました。

雪の無い時期のアプローチは初めて。
ヒョングリの滝付近は右岸から巻いて懸垂下降で再び川床へ。
テールリッジに取り付く。

懸垂点には2パーティー7人くらい。
テールリッジには2パーティーくらい。
後続にはさらに2パーティーくらい。
この時期にはこれでも少ないほうかもしれない。

南稜に到着。
1. K島-T巳
2. I藤-O村-私
という編成で登る。

核心の最終ピッチはT巳さんはフリーでリード。
徐々に傾斜が強くなって最後1mくらいが垂直。
この一手が微妙に難しい。
丁寧にさぐってガバを見つけるべし。


写真はO村さんのリード。

さて、ここからが醍醐味。
国境稜線へ抜けます。

南稜終了点~烏帽子尾根は、脆いスラブ、ルンゼ、笹藪を交えて登る。
残置ハーケンがいくつかあるも、特にロープを必要とする場面はない。
烏帽子尾根からは明瞭な踏み跡が続く。

5ルンゼの頭は脆い岩場。I藤さんがリードでロープをフィックスして全員登る。



天気も景色もいい。
気持ちがいい。

国境稜線はもう目の前。
笹薮の中の踏跡をたどる。

南稜終了点から約二時間。
一ノ倉岳の稜線にでる。山頂で固い握手。





山頂、西黒尾根を経て下山。
巌剛新道途中で日が暮れてヘッデン下山。
マチガ沢出合到着。
T巳さんとはここでお別れ。


19日(日) 変形チムニー

  • 6:30 一ノ倉沢出合出発
  • 8:50 変形チムニー取付
  • 14:30 烏帽子岩直下
  • 17:00 南稜テラス
  • 20:00 一ノ倉沢出合

前日、遅い下山の割りに豪華な料理で宴会を設けたおかげで朝はちと遅い。
再びのテールリッジ。
時間が遅いせいか、前日は待たされた懸垂下降は全然待たない。
懸垂下降中、対岸にはフィックスロープがずっと下流まで張ってあるのに気が付いた。
これはなんだろう?
後ほど下山時にこのロープに惑わされることになる。


編成は、
1. O村-私
2. I藤-K島


  • 1P目(50m):私:
朝イチから少ない支点で多少ビビり気味。
すでに10mくらいランナウトしているのに、『(ロープ残り)あと5メートル』の声。
やばい、、、支点が、、、
あった!
  でもボロい、、、

その2メートル上には立派なペツルが2個。ビミョーに届かない、、、
ボロ支点でセルフを取って、ビレー解除。
何とか伸ばしてペツルから支点を取る。
本当は途中で一回切るべきなのだろう。


  • 2P目(40m):O村:
右の小ルンゼを登るもかなり悪いが執念で抜ける。
変形チムニー手前で切る。


  • 3p目(40m):私:
変形チムニー。
背中、脚、腕を突っ張ってのぼる。
ガバなので登りやすいのだがとにかく窮屈だ。
ザックの中のお菓子がバリバリ割れる音がするよ。
チムニーを抜けてそのまま直登。


この隙間を登ります。中にO村さんがいますよ。


  • 4p目(50m):O村:
トラバースして中央カンテに合流するピッチなのだが。
右上して間違いに気づき、クライムダウン。
正解は下降気味にトラバース。

どこまでトラバースするのか?

O村さんはボロボロの中央ルンゼを詰める。
ロープいっぱい伸ばして尖った石でビレー。
残値のピトンは多数。
でもこのボロさ加減、終了点の貧弱さを考えると登るべきルートではないと思う。

ちなみにI藤-K島Pはトラバースを長くして中央カンテに合流。


  • 5p目(20m):私:
垂壁の一段手前で切る。

  • 6p目(20m):私:

ここが核心の垂壁。
距離で言えば前のピッチから継続できるのが、核心部を前に一旦切る。
近づくと本当に垂直。高さ2mそこそこなのに迫力がある。
真ん中にはしっかりした支点が連打。
左にはピナクル、というかでかいフレーク。

作戦を考える。
ピナクルを使うか?

でもここはしっかりした支点があるし、すぐ下でO村さんがビレーしているので、思い切って真ん中を突っ切る。
右よりのカチを使って一段乗りあがるとそこはガバだらけだ。
腕力で登る。

そのすぐ後、コーナークラック。
このクラックは取りつくも、垂壁で萎えたのでギブアップ。


  • 7p目(50m):O村:
コーナークラックにはしっかり効いたナッツが残置されてある。
レイバックで超える。
そのまま50mいっぱい伸ばす。

烏帽子岩がすぐそこに見える。


  • 8p目(50m):私:
草付きを交えて烏帽子岩下まで。
ここでのセカンドのビレーは景色が最高。
グラビアビレー点としたい。

トポには無いが、ここで懸垂した形跡がある。
様子を見て下降を決める。



  • 下降:
7ルンゼ?に空中懸垂で降り、笹藪をトラバース。
笹藪にはフィックスロープもあった。
懸垂1Pで南稜最終ピッチの取付に出る。
以降、6ルンゼを下降。南稜テラスへ。

O村さんはテールリッジを先に下降。
私はI藤さん、K島さんを待って下降。

テールリッジは初めからヘッデン下山となった。
朝に見た左岸のフィックスロープ。
これで降りられるだろうという判断は間違っていた。
結局登り返して、登ったルートを下山。

一ノ倉沢出合に戻ったのは8時。
先に下山したO村さんは車を回して待っていてくれた。


2008年9月17日水曜日

甲府幕岩

今回のメンバーは、夏合宿パーティーと同じ。

Nリーダー、M女史、私。

お盆の剱岳チンネ左稜線リベンジの予定でした。
剱岳の岩場となるとアプローチに1日、下山に1日が必要。
3連休で出かけても1日しか登れない。
つまりチンネに賭けた山行というわけだ。

それだけに天気予報がちょっとでも悪かったら中止ということで。



、、、そしてあいにくの天気予報。


転進先は甲府幕岩でフリークライミングということになりました。
期間短縮、日曜と月曜の2日間で。



この3人とボロテントの組み合わせといえば。。。
やっぱり来ました。夜中に雷雨。
どこまでも縁のある雷雨。剱のタタリか?

でも雨足は剱の雷雨に比べたら屁のツッパリにもなりません。


さて、肝心の登攀内容ですが。

私、フリークライミングはからっきしです。
T-wallの5.9落とせてませんから。
そもそもフリークライミングのゲレンデでしっかり登るのは2回目かな。

■成果
まずはウォーミングアップでナベちゃん。
クラックでもフェースでもいろんな登り方が可能。

イエローマウンテンは、甲府幕岩でも代表的なルート。

HIVEのフラッシュは快心の出来!

ペンタゴンはオンサイトを狙うも、途中で立ち往生。
パンプして終了。一便目でムーブをさぐったおかげで、二便目でレッドポイント。
やっぱりオンサイトって難しいな~
それだけにあこがれる。

振り返ってみると、登ったのは傾斜の緩いのばかりだ。
傾斜がきついのが登れないのは効果的なムーブが出来ていないからかな。
インドアの人口壁より、外岩のほうが登れているのも傾斜の問題だな。
概して人口壁では外岩より傾斜がきついから。



■用語の説明

5で始まる数字はフリークライミングのルートの難易度を示す。
5.8, 5.9, 5.10, 5.11...と数字が増えるごとに難しくなっていく。
ちなみに、5.10からは各グレードa,b,c,dとさらに細かく4段階に難易度が分かれている。
グレードに勝手に目安をつけてみるとこんなかんじ。
  • 5.8: 初心者が始めてクライミングをやって、打ちのめされるグレード
  • 5.10: クライミングが楽しくなって熱心に練習するようになった頃に登れるグレード
  • 5.12: 憧れのグレード
  • 5.14: これが登れたら世界でも一流のクライマー
フリークライミングでは難易度のほかに、あるルートに対して最初のトライで登ったかどうかということも重要な指標になる。登ったというのは、リードクライミングにおいて墜落・テンション無しに登りきるという意味。
こういったスタイルをあらわす言葉は、
  • オンサイト: 事前情報が無い状態、つまり初見で登りきること。他の人の登るのを見て参考にするのはオンサイトではない。
  • フラッシュ: 事前情報がある状態で、一回目のトライで登りきること。
  • レッドポイント: 2回以上のトライで登りきること。時には数十回、数百回のトライも。




2008年8月21日木曜日

剱の裁き

雪と岩の殿堂剱岳は、雨と雷の殿堂でもありました。

お盆休みで行った剱岳。
合宿という位置づけで4パーティー計9名が剱岳入り。
パーティーごと期間やベースを変えて入山。
終盤は同じベースに3パーティー7人が集結。
同じ釜の飯を食った。
これぞ合宿の醍醐味。


剱岳


私が入ったのは、13日(水)~17日(日)の4泊5日。
Nリーダー、M女史、私の3人パーティー。

そしてこの期間中、ずいぶんと雨に祟られました。
時間にして4分の3以上雨が降っていたのではないかな?
しかも猛烈な雷雨がほとんど。
ボロテントでずぶ濡れになって惨めに過ごしたのもまた思い出。



■8月12日(火) 晴れ
  • 都内を夜8時半に出発。いつもより早めの出発。
  • 豊科ICは11時30分に降りる。ETC割引より時間を優先した。
  • 扇沢の駐車場は意外に空いている。つかの間の睡眠をとる。


■8月13日(水) 晴れのち雨
  • 立山黒部アルペンルートを経て室堂へ。ベースに向かって移動を開始する。
  • 正午、無線にてS-Mパーティーと交信。S-Mパーティーは1日早く剱岳入りしていた。チンネ左稜線終了点にいるという。
  • 真砂にベースを構え、この日は夜中の1時に行動を開始したとのこと。長次郎谷ですれちがい情報交換。
  • 午後3時くらいから雨に降られる。雨は一晩中続く。


■8月14日(木) 雨-雷雨
  • なんだかパッとしない天気。行動開始はヘッデン無しで行動できる朝4時40分。チンネ左稜線を目指す。
  • 池ノ谷ガリー、三の窓を経て左稜線取り付きへ。ここで無情の雨。
  • 他のパーティーは全員退散。我々も名残惜しみながらベースへと戻る。
  • 昼過ぎから猛烈な雷雨。10分程度の雷雨が何度も何度もやってくる。ボロテントの中は水浸し。
  • 4-5人テントに7人入って晩御飯のカレーを食べる。


■8月15日(金) 濃霧-晴れ-雨
  • 濃霧のためチンネ左稜線リベンジをあきらめる。
  • 午前中に天気が回復したので八峰Ⅵ峰Aフェースに向かう。取りつきで雨に降られる。Ⅲ級の壁がフリーで抜けられない。濡れているからということにしよう。
  • 夕飯準備中にまた雨。7人でマーボー春雨を食べる。

右からⅥ峰A, B, C, D峰


■8月16日(土) 雨-晴れ-雨
  • 登攀できる最後の日。やはり雨でチンネ左稜線は無理。
  • 午前中に天気が回復したので八峰Ⅵ峰Cフェースに向かう。
  • 下山時にはまたまた雨。ずっと雨。夜は雷雨。

今日は源次郎尾根もきれいに見える


A峰と長次郎谷


■8月17日(日) 雨-晴れ
  • 下山。
  • 雨が降ったり止んだり。ときどき日が差す。
  • 室堂発13:00のトローリーバス。
  • 黒部ダムの辺りではすっかり晴れている。
  • 温泉は薬師の湯、飯はすきや。
  • 帰京。


~ 雪渓の状況 ~

長次郎谷は熊の岩までは雪がびっしり。熊の岩より上方ではクレパスが大きく開いている。一見危険そうだが、実際は浅く、踏み跡もしっかりしている。上部は斜面が急になるが、12本爪のアイセンを蹴りこんで、ロックハンマー代わりに用意した沢バイルをついて容易に登ることができる。4本爪アイゼンなど前爪のないアイゼンを用意した人は下山で相当苦労していた。ここは重くとも前爪のアイゼンを用意したほうが無難だ。


~ 気温 ~

思いのほか寒い。軽量化を優先して寝具はシュラフカバーのみ。衣服については、上は薄手の長袖と防寒用の羽毛服下は薄手のパンツのみ。ちょっと寒かった。毎日カッパを着用して寝る。カッパを着用したのはテントの中がびしょ濡れだからという理由もあったが。。。
最後の晩にちょっと油断。羽毛服をびしょびしょに濡らしてしまった。でも他に着るものが無いから着干しで。体が濡れて寒い。カッパの外に着ればよかったのかな。


~ 事故・ヒヤリハット・その他 ~
  • K嬢、指に落石を受ける。幸い小石だったが、鋭利だったのでスパッと裂傷。治療を受けるも、これにてクライミング終了。
  • M女史、巨石を抱きかかえて墜落。フォローだったので大事には至らずも脚に打ち身、擦り傷多数。
  • Nリーダー、池の谷ガリーで岩雪崩に巻き込まれる。
  • 私、ヌンチャク残置。翌日回収。

~ 感想 ~

とにかく雨また雨そして雨。
これでもかというほどの雨。
空に悪態をつけば今度は雷雨。
富山では床上浸水があったそうな。
こちらはテント内プール状態。
テントで溺死なんて洒落にもならないのでバケツリレーで水をかきだす。

我々3人パーティーより先に入っている3パーティーは皆チンネ左稜線を登っている。
NリーダーもM女史も、チンネ左稜線に数年来の思いを込めて剱岳にやってきた。
それでもこの仕打ちか。
またくるぞ。


2008年8月4日月曜日

幽ノ沢中央ルンゼ

幽ノ沢中央ルンゼに行ってきました。
幽ノ沢は谷川岳に突き上げる一ノ倉沢のとなりの沢になります。

土曜夜発、日曜日帰り。泊まりはホテル谷川(通称)で荷物は最小限に。
1台の車に7人乗りという離れ技です。

都内発が夜9時前。
谷川入り11時過ぎ。
ちょっと飲んで翌朝は6時前に出発。幽ノ沢出合に移動です。

すれ違ったクライマーの情報によると、出合からすぐの雪渓の状態が悪いらしい。
彼らは一ノ倉へ転進。我々は見てから判断ということで。

幽ノ沢出合からは展望台と呼ばれる小ピークが見える。




雪渓の状態が悪い場合はこの展望台に一回登って懸垂下降で沢に降りるとのこと。
覚悟はしていたのですが、偵察の末、沢通しで歩くことができました。


いつ崩れるやも知れぬ雪渓。危険な箇所は短いのですが。


雪渓の先には大滝が。ここはノーザイルで抜ける。


大滝の登り。完全に沢登りですね。



大滝を抜けた二股は左へ。ここはロープを出してユマーリング。

きれいな小滝が連続して沢登りの気分。
濡れたくないので全部巻きますが、、、

釜がある小滝を左から巻く。
その後延々と藪漕ぎ。
これでもかというくらいの藪漕ぎ。
稜線に出ちゃうんじゃないかというくらい藪漕ぎ。
沢の詰めでもないのに。。。
これから登るのに。。。

木に登って藪の隙間から右手の沢を覗き込むとなにやら雪渓が見える。
沢は雪渓で埋まっているようだ。

さらにひたすら藪を突き進むと急に視界が開ける。
なんとそこはカールボーデン途中。
眼下には雪渓。
すぐ目の前には滝沢大滝。
中央ルンゼはすぐそこ。
見事なアプローチ藪漕ぎ。


今までのクライミングとなんか様子がちがう。
うるさい虫がいない。
涼しい。
空にはたくさんのトンボ。
ほんのちょっと蒸しているのをのぞけば秋の天気のようだ。


取り付きまでは傾斜の緩いスラブを登る。
取り付きは短い垂壁のすぐ手前。
傾いたテラスでロープを結ぶ。
編成は、
  • K嬢 - I原氏
  • Nリーダー - G姉
  • I先輩 - S姫 - 私

3パーティーで中央ルンゼを攻める。


補強用に打ったハーケンは抜けないので残置しました。
しっかり効いているのでお使いください。


I先輩 - S姫 - 私の3人パーティーは最後尾。
核心手前までは私がリードすることに。

1P目、短い垂壁。
ここはライン取りで難易度が大きく変わりそう。
先頭のI原氏はテラスから直上、垂壁の中では左端を登った。
ちょっと悪そう。
私はテラスから右に出て垂壁の中央やや左を登る。
丁寧に登らないとちょっと恐い。
支点のカムもあんまり効いてなさそう。

フォローのビレー。
2人同時確保は実は初めて。
ロープがぐちゃぐちゃです。


2P~4P、スラブ。
傾斜が緩くて難しくはないんですが、超ランナウト。
緊張します。
ちなみに3P目はノーピンです。


ハーケンの打ち方で反省。
Nリーダーが補強用にハーケンを打った。
その同じリスにハーケンを打ちました。
ハーケンがちょっと厚かったんですね。
リスが開いてしまい、Nリーダーが打ったハーケンが抜けてしまいました。
足場が安定していたので大丈夫でしたが。
同じリスには打たないようにしないと。


ここでI先輩にトップ交代。
核心よろしくです。



大ハング下、右へトラバースしてカンテを登るんですが。
先行パーティーのK嬢、痛恨のルートミス。クラックの入ったフェースを直上。
なのに神がかり的なリードで登ってしまった。

I先輩も同ルート直上。
私はフォローでも登れませんので右にトラバースです。

核心のA1ピッチを抜けて、あとは緩いスラブをちょっと登って終了。午後4時。
ずいぶん時間がかかってしまった。

堅炭尾根、芝倉沢を経て下山。
芝倉沢は雪渓が残っていたが、幸い危険な箇所はなかった。
なんとか明るいうちに芝倉沢出合に到着。午後7時。

ヘッデンで一ノ倉沢の駐車場まで戻る。駐車場を出たのが8時過ぎ。
楽しみにしていた温泉も抜きで帰京。
それでもG姉の終電には間に合わなかったよ。


7人で1台の車に乗った甲斐がありましたよ。
交通費は往復で2,200円。
もちろんETC割引もフルに活用。
ガソリン180円オーバーの時代にエコノミーですね。
エコノミー症候群には要注意ですが。




2008年7月29日火曜日

北岳バットレス

北岳(3,192.4m)は、富士山に次いで日本で2番目に高い山。
その東面に位置する北岳バットレスに登ってきました。

北岳バットレスといえば第四尾根が有名ですが、その有名さゆえ常に大混雑。
相当な待ち時間が発生し、最後まで登れずに途中で引き返すこともしばしばあるという。

そんな大混雑の第四尾根を敬遠した今回の山行。

以下、大まかな行程。

7/25 移動
  • 22:20 都内発
  • 25:00 芦安温泉着、野宿
  • 26:00 就寝
7/26 北岳入り~取り付き偵察
  • 5:40 広川原行きバス乗車
  • 7:30 広川原から行動開始
  • 9:30 白根御池小屋付近でテント設営
  • 12:00-14:00 dガリー取り付き偵察
  • 15:00 白根御池小屋に戻る、夕飯など
  • 19:00 就寝
7/27 バットレス登攀~下山~帰京
  • 1:00 起床
  • 2:00 出発
  • 2:20 二股に荷物デポ
  • 4:30 dガリー取り付き
  • 5:00 登攀開始 dガリー~下部フランケ~上部フランケ
  • 13:00 稜線に出る
  • 14:20 二股で荷物回収
  • 16:30 広川原到着
  • 17:15 芦安温泉行きバス乗車
  • 18:30 芦安温泉~帰京




北岳は大きいですね~


広川原~山頂の標高差1,650m。
最終日はクライミングを終えた後、1,650mの下山が待っている。
しかも最終バスの17:15というタイムリミットつき。

直前のトラブルで1名不参加につき3人パーティー。
ベテランN氏のほかは、K嬢と私ともにアルパイン1年生。
元(現役?)フリークライマーのK嬢は歩きが苦手(特に下山)。

不利な要素が重なる。


タイムリミットがある以上、時間を前倒すしかない。
とはいえ、真っ暗での登攀はあまりに危険。
いろいろ計算したうえで1時起き2時出発と決定。
取り付きで準備を終えて夜明けを待つという作戦。

速やかに取り付けるように土曜日は取り付きまでのアプローチを偵察。
日曜日は真っ暗な中でのアプローチになるので偵察は入念に。
特に雪渓の様子は把握しておかなければならない。

実際、雪渓は取り付き地点のすぐ手前まであった。
どこで雪渓を越えるかは重要なポイント。
下手に薄い箇所を通過すると崩壊してシュルントにまっ逆さま~
ということになりかねない。
通過しやすい箇所を見つけてステップを切っておく。

いやはや。
この偵察は実に有効だったねぇ。
当日とか真っ暗ななかで雪渓の偵察なんかしてたら危険だし、それだけで30分や1時間のロスだもの。

偵察を終えた土曜日は、さっさと夕飯食って寝る!



翌朝、、、というか夜中。
簡単に朝飯を済ましてテントをたたんで2時には出発。
それでもなんと、ガイドパーティーに僅差で先を越された。
はやぃ、、、

北岳はこれが普通なのかな?
このパーティーは第四尾根に登るとのこと。

ヘッドランプで真っ暗な中をアプローチ。
星がきれい

偵察してるし真っ暗でも問題ない!
といいつつ、道を間違える私。。。
N氏の指摘がなければクライミングせずに登頂してしまうところでした。

順調なアプローチ。
日の出前に取り付き到着。
ご来光を拝んで、5:00登攀開始。


3人なのでN氏がダブルロープでリード。
K嬢、私が1本づつのロープに引かれてフォローで登る。

時間との勝負!
フォローはなんでもいいからスピード重視。

dガリー1P目は、ロープめいっぱい伸ばす。
2P目緩傾斜帯はコンテというか、、、3人同時に登って時間を稼いで下部フランケへ。


標高を上げたところで富士山が顔を出す。

下部フランケ出だしのスラブ。
ちょっと難しいのでA0でガシガシ登る。
クラック、凹角がもりだくさんで楽しい。

dガリーにトラバースして下部フランケ終了。9:30。
継続登攀のルートとして当初予定していたdガリー奥壁は難易度が高く時間的に無理そうなのでヤメ。
いくぶん易しい上部フランケへと変更。

とはいえ、その取り付きがよくわからない。
悩んだ末に、右上してみる。
なんと1P登ったら、そこはすでに上部フランケの中間部であることが判明。
結局、上部フランケの取り付きはわからなかった。


目の前にはマッチ箱。ここで第四尾根と合流。

12:30クライミングを終え、3人で固い握手。
稜線に出て、山頂往復10分程度も時間を惜しんでここはパス。
山頂は次回までおあずけ。
あとは1,650mの下山。

駆け下りるように下山。

そして広川原まであと10分という場所で夕立にやられました。しかも強烈な。
これはまずいと思ってカッパを着用するも、、、
すでにパンツの中までびしょ濡れダァ。
久しぶりに山中で大雨を食らいました。

しかも普段ザックカバーを持ち歩かないものですから(沢のクセで)。。。
ザックはたっぷり水を吸ってしまいました。


夕立は夕立らしく。
広川原に着く頃にはすっかり止んでいましたケド。


終わってみれば、本格的なアルパインクライミングをこなしたという満足感。
偵察の効果もさながら、とにかくN氏の神がかり的な時間の読みが見事的中したこと。
臨機応変にルートを変える柔軟性と判断力。
それでも読めない自然現象。
そしてなにより最終バスに間に合ったということ。


山登りは奥が深いなぁと、
あらためて思った山行でした。


2008年7月23日水曜日

2泊3日錫杖岳

海の日の3連休で山へ。
錫杖岳でクライミング。

谷川岳でアルパインの厳しさに打ちのめされたのが2週間前。
日帰りでさえも厳しいのに連日なんて。。。


予報では天気は心配なさそう。
金曜夜発。平湯のあたりで野宿。
槍見温泉~笠ヶ岳登山道を20kg以上の荷物を担いで約1時間半。
これから登る錫杖岳を横目に灼熱の登山道を汗ダラダラで登る。



出だしが遅いので懸念したとおり。テン場付近到着が9:30。
めぼしをつけていたテン場はすでに満杯。
第2候補もほぼ満杯で、あまり平らじゃない場所に何とかテントを張る。



準備をして、いざ出発!
目指すは左方カンテ。


メンバーは6人。
ベテランのNリーダー、
若手エースのI氏、
フリークライマーから転身のK嬢、
スーパーウーマンS姫、
岩稜の女王M女史、
へなちょこの私。

2人1組の3パーティー。
みんなで左方カンテを目指す。

1日目

さすが人気ルートの左方カンテ。
渋滞中。順番を待つ。
いい天気なのでとりあえず穂高を眺めながら待つ。



結局我々トップのI氏、K嬢ペアが取り付いたのが12時くらい。
S姫と私のペア。2番手で取り付く。

このルートは最近整備したとのことで、古いものや無駄な支点やロープは全て取り除いたとのこと。
クラックにはほとんど残置支点は無く、ナチュラルプロテクションつまり自分で支点を工作して登らなければならない。
それでもフェースにはたくさんリングボルトがあり、登りやすくルートが設定してあるようだ。


前半の核心部である3ピッチ目はリードで登る。
課された御題はフリー抜ける!

フリーとは岩を手足だけで攀じるという意味。
支点にかけたスリングを掴んだり、支点そのものに足をかけたりしないで登るということ。

ここは、露出感があって恐怖をそそる。
難しいのは支点の乏しいフェースでのたったの一手。
あらかじめ読んでいたトポ(ルートガイド)によるとフェースの出口にはガバ(ガバっと掴めるホールド)があるはず。
下から眺めてガバにめぼしをつける。
小さなスタンスにそぉっと乗り込んでガバを掴む。

ぅ~ん、快感!

あとはガバだらけ。
フリーで抜けることができたぞ!




K嬢、5ピッチ目を登るの図

ここは快適なフェース。支点がいっぱい。
K嬢、ランナーーとりすぎてロープが流れなくなっちゃいました。
傾斜が緩んだところの立ち木でビレー。

そんな一部始終を見ていた私はロープの流れには気をつけてみる。
ロープの流れが調子よくて、つぎの短いピッチもあわせて大テラスまで一気にリードしてみた。
トポでは計60mのルートになってるが、50mロープで余裕があるくらい。

で、大テラスは大渋滞。これから登るパーティーと、懸垂下降で降りるパーティーとでごった返し。
まだまだ時間がかかりそう。眠い。。。

そしてここからピッチがルートの核心になります。



リードはS姫。
出だしのチョックストーン越えにちょっと手間取ったけどホールドを見つけると、あっという間に乗り越える。
支点が少ないフェースもカムを華麗に使って攀じる。
左に廻ったスラブは支点なし。
難しくはない斜面とはいえ支点がないと思い切たムーブができないのだけど。
S姫にはそんなのカンケーないようで。
登り終わった感想は、『超快適~』だそうだ。

このピッチで切り上げて後は懸垂下降で降りる。
降りたところで午後7時。
テン場に戻った頃はすでに真っ暗でした。
近隣のテントの皆様、夜遅くご迷惑をおかけしました。

2日目

当然、朝の出発も遅く、近隣の方々より出発準備1時間遅れる。
いざ出発と思いきや、
雨が。。。
雨が降ったら岩は登れない。
先に出発していた方々も戻ってきました。

ということで1日暇に。(でも雨は2時間後に止んですっかり晴れました)

なので、いちど麓に下りて温泉ツアー。
まったりの休養日。

晩飯くって、3時起きを誓って早めに寝る。


3日目

3時15分起き。
まだ真っ暗。

朝飯パスタを食って、5時前に出発。1ルンゼへ。
いつもノロマな我々には上出来!

6時前に1番で取り付き!
これも上出来。

さて、1ルンゼは奇数ピッチが簡単で、偶数ピッチが難しい。
しかも、アブミ(縄はしご)ルートがあります。

昨日と同じくザイルパートナーはS姫。
私は当然奇数ピッチ。

1ピッチ目に初めてカムを使いました。
5ピッチ目は微妙なトラバース。
トラバース中は支点を1個も取れず。
これって、リードよりフォローが恐いんだよね~
ごめんなさい。。。

6ピッチ目はアブミルート。S姫リード。
私は外岩初アブミ。ロープがいっぱいで混乱だよ~

8ピッチ登って懸垂で下降。
全部出し切った感じ。
大満足。

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概して、錫杖岳は谷川岳に比べて岩がしっかりしている。
支点もしっかりしている。
フリークライミングのゲレンデみたいに安心して登れてすごくいい。
楽しくなってきた。