2009年3月23日月曜日

鹿島槍北壁 アプローチ編

鹿島槍北壁をかすめてきました。
滑りじゃないですよ。もちろん。

そもそも鹿島槍北壁に興味を持ったのは、故・新井裕己氏の正面ルンゼ滑降(2002/04/11)という偉大な記録をまのあたりにして、いったいどんなところを滑ったのか見てみたいと思ったのがきっかけです。あつかましくも私にも滑れるかどうか偵察も兼ねた山行です。鹿島槍北壁は広く、リッジ、ルンゼが幾重にも伸びているが、概して下部は急な岩壁、上部はいくぶん傾斜が緩んだ氷雪壁といったところ。上部の氷雪壁を滑ったとして、どうやって下部の岩壁を抜けるかが課題だろう。氏はクライムダウンで降りている。

ふと盛り上がった鹿島槍北壁登攀に参加させてもらうことになりました。リーダーS山さん、S津さん、M中さん、私の4人で鹿島槍北壁主稜を目指しました。ところが実際は目指した主稜は遠く、取り付きを間違えて違うリッジを登ってしまいました。そこはピークリッジと名のついたリッジのようです。鹿島槍北峰には至らず、荒沢の頭よりちょっと手前の天狗尾根にぶつかるリッジですが、とくに難しい箇所はなく、初級ルートといったところでしょうか。北壁入門にはちょうどいいかも?4人という大所帯だったこともあり時間がかかってしまいましたが。

主稜の隣に位置する正面ルンゼはあまり良く見えずも、稜線は大きく雪庇がせり出している。2箇所くらい雪庇の切れ目はあるが、エントリーは難しいだろう。ピークからのエントリーとなるのか。


■3月20日(金)雨のち晴れ
9:30鹿島槍スキー場大谷原駐車場~12:00荒沢出合~17:20天狗の鼻(泊)


三連休初日は雨でのスタート。雨は朝のうちだけの予報なので、すき家で朝食がてら雨宿り。雨足が弱まったのを見て大谷原に移動して出発。北壁へのアプローチは天狗尾根。天狗尾根に至るには川沿いを歩き、数回の渡渉が必要となる。我々4人は沢靴を用意して川をそのまま遡上。沢初めだ!
冬山のアプローチに沢靴を使うなど、いったい誰が編み出したものか。効率がよいかどうかは別として、アクセントが効いてなかなか楽しめた。もちろん足は冷たい。沢靴での遡上中は、渡渉や巻きで苦戦している数パーティーを追い越したが、靴履き替えなどの間に軒並み抜かされてしまった。荒沢の出合に沢靴をデポする。天狗尾根には変な場所から取り付いたせいか、はじめからアイゼンを装着して泥壁を登る。ロープを出したせいもあり、だいぶ時間をくってしまった。

尾根をたどると、程なくして先行パーティーのトレースを発見。ありがたく使わせていただく。

朝方の雨は、上部では雪だったよう。新雪がついている。

第一クーロアールもトレースがバッチリなのでロープなしでも登ることができる。それにしても先行している人たちはアイゼンすら装着した形跡がない。先頭の2人は体力もさることながら、技術も超一流ということだ。この日1000m以上の標高差はこのトレースのおかげということだ。

暗くなるちょっと前に天狗の鼻に到着。けっこう時間がかかったので偵察はなし。しかし北壁は良く見える。

風が強く寒い。寒冷前線が抜け、一時的に冬型の気圧配置になっている。翌日は高気圧が張り出して晴れるということ。クライミング日和になりそう。


翌日へ続く

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