新潟からゲストを招聘して富士山へ。土曜は土砂降り。日曜は冬型っぽい感じ。土曜の雨(山では雪)が吉と出るか凶と出るか。
■メンバー
F神さん、S藤さん(特別ゲスト)、私
■タイム
6:00御殿場口(1440m)~7:30小屋(2090m)※1時間くらい停滞~12:00七合目(3040m)~13:30小屋~14:20御殿場口
朝、御殿場口についてみると、どんよりした天気。晴れる予報なのに。
とりあえずは仕度して出発。ブーツは板にセットしてその板をザックにくくりつけてスニーカーで登りだす。風は強く、突風にあおられた砂粒がバシバシ当たる。600mくらい登って小屋(?)に到着。風をよながら天気の回復を待つ。
山頂まできれいに見えた。これは登らねば!
いそいで荷物を取りに戻って行動開始。100mちょっと登ってシールに替える。ところどころ完全な氷。氷を踏まないように雪面に注意を払いながら登る。時折、突風とともに砂粒が襲ってくる。
それにしても、ここの登りは障害物が全然無い。それだけに滑落したらどこまでも落ちそう。休憩できるテラスもそんなにない。徐々に雪面が固くなってきたのでクトーを装着したいのだが。安全な場所が見つからない。まあ、このくらいは想定してたので。ピッケルを刺してセルフを取ってクトー装着。相変わらず風は強い。霧が濃くなる瞬間もある。
強い風でいちいち立ち止まって待つのでスピードは出ない。
そして休憩中にやってしまった、ザックコロコロ。テラスっぽくなっている場所で休憩中、突風が吹いたのでピッケルを刺して身を守る。でも守っていたのは自分の身だけ。無防備なザックはコロコロと斜面を転がっていった。夏道沿いに張ってあるロープもすり抜けるとあとは障害物の無い斜面を本日一番乗りで滑り落ちていく。そういえばアイゼンも中に入っていたっけ。本日の行動はこれまでかと思ったら、不思議に数十メートル下の斜面で止まる。
F神さんがアイゼンに履き替えて取ってきてくれた。ありがとうF神さん。こんど餃子の王将ごちそうします。
七合目の小屋の手前で猛烈な突風。やばい風だ。七合目の小屋で引き返すことにする。
滑り出すとなかなかガリガリな斜面。
高度を落とすといい感じのザラメ。
宝永山の火口であてこみ。スケールがでかすぎて距離感読み誤った感じが良く出てますね。
標高差800mの高度さはあっという間に滑り降りる。あとは歩いて下山の800m。
1600mの標高差を登って滑ったわりにぜんぜん疲労していない。やはり富士山は特殊な山だなと感じた瞬間。
2009年4月28日火曜日
2009年4月22日水曜日
白山1Day
マウンテンバイクとスキーを組み合わせて白山に行ってきました。それにしても白山遠いよ。
行きは上信越道、北陸道で東京、埼玉、群馬、長野、新潟、富山を経由して石川へ。白山山頂で岐阜の地を踏んで。帰りは北陸道、中央道で、石川、富山、新潟、長野、山梨、神奈川を経由して東京に帰る。実に1都9県をめぐる小旅行。
ETCで高速料金1000円だからこそなせる技。
ハニワ君、キャラバン出してくれて、さらにマウンテンバイク貸してくれてありがとう!
■メンバー
リーダーF神(山スキー)、N島(山スキー)、ハニワ(テレマーク)、私(山スキー)
■4月18日(土) 晴れ
6:00京王線つつじヶ丘駅~17:00白峰ゲート
ハニワ車にてメンバーをピックアップ。4人分のマウンテンバイクと山スキーの装備でキャラバンは満載。練馬ICから関越~上信越~北陸道を経て金沢西ICにて降りる。高速道路は距離462kmにして料金は大都市近郊区間の分を含めて1850円。
餃子の王将で腹ごしらえをして白峰ゲートに向かう。翌日深夜出発に備えて準備を整え、軽く宴会をして20:30就寝。
■4月19日(日) 晴れ
2:30白峰~4:30別当出合~10:30白山山頂~13:50白峰
山スキーの装備を担いでマウンテンバイクで白峰ゲート(510m)を出発。雪は全然無い。暗闇の中ヘッデンをつけてマウンテンバイクを漕ぐこと1時間半で別当出合(1240m)に到着。ここまではきれいに除雪してある。ここでマウンテンバイクをデポして出発準備。その間にヘッデンなしで行動できるほどに明るくなっていた。
しばらくは雪のない夏道を歩く。別当谷を渡る吊橋は踏み板が外されている。足を滑らせないよう鉄骨の上を慎重に渡る。
1450m付近でようやくスキーに履き替える。日が当っていないせいで、ザラメはまだ固い。傾斜の緩いところを選んで登る。あとは疎らな樹林帯をひたすら標高を上げる。
甚之助小屋(1970m)は雪面から屋根だけが出ていた。この辺まで来るころにはだいぶ日差しが強くなっていてTシャツ1枚になって登る。
2100m付近から左にトラバースして岩を一つ越え、急なルンゼをシールで登る。
稜線まで抜けると白山が姿を現す。東面台地から登ってきたと思われる登山者がピークを目指しているのが見える。
弥陀ヶ原(2350m)を経て室堂平(2450m)に至ると白山の山頂はすぐそこ。慣れないマウンテンバイクを合わせて、すでに2000m近く登って疲れている我々には残りの250mはなかなか遠く、50分をかけてようやく山頂に到着。
山頂のすぐ下からエントリー。室堂平までは雪のあるところをつないで滑降。週半ばに降った雪は完全にはザラメ化しておらず、ところどころストップ雪になっている。弥陀ヶ原からは黒ボコ岩直下にエントリー。程よいザラメが育っている。ただし雪面には大小の落石が埋まっているので注意。
2280m付近からトラバースして、登ってきた尾根に戻る。立ち木に気をつけながら滑降。途中数人の登山者とすれ違う。1600m付近で林道に出て、あとは林道を滑って降りる。途中、数回板を脱いだだけで別当出合いまでは滑って降りることができた。
別当出合いからマウンテンバイクで30分くらいで白峰まで降りる。最後はペダルを漕げないほどお尻が痛かった。
帰京のルートは金沢西ICから中央道を経由して調布ICまで。距離は525kmにして料金は1300円。
行きは上信越道、北陸道で東京、埼玉、群馬、長野、新潟、富山を経由して石川へ。白山山頂で岐阜の地を踏んで。帰りは北陸道、中央道で、石川、富山、新潟、長野、山梨、神奈川を経由して東京に帰る。実に1都9県をめぐる小旅行。
ETCで高速料金1000円だからこそなせる技。
ハニワ君、キャラバン出してくれて、さらにマウンテンバイク貸してくれてありがとう!
■メンバー
リーダーF神(山スキー)、N島(山スキー)、ハニワ(テレマーク)、私(山スキー)
■4月18日(土) 晴れ
6:00京王線つつじヶ丘駅~17:00白峰ゲート
ハニワ車にてメンバーをピックアップ。4人分のマウンテンバイクと山スキーの装備でキャラバンは満載。練馬ICから関越~上信越~北陸道を経て金沢西ICにて降りる。高速道路は距離462kmにして料金は大都市近郊区間の分を含めて1850円。
餃子の王将で腹ごしらえをして白峰ゲートに向かう。翌日深夜出発に備えて準備を整え、軽く宴会をして20:30就寝。
こんな感じでパッキング。これを背負ってマウンテンバイクで移動だ。
■4月19日(日) 晴れ
2:30白峰~4:30別当出合~10:30白山山頂~13:50白峰
山スキーの装備を担いでマウンテンバイクで白峰ゲート(510m)を出発。雪は全然無い。暗闇の中ヘッデンをつけてマウンテンバイクを漕ぐこと1時間半で別当出合(1240m)に到着。ここまではきれいに除雪してある。ここでマウンテンバイクをデポして出発準備。その間にヘッデンなしで行動できるほどに明るくなっていた。
しばらくは雪のない夏道を歩く。別当谷を渡る吊橋は踏み板が外されている。足を滑らせないよう鉄骨の上を慎重に渡る。
まさに危ない橋を渡る。
1450m付近でようやくスキーに履き替える。日が当っていないせいで、ザラメはまだ固い。傾斜の緩いところを選んで登る。あとは疎らな樹林帯をひたすら標高を上げる。
甚之助小屋(1970m)は雪面から屋根だけが出ていた。この辺まで来るころにはだいぶ日差しが強くなっていてTシャツ1枚になって登る。
まだまだ遠い。
向こうに見える別山の斜面はことのほか綺麗だ。
2100m付近から左にトラバースして岩を一つ越え、急なルンゼをシールで登る。
ようやく白山のピークが見えてきた。
弥陀ヶ原(2350m)を経て室堂平(2450m)に至ると白山の山頂はすぐそこ。慣れないマウンテンバイクを合わせて、すでに2000m近く登って疲れている我々には残りの250mはなかなか遠く、50分をかけてようやく山頂に到着。
山頂のすぐ下からエントリー。室堂平までは雪のあるところをつないで滑降。週半ばに降った雪は完全にはザラメ化しておらず、ところどころストップ雪になっている。弥陀ヶ原からは黒ボコ岩直下にエントリー。程よいザラメが育っている。ただし雪面には大小の落石が埋まっているので注意。
N島さん。
私。
ハニワくん
F神さん。
2280m付近からトラバースして、登ってきた尾根に戻る。立ち木に気をつけながら滑降。途中数人の登山者とすれ違う。1600m付近で林道に出て、あとは林道を滑って降りる。途中、数回板を脱いだだけで別当出合いまでは滑って降りることができた。
別当出合いからマウンテンバイクで30分くらいで白峰まで降りる。最後はペダルを漕げないほどお尻が痛かった。
帰京のルートは金沢西ICから中央道を経由して調布ICまで。距離は525kmにして料金は1300円。
2009年4月6日月曜日
湯河原幕岩
3月は厳しい山行が続いたので、
今週は軽めに。
土曜は休養日。
日曜は最近入会した会員向けのロープワーク講習会@湯河原幕岩。新人・ベテラン、さらには入会希望者も含めて総勢12名。入会希望者のT井さんはクライミング未経験。それでもものすごいガッツで、墜落を繰り返しながらも。果敢に登っていました。
練習した内容は、
個人の技量に合わせて。
墜落を止める練習。墜落する人は毎度おなじみの名スタントマンN籐さん。手繰り落ちの見本までやってしまう。
スタントマン見習いの私も実演。あまりの役者ぶりに誰も演技と気付かなかったでしょ?
そう、演技なんですよ。
あの墜落は。。。
フリーの岩場にはめったに来ませんが。たまにはいいものです。
クライミングはここ1カ月ほどインドアにも行っていないので。
しょぼすぎて何も言えません。
今週は軽めに。
土曜は休養日。
日曜は最近入会した会員向けのロープワーク講習会@湯河原幕岩。新人・ベテラン、さらには入会希望者も含めて総勢12名。入会希望者のT井さんはクライミング未経験。それでもものすごいガッツで、墜落を繰り返しながらも。果敢に登っていました。
練習した内容は、
- ロープの結び方
- トップロープクライミング
- リードクライミング(一部の人)
- 懸垂下降
- 終了点工作(一部の人)
- ビレー(リードの墜落を止める)
個人の技量に合わせて。
墜落を止める練習。墜落する人は毎度おなじみの名スタントマンN籐さん。手繰り落ちの見本までやってしまう。
スタントマン見習いの私も実演。あまりの役者ぶりに誰も演技と気付かなかったでしょ?
そう、演技なんですよ。
あの墜落は。。。
フリーの岩場にはめったに来ませんが。たまにはいいものです。
クライミングはここ1カ月ほどインドアにも行っていないので。
しょぼすぎて何も言えません。
2009年4月1日水曜日
黒部横断
M浦さんからのお誘いを受け、黒部横断に行ってきました。M浦さんは、黒部横断は今回で9回目となる大ベテラン。おおいに勉強させてもらいました。
日程は天気次第というサラリーマンスキーヤーには厳しい条件ではありましたが、29日~31日(1泊2日+予備日)に決定し、月曜と火曜に休暇を取得して決行。
Fatな板しかもっていない私は道具の面で心配していましたが、M浦さんが北岳バットレスを滑った板で、その後N島さんがしばらく使用していた板を借り受けることになりました。
Atomic βride。名器です。
初めて使う板ということで、それはそれで心配なのですが、なんといってもその軽さが魅力。この軽さを知ってしまったらもう重い板には戻れない。。。
とにかく、
天気良し、パウダー良し、湖面凍結良し。予想以上のラッセルで時間がかかって予備日を使ったものの、充実の山行となりました。
■3月29日(日)晴れ 4:12 日向山ゲート - 6:30 扇沢 - 13:30 スバリ岳 - 17:00 黒部湖畔 (距離:13km 登り:1700m 下り:1300m)
タクシーにて日向山ゲートに移動。きれいに除雪された道路を1時間歩いた後、林道からスキーにて移動。雪は少なく、普段は雪で埋まっているはずの堰堤が出ていたり沢が割れていたりで、巻きやスノーブリッジの通過を強いられる。それでいて週半ばの降雪によるラッセルとはなんとも皮肉。雪崩もおおいに考えられるので頻繁にピットチェックを行う。
針ノ木雪渓からマヤクボ沢を登り、行動開始から8時間。ようやく針ノ木岳~スバリ岳のコルにでる。
黒部湖を眺める。
心配していた湖面の凍結具合も大丈夫なように見えたので、ここであらためて黒部横断を決める。ここからはアイゼン・ピッケルに変えて登ること1時間、スバリ岳山頂に到着。滑降ルートは大スバリ沢。いざ黒部湖に向かってドロップ!と思いきや、ラッセルを強いられた東面とは裏腹に西面は雪がない。岩が露出している。全部風で飛ばされているということか。仕方ないのでクライムダウンして滑れそうなところまで移動。
エントリーはガリガリ。
でもその後パウダー!
快適に飛ばす。。。
つもりが、、、
慣れない細板でトップを浮かせられない。トップが雪面にもぐりこんででんぐり返し×3。荷物が多いだけにダメージが大きい。とりあえずテールを使った浅い小回りで恐る恐る板をコントロールして滑る。でも調子に乗るとまたでんぐり返し。ようやく慣れてきたころにはパウダー斜面終了。
さて、出ました大滝。山スキーには付き物の障害物。この処理をどうするかで軽く数時間の差が生じる。M浦さんは前回右岸をまいて酷く苦労したとのこと。
今回は左岸の雪壁を登って隣のルンゼに抜ける。
スマートな抜け方。
他に悪い箇所は無いはず。と思ったが今年は寡雪。もうひとつ滝が出ていた。ロープを出して偵察便を出す。その結果、右の尾根を越えると行けることが判明。
あとはデブリを処理して湖畔まで。横断は翌日に持ち越し。朝のまだ寒い時間のほうが安全確実ということ。
水のとれる川の近くでツエルトを張る。だいぶ寒い。この時期としては異様に寒い。今回は軽量化のためシュラフは薄い。防寒装備もたいして持たない。寒すぎて夜は何度も目を覚ました。
■3月30日(日)晴れ 6:00 幕場発 - 6:15 黒部湖横断 - 14:15 一ノ越 - 15:30 雄山 - 16:00 室堂 (距離:10km 登り:1500m 下り:700m)
朝イチで黒部湖を横断。朝のほうがしっかり凍っているので安全ということ。氷の上に積もった雪がモナカ状になっていて、踏むと沈む。なんだか氷が沈んでいるような感触で心臓に良くない。黒部湖の横断は3度目となるM浦さんはそんな動揺をよそに早くも対岸にたどりつく。
実は上陸も難しいポイントの一つ。流れがある箇所では氷ができないので湖から沢にそのまま入ることはできないが、いったいどこまで沢に近づけるか。度胸試しではないので安全を見てかなり手前から上陸する。アイゼン・ピッケルに切り替えて湖岸の雪のブロックを攀じ登る。
御山谷の始めは沢が出ていて、スノーブリッジの通過や巻きがけっこう悪い。狭い箇所やデブリが押し寄せている場所もあり気が抜けない。そのうえラッセルもある。このラッセルがずっと続くと思うと気が滅入る。
北に向きをかえるあたりで谷は急に開ける。このあたりからラッセルがだいぶ楽になった。あとはひたすら登るのみ。
とにかく日差しが強い。目出帽を頭までめくり上げて、めくった部分に雪をはさむ。これは効果的な冷却剤となる。ただし、雪を入れすぎると解けた水が滴って、せっかく塗った日焼け止めが落ちてしまうので注意。
黒部横断から8時間。ようやく一ノ越に到着。室堂が一望できる。雪はこの時期にしては少ないという。GW並みか。
人がいない室堂。これはアルペンルートが開通していないこの時期ならではの風景。せっかくなので雄山に登って山崎カールを独り占め(二人占め?)しようという魂胆。
アイゼンとピッケルに替えて雄山まで登る。山崎カールは上部がガリガリ。注意して標高を落とすとローソク岩のちょっと上からパウダー。これだけの好条件なら細板でもパウダーを乗りこなせる。
どこまでも続くノートラックの斜面。振り返ると2人のシュプールだけがいつまでも残っている。
贅沢な室堂の使い方。
その日は時間切れで下山できないので室堂ビバーク。前日より1000mほど標高が高い場所ということもあり、寒いことを懸念したが。懸念したとおりに寒かった。いやそれ以上に寒かった。
寒すぎて熟睡できず。
■3月31日(火)晴れ 5:30 幕場発 - 6:30 室堂乗越 - 立山川 - 8:45 馬場島 - 10:15 ゲート (距離:16km 登り:200m 下り:2000m)
下山のみだが、立山川の状況次第なので時間が読めない。情報によると毛勝谷より下は沢が出ていて時間がかかるという。早めに行動を始める。室堂乗越までの登りはウォーミングアップにちょうどいい。北面のエントリーはガリガリの箇所と、パウダーの箇所。もちろんパウダーの箇所からエントリー。いい雪。この山行最後のパウダーをしばし堪能。
1800mくらいからはターンがぜんぜんできないモナカ雪。手を斜面につこうとすると、ずぼずぼ潜って起き上がれなくなるくらいのモナカ雪。斜滑降もしくは横滑りしてキックターンでノロノロと進む。
情報どおり毛勝谷より下流は沢が出ている。
高巻などで処理。スナクボ岩屋のあたりは狭くなっていて両岸が立っている。雪崩も懸念したが、どうやらいまのところ雪は落ち着いている様子。日が当たってくると雪崩も起きてくるはず。
デブリの処理、高巻きなどを繰り返す。渡渉は1回、ここは開き直ってジャブジャブ渡って林道に出る。立山川は懸念したほど悪くなかった。朝ということが決め手だったのだろう。日中になると日差しと高温で雪崩の危険が高まり、さらに流量も増えて渡渉は楽ではなかったはず。
馬場島まで林道を滑降して黒部横断の終了。駐在員に挨拶をする。滑りと歩きを交えてゲートまで移動し、上市までタクシー。温泉につかって富山へ移動。ランチタイムの時間帯にもかかわらず祝杯を挙げる。余韻に浸ってついつい長居する。特急と新幹線で帰京。富山から眺める山々は真っ白。降ったばかりなのだろう。まだまだ滑れそう。この辺の地理に疎い私にはその山がどこの山なのかわからない。
日程は天気次第というサラリーマンスキーヤーには厳しい条件ではありましたが、29日~31日(1泊2日+予備日)に決定し、月曜と火曜に休暇を取得して決行。
Fatな板しかもっていない私は道具の面で心配していましたが、M浦さんが北岳バットレスを滑った板で、その後N島さんがしばらく使用していた板を借り受けることになりました。
Atomic βride。名器です。
初めて使う板ということで、それはそれで心配なのですが、なんといってもその軽さが魅力。この軽さを知ってしまったらもう重い板には戻れない。。。
とにかく、
天気良し、パウダー良し、湖面凍結良し。予想以上のラッセルで時間がかかって予備日を使ったものの、充実の山行となりました。
■3月29日(日)晴れ 4:12 日向山ゲート - 6:30 扇沢 - 13:30 スバリ岳 - 17:00 黒部湖畔 (距離:13km 登り:1700m 下り:1300m)
タクシーにて日向山ゲートに移動。きれいに除雪された道路を1時間歩いた後、林道からスキーにて移動。雪は少なく、普段は雪で埋まっているはずの堰堤が出ていたり沢が割れていたりで、巻きやスノーブリッジの通過を強いられる。それでいて週半ばの降雪によるラッセルとはなんとも皮肉。雪崩もおおいに考えられるので頻繁にピットチェックを行う。
黒部湖を眺める。
心配していた湖面の凍結具合も大丈夫なように見えたので、ここであらためて黒部横断を決める。ここからはアイゼン・ピッケルに変えて登ること1時間、スバリ岳山頂に到着。滑降ルートは大スバリ沢。いざ黒部湖に向かってドロップ!と思いきや、ラッセルを強いられた東面とは裏腹に西面は雪がない。岩が露出している。全部風で飛ばされているということか。仕方ないのでクライムダウンして滑れそうなところまで移動。
エントリーはガリガリ。
でもその後パウダー!
快適に飛ばす。。。
つもりが、、、
慣れない細板でトップを浮かせられない。トップが雪面にもぐりこんででんぐり返し×3。荷物が多いだけにダメージが大きい。とりあえずテールを使った浅い小回りで恐る恐る板をコントロールして滑る。でも調子に乗るとまたでんぐり返し。ようやく慣れてきたころにはパウダー斜面終了。
さて、出ました大滝。山スキーには付き物の障害物。この処理をどうするかで軽く数時間の差が生じる。M浦さんは前回右岸をまいて酷く苦労したとのこと。
今回は左岸の雪壁を登って隣のルンゼに抜ける。
スマートな抜け方。
他に悪い箇所は無いはず。と思ったが今年は寡雪。もうひとつ滝が出ていた。ロープを出して偵察便を出す。その結果、右の尾根を越えると行けることが判明。
あとはデブリを処理して湖畔まで。横断は翌日に持ち越し。朝のまだ寒い時間のほうが安全確実ということ。
水のとれる川の近くでツエルトを張る。だいぶ寒い。この時期としては異様に寒い。今回は軽量化のためシュラフは薄い。防寒装備もたいして持たない。寒すぎて夜は何度も目を覚ました。
■3月30日(日)晴れ 6:00 幕場発 - 6:15 黒部湖横断 - 14:15 一ノ越 - 15:30 雄山 - 16:00 室堂 (距離:10km 登り:1500m 下り:700m)
朝イチで黒部湖を横断。朝のほうがしっかり凍っているので安全ということ。氷の上に積もった雪がモナカ状になっていて、踏むと沈む。なんだか氷が沈んでいるような感触で心臓に良くない。黒部湖の横断は3度目となるM浦さんはそんな動揺をよそに早くも対岸にたどりつく。
実は上陸も難しいポイントの一つ。流れがある箇所では氷ができないので湖から沢にそのまま入ることはできないが、いったいどこまで沢に近づけるか。度胸試しではないので安全を見てかなり手前から上陸する。アイゼン・ピッケルに切り替えて湖岸の雪のブロックを攀じ登る。
攀じ登った大地から沢に下降する際、モナカ雪に足を取られてアイゼンをふくらはぎに刺す。怪我は無いと思っていたが、あとで確認したらふくらはぎに裂傷というか穴が開いていた。流血はしていないが。
御山谷の始めは沢が出ていて、スノーブリッジの通過や巻きがけっこう悪い。狭い箇所やデブリが押し寄せている場所もあり気が抜けない。そのうえラッセルもある。このラッセルがずっと続くと思うと気が滅入る。
北に向きをかえるあたりで谷は急に開ける。このあたりからラッセルがだいぶ楽になった。あとはひたすら登るのみ。
とにかく日差しが強い。目出帽を頭までめくり上げて、めくった部分に雪をはさむ。これは効果的な冷却剤となる。ただし、雪を入れすぎると解けた水が滴って、せっかく塗った日焼け止めが落ちてしまうので注意。
黒部横断から8時間。ようやく一ノ越に到着。室堂が一望できる。雪はこの時期にしては少ないという。GW並みか。
人がいない室堂。これはアルペンルートが開通していないこの時期ならではの風景。せっかくなので雄山に登って山崎カールを独り占め(二人占め?)しようという魂胆。
アイゼンとピッケルに替えて雄山まで登る。山崎カールは上部がガリガリ。注意して標高を落とすとローソク岩のちょっと上からパウダー。これだけの好条件なら細板でもパウダーを乗りこなせる。
どこまでも続くノートラックの斜面。振り返ると2人のシュプールだけがいつまでも残っている。
贅沢な室堂の使い方。
その日は時間切れで下山できないので室堂ビバーク。前日より1000mほど標高が高い場所ということもあり、寒いことを懸念したが。懸念したとおりに寒かった。いやそれ以上に寒かった。
寒すぎて熟睡できず。
■3月31日(火)晴れ 5:30 幕場発 - 6:30 室堂乗越 - 立山川 - 8:45 馬場島 - 10:15 ゲート (距離:16km 登り:200m 下り:2000m)
下山のみだが、立山川の状況次第なので時間が読めない。情報によると毛勝谷より下は沢が出ていて時間がかかるという。早めに行動を始める。室堂乗越までの登りはウォーミングアップにちょうどいい。北面のエントリーはガリガリの箇所と、パウダーの箇所。もちろんパウダーの箇所からエントリー。いい雪。この山行最後のパウダーをしばし堪能。
1800mくらいからはターンがぜんぜんできないモナカ雪。手を斜面につこうとすると、ずぼずぼ潜って起き上がれなくなるくらいのモナカ雪。斜滑降もしくは横滑りしてキックターンでノロノロと進む。
情報どおり毛勝谷より下流は沢が出ている。
高巻などで処理。スナクボ岩屋のあたりは狭くなっていて両岸が立っている。雪崩も懸念したが、どうやらいまのところ雪は落ち着いている様子。日が当たってくると雪崩も起きてくるはず。
デブリの処理、高巻きなどを繰り返す。渡渉は1回、ここは開き直ってジャブジャブ渡って林道に出る。立山川は懸念したほど悪くなかった。朝ということが決め手だったのだろう。日中になると日差しと高温で雪崩の危険が高まり、さらに流量も増えて渡渉は楽ではなかったはず。
馬場島まで林道を滑降して黒部横断の終了。駐在員に挨拶をする。滑りと歩きを交えてゲートまで移動し、上市までタクシー。温泉につかって富山へ移動。ランチタイムの時間帯にもかかわらず祝杯を挙げる。余韻に浸ってついつい長居する。特急と新幹線で帰京。富山から眺める山々は真っ白。降ったばかりなのだろう。まだまだ滑れそう。この辺の地理に疎い私にはその山がどこの山なのかわからない。
そういえば今日はエイプリルフール♪
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