2009年9月27日日曜日

利根川本谷

9月5連休、アドベンチャーレース関連でキャニオニングという名目で利根川源流を下降するという酔狂な企画が上がっていました。関わるつもりはなかったのですが、そこはⅤ級にランクされている沢の魅力というものか、自然と資料に目が行く。調べを進めるうちに利根川本谷に興味がわいてきました。そんなタイミングでのM野さんからのお誘い。最近一緒に沢に行っているカッシー、ハニワくん、タケも誘って3泊4日で行って来ました。

聞けば利根川本谷、核心は雪渓の処理とエスケープがないという点。それを除けば巻きは簡単、岩は順層でかっちりしていてヌメらないという。
この5連休の天気は今シーズンには珍しく、期間前に雨が降っていないのに加え期間中の好天が約束された。さらには近年の例に漏れない少雪。Ⅴ級とは思えない癒しの沢になりました。


■メンバー:M野さん(リーダー)、カッシー、ハニワくん、タケ、私
■9月19日 晴れ 十字峡:車デポ~(車)~9:00八木沢ダム~(ボート)~9:30入渓~15:30巻淵上流(泊)

前夜、十字峡小屋に集合。素泊まり1000円。ついつい酒がすすんで夜更かし。タケは風邪(インフルエンザ?)らしい。
十字峡に車を一台デポし、もう一台で八木沢ダムへ。ダムではアドベンチャーレース関係の下降パーティーのT氏が準備を進めていた。

T氏やダムの係員と世間話をしているうちに30分の遅れ。そもそも今回は好天が約束された3泊4日は余裕の日程。釣りをしながらゆっくり遡行するのであせる必要はない。

ダムは最近の好天続きで水は少ない。ボートが入れるのは赤倉沢の手前まで。

ぬかるんだ湖岸を渡渉を交える。右岸の登山道?を歩き、水長沢へ。さっそく竿を出す。いち早く竿を出したM野さんはさっそくウグイをヒット。私も小さいウグイを釣り上げる。そうこうしているうちに後続のパーティー(同じ会のパーティー)に抜かされる。私はねばってヤマメを釣り上げる。

要所要所で竿を出すが、釣れるのはウグイがほとんど。巻淵を越えたことろの砂の河原でビバーク。薪は大量にある。

■9月20日 晴れ 7:00出発~7:40越後沢出合(釣りタイム)~10:00ヒトマタギ~15:00滝が倉出合上流河原

30分程度で越後沢出合に到着。尾根沿いに幕場となりそうな箇所がいくつかある。ここで時間をとって釣りタイム。越後沢に入って釣りをするも全然釣れない。

気を取り直して9時過ぎに出発。ここからが剣ヶ倉土合といって、渡渉とヘツリの連続になる箇所だ。最初は尾根を登ってショートカットしようとしたが、途中で踏み跡がなくなって沢に戻される。今回は水量が少ないので沢伝いに歩いたほうが実は全然早いようだ。


ヒトマタギでのお決まりのポーズは『やらなければいけない』という微妙な強迫観念に苛まれる。

剣ヶ倉土合の最後のゴルジュは泳ぐ。



無理にへつろうとした私はドボン。

剣ヶ倉土合を過ぎて幕場を探す。滝ヶ倉を過ぎた広い河原で泊まるとする。ここまで2日間、ほとんど標高をあげていない。

焚き木はちょっと上流から切り取って拾ってくる。M野さんは釣りに繰り出し、なんと27cmの岩魚を釣ってきた。これは刺身用だ。



ほどよく夕飯の支度ができた18:00過ぎ、アドベンチャーの下降組7人が降りてきた。ちょうど同じところで泊まるということで、焚き火でもてなし語らい会った。雪渓が残るのは1箇所で崩れているとの情報を得る。


■9月21日 晴れ 7:00出発~9:20裏越後沢出合~11:00魚止メ滝~14:00利根大滝~16:30西小沢手前河原

6:20に下降組が先に出発。


これを最後に、私のカメラの液晶ディスプレーが壊れる。撮影はできてるようだが、なにをとっているのかさっぱり分らない。

オイックイと呼ばれる箇所は2時間程度で通過。雪渓は情報どおりで、崩れているところを登って越える。普通ならもっと大量の雪が残っていてかなり手こずるとのこと。

裏越後沢の出会いではまだ焚き火跡がくすぶっていた。先行パーティーのものだ。

狭くて暗いゴルジュ帯は泳いで突破。何のためらいもなく泳ぎだすタケ。もう風邪はほとんど治ったようだ。率先して泳ぐメンバーがいると後続の心理的ためらいは少ない。存分に泳いだ後は、日のあたる河原でひなたぼっこ。ほぼ全裸になって濡れた衣服を乾かす。太陽に感謝。

魚止めの滝は左から巻く。釜を持った滝も一緒に巻いて、微妙なトラバースを交えて沢に戻る。

しばらくすると先行に追いつく。ロープをだして滝を登っている最中だ。
先行が登り終えるのを待って、ここは私がリード。滑りそうだがガバなので問題なし。支点のカムがばっちり決まる。落ち口付近の残置を使い、ハーケンを打ち足してビレー。

いくつかの滝をロープを使って登り、20mの利根大滝へ。先行を待ってここはM野さんリード。水線右側の斜面を登る。岩がかっちりしていて順層でホールド豊富。登りやすい滝だ。中間支点は残置ハーケンと潅木。

BP予定のハト平は先行Pで埋まっていたので30分程度上流に登る。なかなかいい幕場があるではないか。これが最後の夜。3日とも極上幕場と盛大な焚き火とはなんとも贅沢な山行である。でも酒がちと少なかったか。


■9月22日 小雨~くもり 7:00出発~9:30人参滝~11:00赤沢滝~12:30稜線~12:50大水上山~16:00林道~16:50十字峡

どんどん滝が出てくる。

ハニワくんは微妙なヘツリで越えていく。私はというと、めんどくさいので巻く。
私一人巻いたら10m滝も一緒に巻くことになった。ということで上からロープを垂らして皆登る。釜でずぶぬれになる皆。一人滝の上でのんびりしてる私。



人参滝。名前の由来は高麗人参か?
ここは右側を巻く。沢に下りるのが微妙に悪かった。

深山滝20mはハニワくんがリード。岩は基本かっちりしているが、ハーケンを打つとリスが広がる。落ち口がスリッピー。

赤沢滝は4段20m。

最後の段はシャワーで上るが、ここまでほとんど濡れずにきた私はここでも濡れないラインを付く。

大きな滝としては最後となる水上滝。記録では15mとあるが、せいぜい10mだろう。
水が枯れる前に大休止をとり、詰めあげる。藪はない。


さすがに利根川源流。山深い。


色づいたばかりの紅葉はなかなかだ。

大水上山に立ち寄って十字峡へと下山。Ⅴ級の沢と恐れをなしていたが、コンディションが良かったことに加え余裕の日程ということもあり一転して癒しの沢になりました。

2 件のコメント:

たいすけ さんのコメント...

いいですねぇ
私も経験があれば絡みたかった。
来シーズンも是非とも沢登りにお誘いくださいませ。

タケ さんのコメント...

行きましょう。行きましょう。
やっぱり焚き火ができる沢がいいねぇ。

雪のシーズンもどこぞやでお会いしましょう。