2008年12月21日日曜日

ガラガラ沢を下まで

21日は冬至。
いざ冬本番へという節目の日なのに。
なんかおかしいです。天気。
すごく暑いです。



前線にそって南風が吹き込みます。
ちょうど日本海低気圧が春一番を吹かせる原理と同じ。
山は、まるで春。

週末は、土日とも八方尾根周辺。
2週間前より雪はだいぶ少ない。


12月20日(土)晴れ 無名沢周辺~ゲレンデに戻る

メンバーはM浦さん、F神さん、私の3人。
すごくいい天気。

雪は、新しく積もった分はないが、斜面を選べばパウダーにありつける感じ。
2361まで登ってピットチェックしてドロップ。
600m近く標高を落として上り返す。
雪はなかなかいい。
もう一本短めに滑ってゲレンデに戻る。

夜、雪崩にくわしいU竹さんが合流。
翌日の作戦会議。


12月21日(日)晴れ ガラガラ沢

天気が持つのはせいぜい午前中。
短いルートを1本と決める。

前日の情報によると、ガイドパーティーはガラガラ沢を滑っていて、なかなかよかったとのこと。
この雪の量で沢を下まで滑るという判断はなかなかできるものではないが。
そこはさすがにガイドだ。

ガラガラ沢に決める。


ゴンドラ前の一枚。
ビンディングに注目。

右から、ナクソー、ディアミール、TLT、バロン。
揃いましたね。山スキーのビンディングが。


いざ歩き出すと、南風が強くて暑い。
前日よりもさらに雪が減っている。
パウダーは望めないだろう。

八方山からエントリー。
ガラガラ沢までは、パウダー、重いパウダー、アイスバーンのMix。


ガラガラ沢のエントリーは慎重を期す。

ガラガラ沢の上部はいい感じで雪がついていた。
重めのパウダー。



下部はデブリの処理。




さらに下部は沢が出ている。


それでも何とか南股入までは滑っていける。
渡渉して、林道歩いて12:15分二股到着。

天気はかろうじて持ってくれた。




2008年12月19日金曜日

ディアミールの使い心地

愛機のVector Glide SHIFTですが。
今シーズン、アルペンビンディングからディアミールフリーライドプラスにつけ替えました。ディアミールなど山スキー用ビンディングは、何かと滑走性能が劣ると言われていますが。フリーライドプラスはその中でも滑りを重視したモデルということですが果たしてどうなのだろうか。


ビンディングを替えてから、今回初めてまともにゲレンデを滑ったということもあり、いろいろと違いがわかってきました。ということで考察してみます。

あくまで私の主観で、ゲレンデに限った話ですが。



~いきなり結論~

ディアミールとアルペンビンディングではフィーリングが全く違う。ゲレンデではやはりアルペンビンディングのほうが板の性能を引き出せている。しかし特性を理解して滑ることで、ゲレンデでも充分支障のないレベルまで持って行ける。


~ディアミールで滑った印象~
  • 荷重した後の板の反発が少ない
  • かかと付近の荷重が板に伝わらない
  • 大きく角付したときに、ブーツ直下の足裏(エッジの接地)感覚がなく、遠心力方向に板が流される
基本的に板がうまくたわんでいない感じです。


~考察~

まずは、ディアミールの構造からおさらい。

ディアミールは、トゥピース、ヒールピース、エンドピースの3つの部位と、各部位をつなぐプレートからなります。トゥピース、ヒールピースはゲレンデ用と役割は一緒。トゥピースとヒールピースはプレートに連結されtていて、滑降時はエンドピースの操作でプレートと板を固定します。このとき、トゥピースとエンドピースはしなりの無い1本の棒で連結されるわけです。そしてトゥピースのかかとが乗る位置とエンドピースのプレート固定部の間隔は約 10cm。

私が普段の滑るときのイメージは、かかと荷重。かかとを外側に押し出しながら、かかと中心にピボットです。かかと付近で荷重が集中し、スキー板のたわみが極大になるイメージです。ディアミールでは荷重はプレート全体に伝わるので、1点で荷重というのはほぼ不可能。効率よく板をたわませるためには、トゥピースとエンドピースの中間点に荷重をかけないとダメ。そしてそれはブーツセンターとかかとの中間くらいになります。

で、
  • 重心を少し前に持っていく
  • 角付は小さめに
  • 板は体に近いところにキープ、重心の真下から離さない
ということを意識していれば、ほとんどの場面で支障は出なさそうです。


実は、滑りにおいてマイナスばかりではないようです。
板の反発が少ないというのは、考えようによってはGood!
反発が強いとパウダーに沈むとすぐに雪上に跳ね上がり、パウダー内で長いエッジングができなかった。結局小回りしかできなかったわけで。(大回りできなくはないけど、小回りが一番バランスが良い)今は、長いエッジングで大回りを楽しめるようになりました。


2008年12月16日火曜日

テレマーク体験

日曜だけで山に滑りに行く予定でしたが、雨の予報で中止。
飛び入りでゲレンデ企画に参加させてもらいました。

メンバーは、ハニワくん、しょうさん、さかいさん、私の4人。
私以外はみなテレマーク。

場所はアサマ2000。
この時期、ほかのスキー場は雪不足のなか、いい感じで真っ白でした。
普段、山でしか滑らないので1日中ゲレンデを滑るスタミナあるかどうか不安な感じでしたが。
前日に餃子たらふく食べたから大丈夫。



で、ちょっとした会話から、さかいさんと道具をチェンジして滑ることになった。
つまりテレマーク。

初です。


↓こんな感じ。


生後間もない小鹿ちゃん?
後ろ足のポジションがうまく決まらない。

なかなかおもしろいですテレマーク。


2008年12月8日月曜日

八ヶ岳

すべらない週末。

八ヶ岳に冬期クライミングに行ってきました。
会の雪山初めということで、総勢14名が行者ベースに集合。
1名が日曜のみ集合。
各々が毎日パートナーを替えての2日間の登攀を楽しみました。

私はというと、実は冬のマルチピッチは初めてなのですが。
土曜日は、リーダーN島さんに引っ張られて赤岳主稜に挑みます。
日曜日は私がリーダーで阿弥陀岳北稜。

事前に得た情報によるとかなり雪が多いらしい。
北稜はラッセル敗退もあり得るとのこと。
で、ワカンも持参。(ベースにデポしましたが)

それにしても寒い。寒すぎ。
さすが八ヶ岳。

晴れても吹雪いても寒い。
これぞ八ヶ岳。

雪山初めに多くの人が集う場所。
それが八ヶ岳。


12月6日(土)曇り-雪 赤岳主稜

八ヶ岳って冬型の天気のときは晴れるんじゃ?
土曜は冬型のはずなのに視界がない。風もある。
あとで確認したら、天気図、等圧線が日本海で乱れてますね。
典型的な冬型とはいかなかったらしい。



6時半ころ美濃戸口出発。
7時半くらいに美濃戸発。
9時半くらいに行者小屋に到着。
テント装備をまとめてデポし、赤岳主稜に向かう。

視界がなく、主稜は見えたり隠れたり。
全貌が見渡せない。
これから登ろうとしているのは一体どんな場所なのだ?

取り付きまでちょっと迷ったりしたが、
ガチャを装備してロープ結んで12時の無線交信を終えていざ取り付き。


これが取り付き支点と残置スリングが見えたのでわかった。

出だしのチョックストーンにかかっている残置スリング。
きっちり決まっているのを確認して迷わずA0。
岩にアイゼンの爪を立てて登る。


登攀に関しては岩が脆いことにさえ注意すれば難しいことはない。

敵は寒さ。
ガタガタ震えながらビレー。
登攀中は腕を上にあげてるもんだから腕の血の気が引いて痛いほどに冷えまくる。
登っているときに考えていたことは「早く終わらないかな~」と、ただそれだけ。

そして、なんといっても手袋をしたままのロープワークがめんどい。
いちいち手袋がカラビナに挟まる。
終了点作るのにどれだけ時間がかかったことか。

それにしてもN島さんは作業が早い。
ロープの流れが止まるとすぐにビレー解除の合図。
するするとロープがあがって登攀開始の合図。
かるく数分の差がここで出る。

冬はとくに素早さが大事。
身にしみて実感。

ときおり霧が晴れたときに見える赤岳山頂。
もう少し!

3時の無線交信。あと1ピッチか2ピッチと伝える。
実際はコンテで5分くらい歩くと山頂だった。


登攀中は写真撮る余裕ないです。
とりあえず山頂で一枚。

ようやく落ち着いた。
ちょっと食べ物をほおばって。
滑るように下山。
行者小屋到着4時ごろ。


さて泊まりなんですが。
テントはゴアエスパース。
ゴア素材なので外張もフライもないタイプ。
寒いぞ!八ヶ岳でこれはやばいかもしれない。

4人で中ガス2個。
普通の1泊なら水を作っても間に合うガスの量なのに。
水場はあるから水作りはしないのに。
暖房で使っていたらみるみる減ってしまった。
ガスのみならず、酒が減るのも早い。

なので寝る。


12月7日(日)ピーカン 阿弥陀岳北稜

すっごい晴れている。
雲ひとつない。
移動性高気圧だと。



メンバーは、
私がリーダーで、K島さん、T巳さん。
みな初心者ゆえ、北稜へのアプローチを知らない。
会では、ほか2パーティーが北稜入りするので連れて行ってもらおうと思ったら。
『迷うのも経験』ということで放り出された。
さてはラッセル泥棒を目論んでるな?
   、、、とは決して思っていない。

ともかく出発。
まずはトレースを追う。
トレースは中岳沢を一直線に登っている。
目指す北稜は、右手の尾根のもう一本向こうの尾根だ。
中岳沢途中で意を決して右手の尾根に向かってラッセル開始。
尾根を越えて北稜を眺める。
視界がいいのが幸いした。
ジャンクションピーク(JP)らしきものを見つけたのでそこに向かってラッセル。

ラッセル中に日が昇る。

JPらしき場所に着くも、そこがJPなのか半信半疑。
あとで調べたらそこは間違いなくJPだった。

稜線を歩いて岩峰に取り付く。
この日はK島さんとT巳さんにロープを結んでもらい、私は中間で悠々ユマーリング。


写真を撮る余裕もアリ。


K島嬢余裕のポーズ。

岩峰は2ピッチで終了。
あっけなく終わった。




阿弥陀岳を登って赤岳まで足を伸ばす。
下山中は、前日に登った赤岳主稜がばっちり見える。


中央右よりの稜線が赤岳主稜。

充実の2日間。

それにしても靴が足に合わなくて痛い。



2008年12月4日木曜日

雪崩

実は、勤労感謝の日の3連休、立山にて小規模ながら雪崩に流されました。一通りの報告を終えたことと、JAN主催のアバランチナイトに出席して雪崩の危険性を再確認したタイミングで、ここに報告したいと思います。

無事だったから言えることなのですが、山スキーは楽しいだけじゃないということをシーズン初めにして身をもって経験できたことは安全意識を高める意味で良かったと思います。



  • 発生日時:11月24日午前11時ころ
  • 発生場所:雷鳥沢の二つ東隣の沢上部
  • 状況:
トラバース中、ソフトスラブ雪崩発生
約5m流される。
幅:約5m、厚さ:約10cm。
傾斜:20~25度

  • 状況詳細
雷鳥沢を滑り終えた後、もう一本別の沢を滑るということで1時間程登り返す。登っている最中には、数人が滑り降りていった。

登り終えた後、I井さん、N村さん、私が広い稜線上のほぼ同じ場所で、M野さんはさらに10mほど登り、スキーヤーズレフト側に移動した場所で準備をする。

滑る準備を終えたI井さん、N村さんは先に滑り出す。雪崩は、私が斜面を確認するため左にトラバース気味に滑り出したときに発生。目眩がしたようにふらついて尻もちをつく。

視界には立ち木などの目標物も少なく、ちょうど日が陰っていて斜面の凹凸がわからない状況で、自分が流されているのに気がついたのは左手上方でまだ準備をしていたM野さんが遠ざかっていくのがわかったとき。

「雪崩だ!」と叫んだときにはすでに流れる速さは遅くなっていて、5mくらい流された時に立ち上がることができ、滑って逃げる。雪崩はそこで止まったもよう。

斜面はM野さんがいた付近数メートル下からわずかながら勾配が急になり、雪崩が止まった付近でやや緩やかになる。


  • 天候
前日は日中雪。夜は雲ひとつない天気。
風は終日それほどない。
積雪はテン場付近で20cm程度。
当日朝は晴天。徐々に雲が広がってきた。
剣御前小屋付近は風やや強い。


  • 積雪の状況
朝8時ころ、雷鳥沢横を登っているときに行ったピットチェックでは、15cm、30cmの深さに不明瞭ながら弱層あり。いずれの弱層の上下はともに雪粒同士の結合が弱く、弱層で滑るようなスラブ雪崩が発生
する状況ではないと判断。


  • 考察
今回雪崩に遭遇したのは、積雪の場所による多様性を捉えきれなかったことが原因だと思います。
現場はピットチェックをした場所よりも風の影響を強く受ける場所だったので、ウィンドスラブが生成されていたと思います。また、斜面の勾配がわずかながら急になっていた場所だったので、斜度の変化でスラブが弱くなっていた場所を踏んだと考えられます。

雪質については、登っている途中でも雷鳥沢と雪質が違うことに気づくことができ、気づけば再度ピットチェックを行って危険度を測ることができたはずです。

斜度が変化しているところは一目瞭然。そういうところは近づかないか、雪面にショックを与えないで通り過ぎるべきで、トラバースなどしないことです。

M野さんがシールで登ったすぐ下であったことや、他に何人かが滑った後だったので油断しました。