2010年8月22日日曜日

三面川竹ノ沢中ノ俣沢

■メンバー
A久さん(リーダー)、S田さん、私
■タイム
8/11(水) 晴れ 7:30奥三面ダム車止め~竹ノ沢出合~スダマ沢出合(泊)
8/12(木) 晴れのち台風 5:10スダマ沢出合~9:30金堀沢出合~14:00ワカバ沢出合(泊)
8/13(金) 晴れのちくもり 7:00ワカバ沢出合~15:00北寒江山~16:30竜門小屋
8/14(土) 雨 竜門小屋停滞(S山パーティー到着待ち)
8/15(日) 雨 5:30竜門小屋~8:00日暮沢小屋~10:30大井沢温泉

竜門小屋同時集中する岩井又に入るS山パーティー4名と行動を共にする。8月10日のうちに最終の新幹線で新潟入り。駅周辺でゴロ寝している若者が多いのはライブがあったのだとか。若者とは雰囲気を異にしながらも、ステビバの同士が多いのは心強い。

台風が直撃するのはわかっている。それは12日の午後。我々竹ノ沢パーティーは、初日の11日と、翌日12日午前中のうちに距離を稼いで安全な高台で台風をやり過ごす計画をたてる。

■8/11
引用元:株式会社ウェザーマップ『気象人

始発の電車で村上へ。予約していたジャンボタクシーに7人で乗り込んで奥三面ダム車止めまで移動。つかの間の休息。メジロの襲来を予想してタクシーに乗り込む前に沢支度を済ませておいたわけだが、意外な事にメジロがいない。ここでは全く対策が不要だ。

三面川沿いの登山道を小一時間ほど歩いて、岩井又パーティーと別れ、3日後の竜門小屋での再開を誓う。

3人になった我々は灼熱の登山道をさらに歩き続ける。メジロも増えてきた。メジロを気にすれば気にするほど体力の消耗が激しくなる。S田さんは少々バテ気味だ。

事前の情報通り、三面小屋から先の道が不明瞭だ。地形図通り小屋の後ろの藪を進むとすぐに明瞭な踏み後に出る。暑いのを除けば快適な登山道。

暑すぎる。キスケ沢で入渓することを考えていたが、早く沢に下りようと、ヒヨガラ沢から下りて三面川に入渓。しばらく雨がないせいだろう。穏やかだ。その穏やかな渓相の中を泳ぎやヘツリで進む。

(A久さん撮影)

メジロが増えてきた。防虫ネットをかぶって遡行する。私は黒の防虫ネットを使っている。比較的視界は良好だが、A久さんとS田さんは緑の防虫ネット。視界が悪いらしい。防虫ネットの中にメジロが入ってくる。気が散る。

(A久さん撮影)

竹ノ沢出合へ。竹ノ沢は思いのほかちいさい。水量が少ないせいでそう見えるのだろう。当初の予定はこの辺りでのビバークを考えていたが、台風が来るまでできるだけ進んでおきたい。先へ進む。

入り口のゴルジュは泳ぎヘツリ。メッシュに水滴がつくと視界がなくなるのとともに息が苦しくなる。仕方がない。

(A久さん撮影)

水流が多いと難しいだろうゴルジュ、釜も泳いで突破。

17:00スダマ沢出合にて、ここより先に進むには時間が厳しいか。左岸の砂地にて泊。

竿を振る。魚影はあるもヒットしない。メジロにやられ釣りに集中できない。この日はA久さんが途中で釣り上げたのが1匹のみ。



■8/12
引用元:株式会社ウェザーマップ『気象人

台風が上陸するのは午後。午前中が勝負。4時起き5時発の早出。
朝イチから飛び込み泳ぎが始まる。水は思いのほか冷たくない。

この日は泳ぎまくる。
左岸から右岸、右岸から左岸へと泳ぎながら壁をけって流れを横切る。
水流の弱点を突いて泳ぐ。

50m続く淵も、泳ぎまくる。
(A久さん撮影)

二人組みパーティーと遭遇。
彼らとは、抜きつ抜かれつのペースで進む。


この滝は登れない。
(A久さん撮影)

右の細い水流のクラックに取り付いて、カム+アブミで越えようとするも、もう一手がない。そのうち2人組パーティーが追いついてきて、我々も一度は取り付いてあきらめた、右の乾いた壁を空身で乗り越えて行った。その様子をまじまじと眺めた後、A久さんのショルダーで私が登る。登れるとわかれば登れるものだ。

(A久さん撮影)

取り付けない滝は適宜巻いて。白く泡立つ激流に突っ込んで滝に取り付くなど。

超難関ルートの相模沢出合を越え、9:30金堀沢出合に到着。進路は右、中ノ俣沢。ここから先は岩魚がいない。温泉成分が流れ出しているからだそうだ。ということでしばらく竿を振るも釣果なし。

2日目の最低ラインである金堀沢には着いたが、さて。
天気は以外と持ちそう。時間も早いこともあり、次を目指す。

泳ぎ、ヘツリは続く。
(A久さん撮影)

連瀑は後半直登できず、右岸を巻く。ちょっと悪いのでロープを出して。
(A久さん撮影)

この滝は、A久さんが空身でリード。
先行していた2人組(A久さん撮影)

うまい具合に流木が橋になっているが、そうでなければかなり大変だったはず。

雨が強くなってきたころ、14:00ワカバ沢出合付近。目標地点まで到達。台風を避けるための安全な幕場は簡単に見つかった。タープをドーム状に張り、風対策もOK。
(A久さん撮影)

ガスで夕食を作る。虫はなぜかいない。台風を前に、虫たちも避難しているのだろうか。台風は6時頃、秋田に上陸したとの事。豪雨で川は氾濫。谷底だけに風は無い。


■8/13
引用元:株式会社ウェザーマップ『気象人

台風は去った。雨はそれほどでもなかった。水が引くのを半日くらい待たなければいけないかと思ったが、すっかり水は引いていた。濁りもない。これまで雨が降らなかったせいだろう。乾いた大地が台風の雨を吸い取ってくれたようだ。

三人オナカ沢出合の滝は左岸を巻く。巻いている途中には、2人組がビバークしているところに出くわした。
(A久さん撮影)

またすぐにでてきた大きな滝。
(A久さん撮影)

水流通しで行こうとしたが、中段で前進できず、ワンポイントで巻く。すぐに水流に戻り滝上段に取り付く。滝落ち口は微妙に悪いので右岸を巻く。ここにはすばらしく立派な幕場適地。前日あと2時間時間があればここまで来たいところだ。

左岸をへつり上がり、空身で落ち口へジャンプ。ザックは放り投げ。
(A久さん撮影)

まだ続く泳ぎ。
(A久さん撮影)

右岸から巻く。
(A久さん撮影)

左岸を巻く
(A久さん撮影)

左のカンテを空身で登る。
(A久さん撮影)

盛りだくさんな内容で、いよいよ滝は小さくなり源頭へと。


お花畑の源頭を詰める。
(A久さん撮影)

小さく残る雪渓を経て、三方池、そして稜線へ。台風襲来にも関わらず、予定より早い沢中2泊で抜けたことになる。

1日早く、竜門小屋に向って朝日の稜線を2時間歩く。
(A久さん撮影)

快適な竜門小屋。管理人さんに呼ばれて大宴会を繰り広げる。

■8/14
引用元:株式会社ウェザーマップ『気象人

この日集中する岩井又のS山パーティーを待つ間、大朝日岳ピストンをしようかとおもったが、台風去ってまた一難。前線の雨。暴風・豪雨である。ダラダラ停滞する。

正午、ずぶ濡れになったS山パーティー4名が無事、竜門小屋到着。濁流をかわして藪を登り詰めて竜門山に突き上げたということだ。

小屋の管理人さんからいただいた肉をカレーに入れて無事集中を祝う宴会。


■8/15
引用元:株式会社ウェザーマップ『気象人

山の雨はまだ降りやまず。
川のような登山道を日暮れ沢に向って下山。

安全圏へ降り立ったと思ったのもつかの間、林道を横切る川が氾濫して徒渉もままならない。
ロープを使ってなんとか渡りきる。

これが道路。
(A久さん撮影)

歩くうちに雨は止み、そのまま大井沢温泉まで歩き入力。呼んでおいたジャンボタクシーで寒河江駅へ。左沢線で山形へ行き、焼肉食べ放題。新幹線で東京へ。




~~ 合宿を終えて ~~
6月に合宿の企画が立ち上がってから、パーティーメンバー、日程、ルートなど2転3転する中、最終的に我々A久パーティーは企画立ち上がり当初のメンバーとルートで望むことができた。今回の合宿の成功は2ヶ月間の継続した訓練の賜物である。S田さんとは4週連続で訓練でき、メンバー3人による訓練山行も2回行うことができた。初心者とばかり思っていたS田さんだったが、訓練を重ねるごとに上達し、なにより精神的にタフになった。

泳ぎの光来出、巻きの足尾沢を経験したこと。5級にランクされる竹ノ沢であるが、泳ぎは光来出ほど長くはなかったし、巻きは足尾沢ほど厳しくはなかった。蓋を開けてみると訓練のほうが厳しかったり訓練ですでにこなしている内容がほとんどだった。

台風襲来。これが今回の合宿の試練だったか。台風は来ることがわかっていたので、どこまで進んでどこでビバークするかなど、あらかじめ備えることができた。

訓練の成果も、個人の力も、充分に発揮できた。良いパーティーで良い山行ができた。

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