2009年12月30日水曜日

唐松岳 Dルンゼ

久々の写真付き記事。
Xactiが壊れたのがかれこれ3ヶ月前。これは修理にも出さずにいまのところ放置。で、今回あたらしく導入したアイテムがKODAK Zx1。Xactiで使っていたSDカードがどっかに行ってしまったので、やむなく今回は20MBの内蔵メモリに記録。容量が少ないので撮影シーンをケチりました。あまりいい画は撮れてません。


12月29日 晴れ
■ルート 9:00八方池山荘-12:50唐松岳-14:00Dルンゼドロップ-16:00二股
■メンバー M浦さん(リーダー)、N島さん、私

大晦日から元日にかけて大荒れの予報ということで、年末年始に予定していた合宿は年明けに延期。年内最後の晴天ということで、29日に急遽日帰り山スキーを計画しました。照準はDルンゼ。M浦さんは何度か滑っているが、N島さんも私も初めて。このDルンゼは唐松岳~不帰のエリアでは一番簡単なルートとのこと。

このエリア、前日には午前中に湿った雪、午後に温度の低い雪が降っている。

28日夜、都内を出発し、途中道の駅で仮眠し翌朝八方尾根スキー場へと向かう。八方尾根ゴンドラ、クワッドリフトと乗り継ぐ。気温が思いのほか低く寒い。厳冬期仕様に装備を固める。グラートクワッドは滑降用具を持っていると乗車できないということで、リフトのそばをシールで登る。

八方池山荘に到着、ここからはクトーを装着して登る。パウダーが積もってはいるが、パウダーの下は固くエッジが効きにくい場所があったり、風で雪が飛ばされて固い場所があるのでクトーがあった方が登りやすい。



2361のピーク手前で重装備の登山者に挨拶をしてラッセルを交代。途中でテント泊しているパーティーに出会う。唐松岳ピストンを終えて帰ってきたところなのだろう。ここからは先はトレースがある。

徐々に風が強くなってきた。途中でアイゼン・ピッケルに装備を代える。唐松山荘を越えたあたりから風がさらに強くなる。唐松岳のピークを踏んで、Dルンゼのエントリーに移動。M浦さんは途中、不帰のフェースからのスラフ雪崩を目撃している。

雪のチェックは慎重に行う。這松を支点にして、ロープで懸垂下降して斜面に入る。そこでピットチェック。最初はM浦さん、その後N島さんと私、3人全員で雪をチェックする。結果、60cmの深さに滑り面があった。ただし上の層との結合はそれほど悪くない。判定は『要注意』。雪面を刺激しないように丁寧に滑ることとする。最初の1本は雪崩のことを気にしながらなので、ほとんど楽しめなかった。2本目以降、雪崩のリスクが減ったところで存分にパウダーを味わう。軽すぎないパウダーからクリーミーなパウダー。ゲレンデでは扱いにくい板も、パウダーでは何のその。

Dルンゼを見上げる。

こちらは不帰Ⅱ峰のフェースを見上げる。ちょうどX状ルンゼの末端。傾斜はDルンゼよりもぶいぶん急。なかなか手ごわそうだなぁ。


わりと規模の大きい雪崩の跡がある。発生したのは昨日か今朝か。デブリは柔らかい。デブリが谷を埋め尽くしていて、大滝まで谷が割れている箇所は無い。大滝は右岸を巻く。右岸の上手にはトレースが見える。はじめ動物のものかと思ったが、どうやら無名沢を滑ったスキーヤーがつぼ足で登り返したトレースのようだ。

ここから大滝を巻くための約30mの登り返しになるが、ここはシールで登ったほうが早いと判断。登り返しながらスキーヤーのトレースと合流し、トレースを追うように谷を滑る。林道までスキーをはずすことなくたどり着くことができた。


今シーズン初の白馬エリアだが、思ったより雪が多い。今シーズンは谷川と前武尊しか滑ってないがこちらは去年に比べても全然雪が少ない。

2009年12月28日月曜日

前武尊

■12月26日 くもり→晴れ

まだNEWマテリアル慣れしていない私。ゲレンデを滑りたいといって、N島さんと計画。

二つ玉低気圧の行方を気にして、オグナほたかへ。ゲレンデなのに天気を気にしすぎた感があります。

場所が場所なだけに、山スキーセットも持っていって、前武尊はとりあえず登る。でも滑る場所が全然ありません。藪だらけ。まだまだ雪は少ない。

あとはゲレンデをひたすら滑る。N島さんはブーツはスカルパTXプロを使用しているが、今年とうとうNTNを導入し、今回はTLTの山スキーとNTNのテレマーク、両方持ってきた。

丸一日ゲレンデを滑った甲斐あって、だいぶ道具に慣れてきたところです。

TLTは、滑降性を求めるならヒールピースを前後にずらせるタイプのほうがいいです。TLTはスプリングなどで全圧を調整する機能が無いため、ブーツとヒールピースとの隙間のほんの僅かなちがいが板のフレックスに影響します。ブーツや板の組み合わせで、最良のパフォーマンスを発揮出来るよう調整を繰り返す必要があります。




年末年始は寒気が入るため、計画変更を余儀なくされました。年内は日帰りで1本。泊まりで山に入るのは年明けになります。

2009年12月23日水曜日

谷川岳

■12月23日晴れ
■メンバー:M浦さん(リーダー)、N島さん、私

この時期に谷川岳で山スキーが定番になりつつある。
朝集合、関越で谷川岳へ。9:30天神平の峠リフトを降りて、天神尾根を行く。3日前に比べてだいぶ雪が増えているとはいえ、この時期の谷川岳としてみればまだまだ少ない。雪訓の跡を過ぎるとトレース無し。こんな時間だけど本日一番乗り?とおもいきや峠リフトを使わないスキートレース発見。トレースありがたく使わせていただく。その先行者とは避難小屋にてラッセル交代。ここからは正真正銘の本日一番乗り。3人でラッセルを回す。

それにしても天気はすごくいい。無風晴天。気温が高い。午後からいくぶん崩れるとのことだが。日射と高温で雪の状態が刻々と変化する。日が当たらない斜面にはまだパウダーが残る。早く滑りたい気持ちをラッセルの推進力に転換。ピークを目の前にして南斜面の頂上雪田でピットチェック。日のよく当たる斜面なので、ずいぶんと締まっている。積雪深は150cm、15cmと80cmの位置に不明瞭ながら弱層。上下の層はしっかりとスラブ化。

トマの耳で滑降準備。いざドロップ。シーズン1本目の山スキーということで、微妙に緊張しながら雪田を滑り降りる。日の当たらない場所では部分的にパウダー堪能。

西黒沢へ少し滑り降りる。このまま西黒沢に入れるかどうか確かめるため、もう一度ピットチェック。こんどは日陰の斜面。雪崩の危険は低そうだが、いかんせん雪が少なく、途中崖が出ていそうなので諦める。天神尾根まで登り返して尾根を滑る。途中から担ぐ。熊穴沢は藪だらけなので諦める。担ぎと滑りを交えて天神平に戻る。


道具が軽いのは素晴らしいですね。
板とBinの軽量化で機動力UP。
どんどん軽量化の欲が出てきて、アイゼンも軽量化したくなってきた。

でもクライミングサポート一段しか無いのはやはりつらい。

2009年12月21日月曜日

TLTの使用感など

12月20日。
遅い初滑り。天神平に行ってきました。
メンバーは、M浦O介さん、M浦N子さん、N島さん、私。ようやく私がTLT導入で、全員TLTになりました。

連日の強い寒気が入り込む中、日本海に小さい低気圧が発生したおかげで一時的に冬型が緩んで終日晴天。はじめから谷川岳は狙わず、装備も軽くしたんですが。こんな穏やかな天気ならアイゼン・ピッケル準備してピークハントすれば良かったと悔やまれる。連日の冬型で雪が降ったとはいえ、まだまだ天神平で1m程度。まったく雪の無いところに積もったのに過ぎない。山頂の雪田もまだ地形がわかる程度の積雪。

今回は、山での滑降は(ほとんど)諦めて、午前中は訓練。午後はゲレンデで滑る。あたらしい道具を導入したこともあって、ゲレンデで練習する時間が作れてよかった。ビーコン訓練では、スキーを装着し、装備を全部背負った状態からスタート。それぞれの装備を出すタイミング、板を外すタイミング。外した板の置き場。考えることが多くてなかなか難しいですね。近隣で訓練してたパーティーのビーコンも発掘してしまい(すいません)、意図せず複数埋没捜索の訓練にもなりました。



さて表題の件、TLT。
ディアミールの滑降性能にがっかりしたのが1年前。おおいなる希望を抱いてついに今シーズンからTLTを導入しました。

導入した主なマテリアルは、
  • 板:Black Diamond voodoo 175cm
  • ビンディング:Dynafit TLT Vertical Lite
  • ブーツ:Garmont メガライド(M浦さんのおさがり)
TLTはシリーズで3番目に軽いモデル。今回、板とセットにして片方の重さ2キロ少々。すごく軽いです。いろんな事情で安く入手できたからこれにしたんです。

そしてそのパフォーマンスの評価。

■装着編
  • 非常に難しい。でも慣れれば一瞬でできる。早く慣れないといけない。
  • リーシュコード。標準のものを装着してるが。良く分からない機能があって、これはリーシュコードを脚に巻いたままでもスキーを外せるという機能なのだろうか?普通に巻いて着脱した方が早いのだが。

■登攀編
  • 軽いのが最大のアドバンテージ。担いでもシールでも軽いのでらくちん。深雪のキックターンも問題なしです。
  • TLT Vertical Liteはクライミングサポートが一段しか無い。これはかなりキビシイ。特に深雪の登行はトップが雪で持ち上げられ、実際の傾斜よりキツクなるのでやっぱり2段目がほしい。手作りでもなんでも、2段目後付けすることできないかな。

■滑降編(ゲレンデ)
  • ディアミールでは足裏のエッジが死んでましたが、TLTは大丈夫!かかと荷重でかかとを中心のターンができる。
  • しなりの反動が無いのは板のせい?反動を使わない滑り方で対応(ニュートラルなポジションを作る)
  • 板のTOP付近でしなやかさが無いのでかかと荷重での板の取回しがシビア。ちょっとでも重心がずれると板が回らない。これは板の問題か。この板+TLTのセットをゲレンデで扱うにはもうちょっと時間が必要。山では圧雪というコンディションがないのでそれほど問題にならないと予想。
  • ガタつきなどは無いので、安心感がある。
  • 解放値はかなり低めにしたが、滑降時に解放はしていない。外れてもよさそうな転倒をしても外れない。かかとを板と水平な方向にスライドさせるような角度で雪面を蹴ると簡単に解放する。角度によって解放の仕方・強度が違うような。

■総括
  • 現状では期待通りのパフォオーマンス。とりあえずいろんなコンディションを滑ってから総括しよう。



2009年12月10日木曜日

八ヶ岳 小同心クラック・中山尾根

12月5日・6日の週末、会の雪山はじめ企画。

30人以上のメンバーで八ヶ岳の行者小屋のテン場にベースを構える。
これだけのメンバーが集まる山行は初めてかも。
各々がパーティーを組んで登攀したり縦走したり雪訓したり。

私は初日は、N島さんと小同心クラック。
2日目はS原さんと中山尾根を登ることに。

2日目の中山尾根では事故寸前の出来事があったのであわせて報告します。無傷での生還は奇跡のようなものかと。



■12月5日(土)くもり→雪 5:00美濃戸口~5:45美濃戸~7:30赤岳鉱泉~10:00小同心クラック取付き~12:10稜線~13:30赤岳鉱泉~14:50赤岳鉱泉発~15:30行者小屋
■ルート:小同心クラック
■メンバー:N島さん(リーダー)、私

深夜0:05に諏訪南ICを降りてコンビニに寄って美濃戸口へ。30人以上のメンバーのほとんどはまだ到著していない。朝も早いし、雨の心配も無いし、後から到著するメンバーに煩わされることも無いようにと、テントを張って寝ることにする。

4:00起き5:00発。真っ暗の中、美濃戸まで林道を歩く。眠くて半分目をつぶって歩いていたようなもの。途中車に抜かされたが、聞けばS藤H明さんパーティーの車だったとのこと。美濃戸のベンチで倒れこむ。しかしここは眠気を振り払って再び赤岳鉱泉に向かって歩き出す。

林道終点でスニーカーから冬靴に履き替える。雪は皆無かと思っていたので、少ないなりに積もっていたので少々安心。赤岳鉱泉到着、アイスキャンディーもまだまだ。荷物をデポして大同心稜を登る。しばらく山をサボっていたのと、眠いのと、病み上がりなのと。急登がこたえる。

大同心稜。大迫力で大同心が迫ってくる。が、ときおり霧で見え隠れする。午後から天気は崩れるということで、その前兆。風も徐々に強くなってきている。大同心基部からルンゼを横切って小同心基部へ。クラックなので岩の隙間に入れば風をよけられて寒くないはず。

そういえば1年前もN島さんと赤岳主稜を登ったが、その時の寒さに比較すれば今回の寒さは屁でもない。八ヶ岳にも着実に温暖化の波が寄せているのか。

ここからはアイゼンと手袋で岩登り。1ピッチ目は私がリード。ホールドもスタンスも大きいので、傾斜がある割りにはサクサク登れる。支点も適度にある。2ピッチ目はN島さんリード。長めのチムニーのピッチ。最終ピッチは、あれっ?5mくらいで終了。

岩稜帯を登って横岳頂上へ。風がだんだん強くなってきた。登攀具をしまって下降開始。大同心稜を下降。この周辺の登攀後の定番下降ルートということだそうで、ここは覚えておかなければいけない。風が強くなって雪も降り出した。砂粒・雪粒がバチバチ当たる。樹林帯に入ってようやく落ち着きを取り戻す。下降途中、裏同心ルンゼを登ってきたというパーティーに遭遇。氷は予想通り薄かったとのこと。

赤岳鉱泉の小屋で一休み。M島さんT中さんA元さんに遭遇。コーラを飲んでラーメンを喰らって至福のひとときを過ごす。重い腰を上げてデポ品を回収して行者小屋へ向かう。中山乗っ越しまでの登りが異常にこたえた。夜は強風のち無風快晴。



■12月6日(日) 晴れ 6:00行者小屋出発~7:10下部岩壁到着~8:00登攀開始~10:00上部岩壁取付~12:00稜線~13:30行者小屋
■ルート:中山尾根
■メンバー:S原さん、私(リーダー)

ヘッデンを点けて行者小屋を出発。中山乗越までは10分少々。くるぶし~すねのラッセルで約1時間。やせ尾根手前で3人パーティーに先を譲る。先行パーティーが正面の岩峰に取り付いている最中、我々は右側のルンゼに狙いを定める。私リードで登り始めるも、墜落(後述)。S原さんにリードを交代。S原さんは微妙なMIXルートを巧みに登って、立木でビレー。支点は潅木など。稜線まで少しの距離を残していたので、2ピッチ目を私がリード。その後稜線に出てコンテで上部岩壁の取付きに進む。

登攀準備を整え、10:00の無線交信をとる。ここでは前日に中山尾根を登ったA久さんと交信がとれ、アドバイスを頂く。私リードで凹角を登り、ハング下のテラスに出る。支点はペツルとハーケン。ハングには支点が豊富。ハングの抜け口でビレー。2ピッチ目は岩稜帯をS原さんがリード。50mほぼ一杯に伸ばす。3ピッチ目は左に草付きを登って一旦テラスに出て、さらに左の草付きを登って岩稜を越えたところでビレー。

最後はバンドを伝って稜線の登山道に抜ける。登攀具の片付けをしながら、12:00の無線交信。阿弥陀北西稜のA山・N島P、赤岳主稜のY田・N村Pがちょうど登攀を終え、それぞれピークにいるとの連絡を受ける。地蔵尾根を下降して行者小屋へ戻る。

続々と登攀組が戻る。下山遅れのパーティーがあるも、16:10全員無事行者小屋ベースに戻る。下山は途中からヘッデン。凍りついた登山道が滑る。



■墜落レポート
・場所:中山尾根下部岩壁右のルンゼ取り付き
・日時:2009年12月6日7:30ごろ
・当事者:私(リード)
・他メンバー:S原(ビレー)
・内容:7~8mの墜落
・怪我など:なし

【詳細】
先行パーティーが正面岩峰に取り付いていたタイミングで、我々は右側のルンゼを登ることにした。支点などは無いようだが、潅木などを利用して登れると判断。急な雪の斜面に足場をつくり、潅木でビレー点をつくって私がリードで登攀を開始。いくつか取付きを偵察し、狭いチムニー状に決めて登り始める。

チムニーを越えた所の狭い足場付近約5mで貧弱ながらも潅木で支点をとる。狭い足場から太ももの高さに草付きの段があり、それより上で傾斜がいくぶん緩んでいる。緩んだ傾斜の草付きにバイルを刺す。がっちりとは効いていなかった。太ももの高さに上げた左足に乗り込もうとするも、体重が後ろにかかり、バランスを崩す。効いてないバイルはすぐに外れ、体は後ろに倒れるように宙に投げ出された。

S原さんの足元の急な雪の斜面に落ち、少し流され、ロープにテンションが掛かって止まる。貧弱な潅木の支点は折れていた。ロープはチムニー状の岩の上部で折り返され、それが支点代わりになった。

【考察】
いくつかの幸運が重なった結果、無傷で済みました。
・墜落地点が急な雪の斜面だったこと
・ロープがチムニー状の岩で折り返されたこと

【判断の誤り】
・登られているルートであるにも関わらず、支点がないルートを選択して取り付いたこと
・自分が登れるルートかどうかの見極め
・不安定なホールド・スタンスでも突っ込んだこと

2009年11月23日月曜日

三つ峠岩トレ

久々の更新。
雪が微妙な立山は早々に見切りをつけて、三つ峠にて岩トレを計画。一泊2日で行ってきました。

メニューは、アイゼントレ、アブミトレ、マルチピッチなど。三つ峠もこの時期になるとさすがに人は少なく、いい感じでトレーニングできました。ショックなのは3年目の冬靴がいまさらながら全然足に合わずに靴擦れ全開なこと。
再来週の八ヶ岳に暗雲が、、、


このトレーニングの成果を生かせる山行ができればいいな。
できれば板を担いで。


初すべりは12月後半に持ち越しです。

2009年9月27日日曜日

利根川本谷

9月5連休、アドベンチャーレース関連でキャニオニングという名目で利根川源流を下降するという酔狂な企画が上がっていました。関わるつもりはなかったのですが、そこはⅤ級にランクされている沢の魅力というものか、自然と資料に目が行く。調べを進めるうちに利根川本谷に興味がわいてきました。そんなタイミングでのM野さんからのお誘い。最近一緒に沢に行っているカッシー、ハニワくん、タケも誘って3泊4日で行って来ました。

聞けば利根川本谷、核心は雪渓の処理とエスケープがないという点。それを除けば巻きは簡単、岩は順層でかっちりしていてヌメらないという。
この5連休の天気は今シーズンには珍しく、期間前に雨が降っていないのに加え期間中の好天が約束された。さらには近年の例に漏れない少雪。Ⅴ級とは思えない癒しの沢になりました。


■メンバー:M野さん(リーダー)、カッシー、ハニワくん、タケ、私
■9月19日 晴れ 十字峡:車デポ~(車)~9:00八木沢ダム~(ボート)~9:30入渓~15:30巻淵上流(泊)

前夜、十字峡小屋に集合。素泊まり1000円。ついつい酒がすすんで夜更かし。タケは風邪(インフルエンザ?)らしい。
十字峡に車を一台デポし、もう一台で八木沢ダムへ。ダムではアドベンチャーレース関係の下降パーティーのT氏が準備を進めていた。

T氏やダムの係員と世間話をしているうちに30分の遅れ。そもそも今回は好天が約束された3泊4日は余裕の日程。釣りをしながらゆっくり遡行するのであせる必要はない。

ダムは最近の好天続きで水は少ない。ボートが入れるのは赤倉沢の手前まで。

ぬかるんだ湖岸を渡渉を交える。右岸の登山道?を歩き、水長沢へ。さっそく竿を出す。いち早く竿を出したM野さんはさっそくウグイをヒット。私も小さいウグイを釣り上げる。そうこうしているうちに後続のパーティー(同じ会のパーティー)に抜かされる。私はねばってヤマメを釣り上げる。

要所要所で竿を出すが、釣れるのはウグイがほとんど。巻淵を越えたことろの砂の河原でビバーク。薪は大量にある。

■9月20日 晴れ 7:00出発~7:40越後沢出合(釣りタイム)~10:00ヒトマタギ~15:00滝が倉出合上流河原

30分程度で越後沢出合に到着。尾根沿いに幕場となりそうな箇所がいくつかある。ここで時間をとって釣りタイム。越後沢に入って釣りをするも全然釣れない。

気を取り直して9時過ぎに出発。ここからが剣ヶ倉土合といって、渡渉とヘツリの連続になる箇所だ。最初は尾根を登ってショートカットしようとしたが、途中で踏み跡がなくなって沢に戻される。今回は水量が少ないので沢伝いに歩いたほうが実は全然早いようだ。


ヒトマタギでのお決まりのポーズは『やらなければいけない』という微妙な強迫観念に苛まれる。

剣ヶ倉土合の最後のゴルジュは泳ぐ。



無理にへつろうとした私はドボン。

剣ヶ倉土合を過ぎて幕場を探す。滝ヶ倉を過ぎた広い河原で泊まるとする。ここまで2日間、ほとんど標高をあげていない。

焚き木はちょっと上流から切り取って拾ってくる。M野さんは釣りに繰り出し、なんと27cmの岩魚を釣ってきた。これは刺身用だ。



ほどよく夕飯の支度ができた18:00過ぎ、アドベンチャーの下降組7人が降りてきた。ちょうど同じところで泊まるということで、焚き火でもてなし語らい会った。雪渓が残るのは1箇所で崩れているとの情報を得る。


■9月21日 晴れ 7:00出発~9:20裏越後沢出合~11:00魚止メ滝~14:00利根大滝~16:30西小沢手前河原

6:20に下降組が先に出発。


これを最後に、私のカメラの液晶ディスプレーが壊れる。撮影はできてるようだが、なにをとっているのかさっぱり分らない。

オイックイと呼ばれる箇所は2時間程度で通過。雪渓は情報どおりで、崩れているところを登って越える。普通ならもっと大量の雪が残っていてかなり手こずるとのこと。

裏越後沢の出会いではまだ焚き火跡がくすぶっていた。先行パーティーのものだ。

狭くて暗いゴルジュ帯は泳いで突破。何のためらいもなく泳ぎだすタケ。もう風邪はほとんど治ったようだ。率先して泳ぐメンバーがいると後続の心理的ためらいは少ない。存分に泳いだ後は、日のあたる河原でひなたぼっこ。ほぼ全裸になって濡れた衣服を乾かす。太陽に感謝。

魚止めの滝は左から巻く。釜を持った滝も一緒に巻いて、微妙なトラバースを交えて沢に戻る。

しばらくすると先行に追いつく。ロープをだして滝を登っている最中だ。
先行が登り終えるのを待って、ここは私がリード。滑りそうだがガバなので問題なし。支点のカムがばっちり決まる。落ち口付近の残置を使い、ハーケンを打ち足してビレー。

いくつかの滝をロープを使って登り、20mの利根大滝へ。先行を待ってここはM野さんリード。水線右側の斜面を登る。岩がかっちりしていて順層でホールド豊富。登りやすい滝だ。中間支点は残置ハーケンと潅木。

BP予定のハト平は先行Pで埋まっていたので30分程度上流に登る。なかなかいい幕場があるではないか。これが最後の夜。3日とも極上幕場と盛大な焚き火とはなんとも贅沢な山行である。でも酒がちと少なかったか。


■9月22日 小雨~くもり 7:00出発~9:30人参滝~11:00赤沢滝~12:30稜線~12:50大水上山~16:00林道~16:50十字峡

どんどん滝が出てくる。

ハニワくんは微妙なヘツリで越えていく。私はというと、めんどくさいので巻く。
私一人巻いたら10m滝も一緒に巻くことになった。ということで上からロープを垂らして皆登る。釜でずぶぬれになる皆。一人滝の上でのんびりしてる私。



人参滝。名前の由来は高麗人参か?
ここは右側を巻く。沢に下りるのが微妙に悪かった。

深山滝20mはハニワくんがリード。岩は基本かっちりしているが、ハーケンを打つとリスが広がる。落ち口がスリッピー。

赤沢滝は4段20m。

最後の段はシャワーで上るが、ここまでほとんど濡れずにきた私はここでも濡れないラインを付く。

大きな滝としては最後となる水上滝。記録では15mとあるが、せいぜい10mだろう。
水が枯れる前に大休止をとり、詰めあげる。藪はない。


さすがに利根川源流。山深い。


色づいたばかりの紅葉はなかなかだ。

大水上山に立ち寄って十字峡へと下山。Ⅴ級の沢と恐れをなしていたが、コンディションが良かったことに加え余裕の日程ということもあり一転して癒しの沢になりました。

2009年9月15日火曜日

鳴沢

痛恨のカメラ忘れにつき文字だけの報告。

週末の土~月で黒部川支流の鳴沢へ。

新越沢を予定していましたが、思いのほか雨が上がるのが遅く増水した新越のゴルジュ突破はあまりにもリスクが大きい。転進先として予定していた鳴沢もこの雨じゃ、、、と。敗退も脳裏を掠めたが。。。

黒部ダムの下流の右岸に位置する鳴沢。黒部ダム下流右岸には、上流から順に、赤沢、鳴沢、新越沢と入り込む。これらの沢へのアプローチは左岸の日電歩道を下って出合で渡渉する。ただし渡渉ができるのは黒部ダムの観光放水が始まる朝の7時(時期によって異なる)以前が条件となる。ひとたび放水が始まれば、毎秒3トンの水が加わり渡渉は不可能とのこと。渡渉するためには前夜に出合付近まで入っておく必要がある。つまり1泊2日の行程の沢も、3日間を要することになる。

■場所:黒部川支流鳴沢
■メンバー:M浦さん(L)、私
■9月12日(土)雨 16:00扇沢~16:15黒部ダム~BP

全国的な雨の予報の土曜日。この日はアプローチだけだが、雨が上がる時間が心配。予報では夕方には止むとのことだが、その気配は全くない。雨と寒さで眠れない夜を過ごす。

■9月13日(日)雨のちくもり 3:40出発~5:30鳴沢出合~9:30大滝~14:30二俣(泊)

新越沢を照準に、観光放水が始まる前に出合までいけるように早出するが雨は止む気配はまったくない。むしろ強くなっている。敗退色が濃くなりつつ、新越沢はあきらめて、まずは鳴沢出合を偵察。

鳴沢の出合に到着したのはちょうどヘッデンが要らなくなる頃の5:30。雨の影響もあってそこそこの流量の黒部川。渡渉の可能性を探っているうちにザブンと飛び込んで渡渉してしまうM浦さん。手招きに応じて渡渉する私。

と、ここまできたら行くしかない。

雨はまだまだ強い。どうやら日本海の低気圧を取り巻く雲が去り際に雨を降らしているようだ。



それにしても鳴沢、記録がほとんど無い。事前に調べるも、見つけた遡行記録は登山体系と、志水哲也氏の記録のみ。そしてM浦さんの滑降記録だけか。

ガチャ類を装着して覚悟を決める。
入渓して感じたのは、岩がヌメる。脇の斜面は崩壊したガレが多い。見た目では分らない難しさがある。さらに黒部ならではのV字の渓谷。とくにこの鳴沢はV字が顕著。

5m~10mの滝が連続する。登れる滝もあるが、登れそうで登れない滝が多く一筋縄にはいかない。

チョックストーン滝を左から登ろうとしたが意外と悪く、左の壁を巻くことにした。ここはM浦さんリードでロープを出す。ハーケンで3箇所、潅木で1箇所の支点を作る。私がフォローで登る。1箇所ハーケンが抜けず。ヤケになってブッたたいたらその拍子で抜けてハーケン落っことす。あぁ~ BDのハーケンが~!!初歩的なミス。

さらにチョックストーン滝は私がリード。カムエイドで登りザック荷揚げ。

ゴーロ帯を進むと30mの大滝が現れる。右の泥壁&藪を私がリードで巻き上がる。50mいっぱいに伸ばす。2ピッチ目で滝の上部に出る。さらに30mの滝。ロープはつないだまま移動。右から3ピッチの巻きと懸垂1回。またすぐに出てきた10mの滝。傾斜はそれほど無く登れそうに見えるが、ヌメッていていやらしい。ここは右のルンゼを巻いて藪をトラバースして抜ける。この時分は雨は上がっていた。晴れ間も見えるが太陽は雲の中。

ゴーロ帯を抜けるとまた出てくる、見た目以上に悪い滝。水線のすぐ右のガレを登ると、あと一手で滝を越えられそうに見える。ところがその上部も悪かった。ここはロープを出してM浦さんリードで登る。

幕場を探す。以外にもブヨが多い。虫対策皆無。V字渓谷らしく、良い幕場はなかなかない。探しながらどんどん遡行し、二俣手前にようやく見つける。時間をかけて寝床を作って焚き火をして寝る。異様に寒い。夜空は雲ひとつ無い。私は羽毛服を持ってきていたが、羽毛服を持ってきていないM浦さんはさぞかし寒かったに違いない。

■9月14日(月)晴れ 6:00出発~9:20赤沢岳~14:00扇沢

寒すぎて寝ていられない。まるで冬の気分。朝食のラーメンはこんな寒い朝にぴったり。

この幕場は絶景なり。剱岳のモルゲンロート、さらに黒部別山の大タテガビンを正面に見る。黒部別山~黒部の奥地に谷川岳がひとつそびえている~と形容されるほどの山にもかかわらず一般登山道が整備されていない玄人好みの山。

ルートは右俣へ。ガレが多い。8mの滝は私がリード。一見ロープ無しでもいけそうだが、浮石が多い上にヌメっている。ハーケンとカムで支点をとって慎重にリード。終了点はハーケン2本でビレー。

ガレを登ると水量は激減する。給水してガレを登る。途中から樹林帯に入る。太陽の日差しがすぐそこの山の斜面まで届いているのが見える。周囲の草木には霜が降りている。どおりで夜は寒かったわけだ。冷たい霜の中を掻き分けて8:30。本山行初となる太陽とのご対面。太陽のぬくもりを感じつつ赤沢岳のカールに出てゆっくりと黒部別山を眺める。

つめ上げると、ドンピシャで赤沢岳の頂上の看板。看板には「植生保護のため立ち入り禁止」の文字。

ゆっくり大休止。

あとは長い下山路。新越山荘、種池山荘経由で扇沢へ下山。登山道が整備されているので、針ノ木経由よりも早く下山できるだろう。下山後のコーラが体に染み入る。



※要注意メモ
今回ロープは38mと50mの2本を持っていった。途中、38mロープの包皮が破れ中の繊維があらわになっているのに気づいた。いつそうなったのかは正確にはわからないが、原因は落石としか考えられない。幸い2本のロープを持参していたために、その後の山行には支障をきたさなかったが、これが50mロープだったらもっと大変なことになっていただろう。山行中は落石によるロープの破断の危険が常にあるということ。それゆえに自ら落石を起こすということは絶対にあってはならない。とくに懸垂下降のとき。リードやビレー中も落石に注意を払うのはもちろん、周囲に鋭利な岩が無いことを確認するなどして、ロープは丁寧に扱わなければならない。

2009年9月9日水曜日

万太郎本谷

万太郎本谷はこれまで何度か計画したものの、その度に天気に祟られて実現せず。この週末、ようやく行くことができました。しかも今シーズンイチの好天。

メンバー:ハニワくん、タケ、カッシー、私。
9月5日(土)晴れ
8:30土合~(電車)~8:40土樽~9:40入渓~13:00一ノ滝~14:00一ノ滝上部(泊)

前の週に万太郎支流のオタキノ沢に入ったとき、本谷はアプローチと割り切ってさっさと通り過ぎてしまったので今回はじっくり遊びながら行くことにした。土合に車をデポし、電車で土樽へ。土樽駅から入渓の堰堤までは徒歩1時間弱。やたらと天気がよくて汗だく。早く泳ぎたい気分。

入渓。水量は少ない。前の週と同じくらい。

時間はたっぷりある。釜という釜で泳ぎながら遡行。竿も振る。釣果はないが。

前の週はオキドウキョウを、よく分からないうちに通過してしまった。はてな?と思っていたらどうやら土砂に埋まってしまったらしい。オキドウキョウの入口と出口だけがほんのちょっと泳ぐかんじ。

その先の狭いゴルジュは右側を泳いで取りつく。取り付ける箇所は限られているが、あえて前回取りつこうとして失敗したところに再度挑戦するも、力尽きる。簡単なところから這い上がる。

出てきた一ノ滝。カッシーが慎重にリード。前回より滑るような気がしたが、気のせいだろうか。

二ノ滝上部は満員とふんでいたし、素敵な幕場が見つかったので二ノ滝まで行かずに本日の行程終了。のんびり来たけどそれでもまだ午後の2時。時間に余裕があることははじめから分かっていたのに、持ち込んだ酒の量が少ないという計画性のなさに悔いる。


9月6日(日)晴れ
7:00出発~7:15二の滝~8:00三の滝~11:00稜線~12:30天神平~ロープウェー下山

さくっと登って早めに下山することにする。出発してすぐに二の滝。

水線突破も考えたが、朝イチでシャワーは寒いのでここは右側を巻く。

三の滝下部はハニワくんリード。

支点とホールドが豊富。

三の滝上部はタケがリード。

水線通しで登ろうとしたが、ぬめってて無理。右手のルンゼに入って変なところから直登。かなり滑るライン。普通はこういうライン取りはしないでしょう。先行パーティーはルンゼを登って藪をこいで本流に戻っていた。たぶんそっちが正解。それでもタケの渾身のリードで直線に近く登れたので時間短縮になった。

あとは連続する小滝をこなして、藪漕ぎ無しで稜線につめ上げる。
肩の小屋直下の登山道に出る。明るくてコンパクトにまとまっててなかなかいい沢だ。朝電車を使っても、ペースを上げれば日帰りで十分狙える沢。

谷川岳山頂周辺は大混雑。久々に山でたくさんの人を見た。渋滞にもまれながら双耳峰にとりあえずのぼる。天神尾根も渋滞に巻き込まれながら下山。タケと私は4人分の荷物とともにロープウェー下山。ハニワくんとカッシーは登山道を走って下山。

2009年9月1日火曜日

オタキノ沢

雨天のため、計画していた山行は延期。金曜日は山行のために取得していた有給を返上して勤務。ピーカンの金曜日に会社に行くと、「なんで会社来たの?」と問われ「天気悪いから。」と答える滑稽ぶり。

代わりに日曜だけの日帰り山行に行ってきました。もちろん期日前投票は済ませてます。

8月30日(日)曇り
■場所:万太郎支流オタキノ沢
■メンバー:リーダーM浦さん、私
■タイム:6:00東所沢P/U~9:00万太郎入渓~12:00オタキノ沢出合~17:00稜線~18:20下山


日帰りで手ごたえのあるところということで万太郎の支流のオタキノ沢を狙いました。日曜朝発という悠長なスケジュールである。関越道を普通に飛ばし、8:30茂倉新道下山口に車をデポ。高速道と入り乱れている場所だけに、入渓までの道がよく分からず、変な藪こぎを交えて道路に出て入渓点に到着。

水量は少ないようだ。とりあえずオタキノ沢出合まではアプローチと割り切って、万太郎本谷はどんどん突き進む。時間がかかりそうな箇所は巻きを交えて。さっさと通り過ぎてしまったが、万太郎本谷はじっくり詰めると楽しそう。




一ノ滝はM浦さんリードで左側を登る。

ボルト・ハーケンの残置はいくつかある。
一手いやらしい場所があった。

一ノ滝を超えるとすぐ、左手のルンゼを過ぎたあたり。左側からの支流がオタキノ沢。ちょっとわかりづらい。

いよいよオタキノ沢。スラブが広がる。




このクラック滝は巻くのが正解なのだろうか。M浦さんリードで登るも、けっこう悪い。残置はない。カムはいくつか持ってきていたが、たくさん持ってた方が有利。

滝をいくつも越え、登れない滝はスラブ壁を巻く。けっこう悪いところがあるのでロープを出して巻く。

きれいないスラブが続く。



途中からガスが上がってきて視界が無くなる。

ルートの目視ができなくなり、ルートファインディングにはちょっと苦労させられた。ルンゼでは左に追いやられ、懸垂で水線に戻る。ヌメッた滝はアクアステルスのM浦さんに代わり、フェルトの私がリード。

水が枯れて笹藪。途中から左の支尾根に上がって稜線の茂倉新道にでる。手ごたえ十分。

茂倉新道を1時間15分で下山。暗くなる前に下山できた。荷物を片付けて車に乗り込むと雨。

温泉&コーラ&トンカツという黄金の組み合わせでもって帰京。

2009年8月29日土曜日

那須井戸沢

前川大滝沢から大移動して那須へ。

■8月26日(日)晴れ
場所:那須井戸沢
メンバー:たいちゃん、みおさん、B場さん、ハニワくん、タケ、カッシー、私
タイム:8:50深山ダム林道ゲート~9:30三斗小屋宿~12:50稜線~13:40峠沢下降~16:00ゲート


前日から継続のハニワくん、タケ、カッシー、私。たいちゃん、みおさん、B場さんが7時に合流するはずなんだが、なかなか来ない。車内で寝て待つ。8時過ぎに合流。

深山ダムから林道を進む。ゲートが開いていれば三斗小屋宿の入渓地点まで車で行けるそうだが。やはりゲートは閉まっていた。ゲートといっても鎖と南京錠の簡単なものだが。

ゲート手前に駐車して出発。林道を歩いて三斗小屋宿へ。ここは江戸時代に宿場町として栄えた場所とのこと。今はその面影はほとんど無い。三斗小屋宿を越えて林道沿いに下。橋を渡って渡渉すると井戸沢の出合。伏流しているので気づかずに通り過ぎてしまいそうだ。

すぐ上流には立派な堰堤。ここから上流で水流がある。


堰堤のような滝を越えると。立派な滝。

これは登れないので右側を巻きます。巻き道にも残置があるのが見える。結構悪そうなのでロープを使うことに。この週末の唯一のロープセクションタケがリード。全員が登るまで約40分。後続の方、待っていただいてありがとうございます。

休むまもなくどんどん出てくる滝。どれも簡単に登れる。


立派な階段滝。

あっという間に水が枯れる。あとはこなすだけけ。

稜線は景色がきれい。

ここからはトレラン組みと沢下降組に分かれて下山。
私は沢下降組。

大峠から下って峠沢から下降。滝は全く無いが、なんだか疲れる。途中で地図に載ってない登山道が交差する箇所で登山道に入って下山。この登山道が会津中街道で、地元の有志によって最近下草が刈り払われたということだ。すごく歩きやすい。あっというまに入渓地点まで下山。

車をピックアップしてトレラン組が下山する湯元まで移動。みんなで鹿の湯に入って那須を後にする。


秘湯と癒しの沢の週末。

2009年8月26日水曜日

前川大滝沢

駅寝、沢、秘湯×2、雑煮、宴会、沢、秘湯、中華と。
盛りだくさんの週末。

■8月21日(金)22:00都内発~3:00峠駅
ハニワくん、タケに加え、タケの後輩のカッシー、そして私の4人で出発。はるばるきました山形県米沢市。峠駅。新幹線が通る駅でもあります。急坂ゆえ、かつては列車がスイッチバックで前進したというまさにその場所。レールの付近でごろ寝。

■8月22日(土)くもり
場所:前川大滝沢
メンバー:ハニワ、タケ、カッシー、私
タイム:8:30入渓~9:20大滝~13:00登山道(遡行終了)~14:00姥湯~15:30から滑川温泉~16:30峠駅~21:00深山ダム


峠駅のスイッチバック駅舎にて快適で短い睡眠をとり。6:53朝イチの新幹線通過を見送る。

滑川温泉手前に車を駐車し。ずいぶん大きなザックを背負った単独のおじさんが入渓しようとしていた。入渓準備中には10名くらいの団体が来て入渓準備。ずいぶんと人気の沢のようだ。

ゆっくり準備して8:30入渓。なぜか風が強い。
入渓直後の印象:岩質が鉄分で赤くなんか落ち着かない。水も鉄分を含んでいるのだろう、透明感に乏しい。お盆には北アルプスの澄んだ水を見た直後なだけに、どんより暗い印象を受ける。沢床は全体的にホールドスタンスが豊富なように見えるが、岩自体はつるつるフリクションが効かない。フェルト靴ではちょっとした斜面でもスリップ。


すぐに釜をもった滝。へつるには、ほんの一手だが悪そうに見える。
ここは思い切りよく泳ぐ。


すべての滝には釜があるような感じ。積極的に泳いで取り付く。風があるのでちょっと寒い。


左の巻き道を越えるとすぐに大滝。


120mとも言われる。

近づくとやっぱりでかい。
左から巻いて滝上に出る。



滝の連続。しかもきれいな滝ばかり。


5mスダレの滝。
ここは登れず、右から巻く。


左の筋を登ってまずは一段目。二段目はへつるにはあまりにも悪いので泥の斜面を巻くことにする。

フリクションが効く滝。簡単に登れる。

源泉が沸いている箇所もいくつかある。
すぐに登山道が横切る。
荷物を置いて潜滝を見物。

そして下山。
意外と早く遡行が終わったので姥湯まで足を伸ばすことにする。下山途中ということになる。姥湯はよく耳にした秘湯だが、なかなか行く機会がなかった。山登りとあわせて行くってのはちょうどいい。

秘湯というには立派過ぎる建物が姥湯温泉。日帰り500円で、露天のみ入浴可。
さっと汗を流してリセットし、滑川温泉まで約4kmの道のりを歩く。


日差しをさえぎるちょうどいい感じの舗装道。

滑川温泉でも一風呂浴びる。

駅寝した峠駅で力もちが4個入った雑煮を食べて翌日の那須井戸沢に向けて移動。
眠い車中。

阿武隈PAがやたら充実していることを確認して那須へ。夜も既にいい時間にもかかわらず焚き火&BBQ宴会を宣言して大量の買出し。深山ダムに到着したのは21:00。そして大宴会。
暑くてテントの外で寝たら虫刺され多数。


翌日につづく

2009年8月16日日曜日

小倉谷

悪天の予報で心配しましたが、行動中はなんとか天気がもち、予定通りに山行をこなすことができました。久々に充実です。

今回新調したマテリアルは、FinetrackフラッドラッシュスキンメッシュTシャツ・カム2個(キャメロットC4#0.3、#0.4)・ライフジャケット。
これまで沢の服装にこだわったことがなかったのですが、やはり良いものは良いです。FinetrackフラッドラッシュスキンメッシュTシャツ、濡れを感じさせません。カムはセコく、2個だけ調達しましたが、やはり便利で、この手軽さを知ってしまったら手放せないですね。これまで薄刃ハーケンサイズのリスにしか目が行かなかったのに、今やハーケンを打つことなんて最終選択肢でしかない。不便さや不快さはわりとお金で解決できるんだと改めて実感。


メンバーは、N村さん、タケ、リーダー私。
ルートは、神通川水系金木戸川小倉谷。
本格的な北アの沢は初めて。

行きの交通は、同日程で双六谷に入渓するパーティーに同乗。双六谷パーティーは6人、我々3人の計9人。2台の車で11日夜発。12日朝に金木戸林道ゲートまで車で入りました。双六谷パーティーの皆さん、ありがとうございます。


■8月12日(水)7:30金木戸林道ゲート~8:30金木戸林道第2ゲート~11:20小倉谷出合~16:30大ゴルジュ手前(泊)

車を降りて準備をして林道と山道を歩くこと約4時間で小倉谷出合。途中1時間ほどでゲートがあり運がよければここまで車で入れるとのこと。ここで双六谷パーティーに別れを告げて入渓。

最初の核心は双六谷本流の渡渉。流れは強い。
まずはタケが空身でロープを引いて、流れに乗りながら泳いで対岸に渡る。ザック、N村さん、私の順でロープに引かれて双六谷本流を渡る。

双六谷本流を渡り終えて

水は澄んでいる。河原の石は大きく、いちいち乗り越えるのに体力を要する。私が知っているこれまで登ってきた沢と一味違う。

1時間ほどで現れるトイ状10mの滝は右から巻く。

ゴルジュ帯に入り、4mの滝。記録ではナチプロ+A1で右から越えている。同じライン。チョックストーンにスリングをかけ、さらにカムを使ってスリングアブミで越える。ゴルジュ帯の抜け口には右からの滝。右から巻く。
この先は河原、ナメとつづき、崩壊したような地帯が続く。崩壊したのは最近だろうか。

そろそろ幕場と探そうかという時分に現れた巨岩が積み重なった6mの滝。ボルダームーブを交えて登る。その先を偵察するも、どうやら大ゴルジュ帯に突入しているようだ。倒木にスリングを巻いて、スリングは翌日回収ということでここは懸垂で降りてタープ設営。

翌日の天気は、予報では曇りのち雨。雨が降る前に大ゴルジュ帯は突破したいものだ。夜は暑いくらい。


■8月13日(木)7:00大ゴルジュ帯~10:30大ゴルジュ帯終了~12:30二俣~14:00大滝上部~15:00 1970m地点(泊)

不安な天気。雨がパラつく。本降りになる前に大ゴルジュ帯を突破したいところ。前日に残置したスリングを回収しながら大ゴルジュ帯に突入。


すぐに、長い釜を持つチョックストーン滝が現れる。
ここはタケの機転が功を奏す。

右から取り付いてヘツリながら、途中から左へダイブ!

左の壁に取り付いて登るという技ありのあわせ技1本。ちょっと苦労したのはザックの引き上げ。タケのザックは水流に大いにもまれました。

大ゴルジュ帯の出口、釜の奥に左からの6m滝。ライフジャケットを着けて私がリード。釜は左からヘツリと少しのヘツリ泳ぎで難なく越えられる。滝の水しぶきが当たる位置のカンテには残置ハーケンが2本。ライフジャケットが邪魔して壁に張り付けないのでA0で登る。その後、外傾したバンドを右上するが、スリッピーで怖い。支点も取れず、やたらと時間がかかってしまった。

5mを懸垂で降り、めでたく大ゴルジュ帯突破。天気が崩れる前に突破できてまずは一安心。

いくつもの滝を越え、

40mの滝にいたる。左から高巻く。記録では15分とあるが、我々は20分少々かかった。

まもなく、二俣に到着。
左右から30mの滝が落ち合う。どちらの滝も登れない。本流は右俣。
ここは左の滝を巻いてから尾根を越え、右俣に戻る。

左の滝を巻き終えると、右はガレた斜面。とても登る気にはなれない。その上のナメ滝を登ると、どこからでも尾根を越えて右俣に戻れそう。先には草原状の尾根が見える。草原状の尾根を越えて右俣に戻る選択肢もあったが、ここは目の前のヤブ尾根を越えて行くことにした。後から気づいたが、草原状の尾根を越えて右俣に戻ると大分ショートカットになるようだった。

右俣に戻ると、さらに2段40mの滝。一段目は右側を簡単に登れる。二段目は右のヤブに入って途中から水流のほうに戻り、ヌメった壁を登る。アクアステルスのN村さんは大分苦戦したようだ。おそらく、左俣の草原状の尾根を越えて右俣に戻ると、この滝の上部に抜けるのではないだろうか。

地形図の滝マークに一致する30mの滝は左から巻く。上部は開けていて、ここを幕場としても良さそうだ。

ナメ滝を越えてちょっと行った場所にちょうどいい幕場を見つけたので本日の行動ここまで(15:00)。タープ設営後、土砂降り。行動中にそんなに降らなかっただけラッキー。タケの土木工事で水難の危機は去った。焚き火もできない寒い夜を過ごす。軽量化を優先したあげくの装備、濡れたカッパとシュラフカバーではさすがに寒い。


■8月14日(金)6:30 1970m地点~7:10奥の二俣~11:00稜線~12:00笠ヶ岳山荘~(笠新道)~16:50新穂高温泉

夜は寒く、ちょくちょく目を覚ました。台湾・中国で甚大な被害をもたらした台風8号は温帯低気圧に変わり、その低気圧にともなう寒冷前線は一時的に小倉谷に多量の雨をもたらしたものの、朝には小康状態となり、一時は濁流と化した川の様子も朝には穏やかに流れていた。そらは青空。

30分ほどで奥の二俣へ。山肌には日が差している。この谷に日が差すのももう間もない。


10mの滝は上部の乗越が難しい。ロープを使ってカムを支点にして空身で乗り越える。

5m程度の滝が連続して高度を上げる。次第に流量はなくなり、ガレ場へ。


笠ヶ岳山頂は目の前に迫る。
10:00双六谷パーティーとあらかじめ決めていた無線交信時刻。交信が取れる。双六谷パーティーは水量が多く、入渓を見合わせたとの事。

核心はここからだった。30cm角のガレが行く手を阻む。慎重にガレ場を詰め、支尾根から主稜線へ出たのが11:00。槍・穂高の眺めが最高。笠ヶ岳山頂では濡れたロープやタープを乾かしながらくつろぐ。

笠新道を経て新穂高へ。この日にうちに帰京するのは無理とのことで、最終のバスで平湯まで出る。タケが見つけた素泊まり1400円の超豪華温泉に泊まって旅行気分を味わいながら、翌15日帰京。