Y田さんのお誘いにて。
白馬岳主稜を登って白馬沢左俣を滑降というクライム&ライド的なスタイル。50mロープ、ダブルアックスを装備。
主稜の雪庇の抜けはトンネルが出来ているという情報。
雪庇が割れたという情報。
トンネルは板を担いで通過出来るのか?
雨と高温は過去の雪庇崩落事故と状況が似ているという懸念。などなど。
すでに雪庇が崩れていれば危険は少ないが、現地で見てみると立派な雪庇がせり出しているのがわかる。雪庇を抜けるかどうかは現場判断になる。
■5月9日(日)晴れ
■メンバー:Y田さん、私
■タイム:4:00猿倉~5:00白馬尻~10:00白馬岳~11:10白馬尻~11:40猿倉
土曜日の昼に都内を主発して夕方猿倉入り。駐車場でテント泊。
4時、ヘッデンをつけてスキーで出発。すでに幾パーティーもが出発しているのがわかる。白馬尻に移動するまでの間で明るくなる。主稜にはいくつかのパーティーが取り付いているのが見える。
主稜の取付きで板を担いでアイゼンにチェンジ。シールはもう使わないということで、取付きにデポ。急な雪壁を登って標高をあげる。まだ緩んでいない雪。トレースはしっかりついていて、アイゼンはばっちり決まる。
人気ルートゆえ何人も登っているが、スキーを担いでいるのはわれわれだけのようだ。
急な雪壁で標高を稼いで、雪の稜線に上がったところでダブルアックスに切り替える。稜線上の『アップ』『ダウン』。『ダウン』がことのほか少なく『アップ』で標高をぐんぐん上げる。とろろどころ雪が切れていてワンポイントで岩登りや木登りを駆使する。担いだ板が邪魔になるようなモノは少ししか無い。
主稜の途中から撮影した白馬岳。写真では見にくいが、ピークには大きく雪庇が張り出している。
ナイフリッジも、トレースばっちり。担ぎスキーの最大の弱点の風も全く無い。
雪を確かめながらの歩行。雪は懸念したほど緩んでいない。気温も不快なほどは高くはない。主稜から白馬沢側にせり出す雪庇も割れているところはあっても接合はしっかりしている。この様子なら頂上の雪庇も崩れることはまずないとの確信を得る。
先行パーティーがロープを出して登る。雪庇の抜け口にはトンネル。
一度はロープを準備したものの、ダブルアックスだし、トレースもばっちりあるので、ここはノーロープで行こうという結論。
ガシガシ登って、雪庇のトンネルを超える。(Y田さん撮影)
板を担いでも通れる雪庇のトンネル。最初にここを掘った方に感謝です。
トンネルを抜けると20mで白馬岳ピーク。素敵なロケーション。風が強いのでそそくさとピークをあとにする。
ピーク周辺は巨大な雪庇がせり出しているのでエントリーは不可。
稜線上からちょうど、登ってきた雪壁が横から見える。
稜線通しで北に300mくらい下ったところでエントリーできるようだ。
準備を終えていざ。(Y田さん撮影)
ハーネスは装着したまま。ピッケルを1本腰に差して滑降準備完了。
エントリーすると、稜線上の強風は嘘のように。気温はむしろ暑いくらい。すぐに頂上直下からのラインに合流する。
ターンする度にザラメのスラフが流れる。ザラメのスラフはいつまでもいつまでも流れ続ける。流れた跡は深く溝を刻む。連続ターンをすると自分で流したスラフに足元をすくわれる。なかなか快適には滑らせてくれない斜面。
白馬沢左俣を上から。(Y田さん撮影)
フォールラインのノドは通過できない。右にトラバースしてラインを変える。リッジの乗越は雪面が固いのでピッケルに持ち替える。まだまだ続く狭い急斜面。スラフをよけながらようやく、傾斜がゆるんだ広いデブリの斜面に出る。
白馬沢を下から。
デブリを処理し、ようやく快適なザラメ斜面。快適な斜面は短い。白馬尻にてシールを回収しながら大休止。あとは10分くらい滑って猿倉へ。
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